戦争国会粉砕!岸田政権倒せ 戦争阻む階級的労働運動復権を 6・18国鉄闘争全国集会へ

週刊『前進』04頁(3298号01面01)(2023/06/12)


戦争国会粉砕!岸田政権倒せ
 戦争阻む階級的労働運動復権を
 6・18国鉄闘争全国集会へ


 6月8日の参院法務委員会で入管法改悪案の採決が委員長職権で強行され、9日にも参院本会議で可決・成立の見通しと報じられる中、戦争に突き進む日本帝国主義・岸田政権に対する広範な労働者階級人民の非和解的な怒りが一気に拡大している。G7広島サミット粉砕闘争への警視庁機動隊の暴行と学生への不当逮捕をめぐっても、広島市民をはじめ多くの人々が続々と抗議し、弾圧は完全に粉砕された。渦巻く怒りの声を結集し、戦争国会粉砕・岸田政権打倒へ猛然と反撃に打って出よう。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・17討論集会―18全国集会の成功をかちとり、今夏8・6広島―8・9長崎闘争に全国から総結集しよう。

ウクライナ戦争の重大化

 G7広島サミットを転換点として、ウクライナ戦争は重大局面に突入した。
 すでにウクライナ東部と南部のロシア軍占領地域では、ウクライナ軍とロシア軍の激しい戦闘がくり返され、連日すさまじい数の犠牲者が出ている。6月6日に起きた南部ヘルソン州カホフカ水力発電所ダム「決壊」による大洪水は、広大な土地・集落を破壊し、膨大な人々の住宅、農地、食料、水を奪い、恐るべき惨状を引き起こしている。ダムはザポリージャ原発やクリミア半島への水の供給源でもある。ウクライナ、ロシア双方が相手による攻撃が原因だと主張しているが、いずれにしてもはっきりしていることは、G7とゼレンスキーはロシア軍占領地域のみならずウクライナ領内の住民をも犠牲にして、対ロシア戦争をどこまでも継続・激化させることをG7サミットで確認し、実行に移しているということだ。
 ゼレンスキーが予告してきた「大規模反攻作戦」の実行は戦争をさらに破局的なものにする。4日にはドネツク州南部、ザポリージャ州東部などでロシア軍が攻撃を受け、ウクライナ国防省も「いくつかの地域で攻撃的な行動に移行した」と発表した。すでにウクライナ軍は5月初めまでに英独の主力戦車230両を受け取り、部隊編成も終えている。この間は「準備作戦」として長射程巡航ミサイルや攻撃型無人機を使ったロシア軍占領地後方への攻撃やクリミア半島への攻撃をくり返してきた。そしてゼレンスキーは、G7広島サミットでF16戦闘機の供与を含むG7の軍事支援を要求し、帝国主義の先兵の姿をあらわにした。
 ウクライナ軍の当面の目標は、2014年にロシアが併合したクリミア半島の奪還をめざし、東部と南部のロシア軍を分断してクリミアをロシア本土から切り離すことにあるとみられる。クリミア半島問題はウクライナ・ロシア双方にとって体制を揺るがす大問題であり、破滅的な核戦争の危機を一気に深めることになる。G7広島サミットは、これにゴーサインを出した文字通りの戦争会議=核戦争会議だったのだ。
 この戦争を終わらせることができるのは、帝国主義によるさらなる軍事支援の拡大、「大規模反攻」などでは断じてない。自国政府の戦争に反対して闘う全世界の労働者階級人民の反戦闘争のみであり、その歴史的決着は帝国主義とスターリン主義を打倒するプロレタリア世界革命以外にない。その決定的な突破口を開いた広島サミット粉砕闘争の地平を引き継ぎ、「ウクライナ戦争を今すぐやめろ!」「米・NATOもロシアもウクライナから手を引け!」「日本のウクライナ参戦許すな!」の闘いを巻き起こそう。

