大坂同志は無実 第26・27回公判 「工学院に大坂はいなかった」 権力の虚構突き崩す証言
週刊『前進』04頁(3298号04面01)(2023/06/12)
大坂同志は無実
第26・27回公判
「工学院に大坂はいなかった」
権力の虚構突き崩す証言
1971年11月14日、沖縄返還協定批准阻止闘争(渋谷暴動闘争)を闘い「殺人罪」をでっち上げられた大坂正明同志の第26回、27回公判が5月29日と30日、東京地裁刑事第4部(高橋康明裁判長)で開かれた。裁判は弁護側立証に入り、大坂同志の無実を明らかにする証人の登場で権力のでっち上げが一層明白となっている。
大坂同志を全く知らない群馬の学生たち(少年含む)が、死亡した警察官を殴打していた人物を「事前に見かけた」とされている場所が、デモの準備で訪れた工学院大学(新宿)だ。第26回公判では当時工学院大学の学生リーダーとして11・14闘争を闘ったY同志が証言台に立った。Y同志は「群馬の奥深山幸男さんから、デモで使う旗ざお作りを手伝うと連絡が入った。彼らは数日前から東京に来て、デモの準備をしていたようだ」「工学院は三多摩全学連の拠点校。三多摩の仲間は出入りするが、群馬の学生が来たのは初めて。千葉の大坂さんは工学院大学に来たこともなければ、来なければならない理由もなかった。皆、各地区で闘争への参加を全力で組織していた」と真実を突きつけ、権力のでっち上げストーリーを破綻に追い込んだ。
群馬の学生らのでっち上げ調書に繰り返し登場する「工学院大学の責任者」Y同志の毅然とした法廷証言に、検事は反対尋問で事実関係について全く触れることができなかった。ひたすら「あなたは革共同集会に参加しているか」「昨日行われた星野・大坂集会に参加したか」「裁判の内容を熟知しているのではないか」と、証言の信用性に少しでも傷をつけようとケチ付けを試みたが、まったく迫力を欠いた。「工学院で見た男が殴っていた」「それは大坂だ」という権力のでっち上げストーリーは完全に崩壊した。
第27回公判では渋谷闘争に反戦青年委員会の労働者として地域の仲間をまとめる立場で参加したI証人が、殴打現場に大坂同志と似た身長・体格の人物がいなかったことを明快に述べた。「殴打していた人は大柄で、横幅もあった。体格からして大坂さんとは別人」「当時の私の身長は178センチ。大坂さんの手配書の記載と一緒。私と同等の身長の人は、警察官を取り囲んだ集団の中にはいなかった」「私は殴打現場を取り囲む輪にいて事態を目撃したが、部隊をまとめるためにデモ隊の総指揮者である星野さんに注目していた。星野さんは殴打現場ではなく、そこから離れた十字路にいた」と証言し、殴打現場に大坂同志がいなかったことのみならず、故・星野文昭同志の無実もまた明らかにした。
権力のでっち上げを暴く弁護側立証は6月12日と13日、大坂同志が殴打現場にいなかったことを明らかにする証人尋問が続く。大坂同志の保釈・奪還へ、今こそ闘いを強めよう。東京労組交流センターと大坂救援会の共催で7月9日に行われる第5回東京拘置所包囲デモに集まろう。傍聴闘争に結集し、裁判勝利へ突き進もう。