日帝参戦へ突出する岸田

 6月2〜4日にシンガポールで行われたアジア安全保障会議では、オースティン米国防長官が「台湾海峡での衝突は破滅的なものになる」「台湾関係法に基づく(台湾支援の)義務を果たす」と中国を挑発。これに対し、中国の李尚福国務委員兼国防相も「(アメリカは)他国の内政に手を突っ込み、その地域をめちゃくちゃにしてきた。アジア太平洋では同じことをくり返させない」「(台湾問題について)中国軍はいかなる犠牲を払ってでも必ず主権と領土を守る」と激しく反論した。この会議中、米海軍はミサイル駆逐艦を台湾海峡に派遣し、中国軍艦がこれに急接近するという一触即発の事態も起きた。
 これと同時に初めて行われた日本とウクライナの防衛相会談では、レズニコウ国防相が「日本周辺を弾道ミサイルが飛んでいる状況だ」「(ロシアによるクリミア併合は)日本の皆さんも北方領土が頭によぎったのではないか」「ウクライナと日本は似たような状況下にある。敵を排除し脅威を牽制(けんせい)していくべきだ」と述べ、事実上、ウクライナ戦争への日帝の参戦を促した。これに浜田靖一防衛相は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と応じ、自衛隊車両100台、非常食3万食の提供やウクライナ負傷兵の自衛隊病院への受け入れを改めて表明した。
 日帝・岸田政権は、G7議長国として全帝国主義の「先頭」で戦争へ突進している。戦時体制構築のための反動諸法案を国会で次々と成立させ、7月のNATO首脳会議には昨年に続いて岸田が出席しようとしている。だが、この岸田の突出は、戦争に反対する労働者階級人民の怒りと闘いをかき立てずにはおかない。
 入管法改悪をめぐっては、入管収容施設で殺されたスリランカ人女性ウィシュマさんの家族や、強制送還によって命を奪われかねない難民申請者らの必死の訴えに応え、「廃案しかない!」の声が国会正門前を連日埋め尽くした。入管法改悪は、在日・滞日外国人を日常的に弾圧し、日本の労働者階級と分断する極悪の入管体制を、戦争に向かって全面的に強化する戦時立法である。難民申請者を含めて「在留資格」がないというだけで外国人を犯罪者扱いし、強制送還し、虐殺する改悪入管法と入管体制こそ、戦争に突き進む日帝の正体を示している。入管体制は解体あるのみだ!
 戦争国会粉砕・防衛財源確保法の成立阻止へ、終盤の国会闘争に結集しよう。

資本主義倒す労働運動を

 日本の労働者階級人民が守り抜いてきた「核と戦争を絶対に許さない」という決意と闘いは、国家権力の総力をあげた厳戒態勢によっても、また連合や既成勢力によるサミット翼賛運動によっても、決して押しつぶすことはできなかった。そればかりか広島現地での闘いは、国家権力の弾圧を粉砕し、さらに大きな闘いへと発展しつつある。「戦争を内乱へ」を貫く闘いとして、今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争をかちとろう。そのためにも、国鉄闘争全国運動が呼びかける6・18全国集会を成功させ、階級的労働運動の巨大な発展を切り開こう。
 岸田政権が6日にまとめた「新しい資本主義」実行計画改訂案では、岸田自身が当初掲げた「分配」への言及がほとんど消滅し、代わりに半導体などの工場誘致をはじめとした海外企業の投資促進や、公的資金を投じた官民ファンドによるスタートアップ(起業)支援など、資本への優遇・救済とテコ入れが目白押しとなった。「最も分量を割いたのは、脱炭素やデジタル化などを含めた経済安全保障をめぐる投資策」(6月7日付朝日新聞)で、その本質的な中身は中国への対抗と原発推進、戦争準備に貫かれている。これと一体で、労働者に転職やジョブ型雇用への転換を促すため、長期雇用による退職一時金の優遇税制の見直しも明記された。
 結局、労働者に襲い掛かるのは、AIへの置き換えも手段とした大合理化、解雇自由化であり、大崩壊する新自由主義の戦時下での絶望的強行の攻撃にほかならない。いま求められているのは、この攻撃を打ち破り、命脈の尽き果てた資本主義を打倒する階級的労働運動の力強い登場だ。国鉄分割・民営化に唯一ストライキで立ち向かい、闘いの旗と組合員の強固な団結を守り抜いた動労千葉、そして全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同の3労組共闘を先頭に、あらゆる職場に闘う労働組合をよみがえらせよう。反戦闘争の先頭に闘う労働者・労働組合の大隊列を登場させよう。全国から6・17討論集会―18全国集会に結集しよう。

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