サミット粉砕闘争最終日のアピール 8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長 宮原亮さん
サミット粉砕闘争最終日のアピール
8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長 宮原亮さん
G7広島サミット最終日の5月21日、核戦争会議であることが明らかになる中で、被爆者の怒りを解き放ち繁華街でデモが闘われた。デモに先立つ集会で8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長の宮原亮さんが「われわれは体を張って全世界に世界戦争を阻止する展望を示した」と確信をもって訴えた。アピール全文を掲載します。(編集局)
闘う姿、全世界に示そう
ゼレンスキーの参加で、このG7広島サミットは一変したと思います。
みなさん、ウクライナ戦争が始まって以来、われわれは改めて戦争というものがどういうものか見てきたと思います。「ロシアへの反撃開始」と言って戦車や戦闘機まで使って、劣化ウラン弾まで使って、これまでの何十倍、何百倍の命を奪い、血を流そうとしている。そこから「ロシアを抑えて中国を打ち負かすんだ」と言って、今日、日米韓首脳会談もやって中国に対する戦争に突き進もうとしている。しかもそれはウクライナの人たちのためでもなんでもなくて、われわれ労働者から搾り取り奪い取ることで成り立ってきたG7の頭目と支配階級の腐り切った利益のために戦争をやろうとしているんだ。こういうことをG7サミットで宣言するために彼らはゼレンスキーをわざわざ連れてきたんだ。
この何の正当性も正義性もない戦争激化、おびただしく生み出される死体の山、墓場の数々、ウクライナの人民に「戦場に行け」ということを正当化するために彼らは今回、被爆地・広島を徹底的に利用したんだ。78年前の8月6日、まさにこの場に生み出された光景を明日も、あさっても、この先も繰り返すために彼らは広島に集まったわけです。絶対に許せない!
何が広島ビジョンですか。彼らは平然と、G7の核兵器は「防衛目的のために役割を果たしている」と言っているわけです。被爆者団体、広島の反核団体は一斉に非難の声を上げています。サミット翼賛報道をしてきた中国新聞でさえ「核兵器のない世界を目指す気があるのか」と書いている。アメリカがやっている核兵器の近代化というのは、核兵器を実際に使用していくために改良していくことなんです。イギリスは核弾頭の保有数の上限を引き上げているじゃないですか。核戦争をやる気満々なのはG7の側なんですよ。
今日これからデモ行進を行います。みなさん、その意味についてぜひ考えてほしい。
われわれはG7広島サミットが戦争会議であること、戦争拡大・戦争突入を宣言する会議であること、そして核戦争を準備する会議であることを1年前から言い続け、闘い続けてきました。
5月17日から今まで6回のデモをやってきて、われわれはこのG7広島サミットの正体をこの体で把握してきたと思う。デモのたびに警察権力はわれわれを突き飛ばし、大音量で威嚇し、歩道を警察官で制圧して、歩行者を近づけないようにして、柵を作ってデモに近づけないようにして、そしてデモを報道しようとするマスメディアを妨害してきたじゃないですか。予防弾圧として8人もの仲間を逮捕し、挙げ句の果てに日米首脳会談の現場のすぐそばで広島大学の太田君をデモの最中に襲撃し、不当に逮捕・拘束しているじゃないですか。
しかしわれわれはそれに対してしっかりとスクラムを組んで、機動隊に体ごとぶつかって押し返し、次々とデモを打ち抜いて、この5日間、広島の街を反対デモ一色に塗り替えてきたではないですか。中央署に太田君の激励に行った時のことをみなさん覚えているでしょう。慌てふためき右往左往する警察の姿を見たでしょう。2万4000人の機動隊? 警視庁最強の4機? こんなもんか、という感じでしょう? われわれの部隊が2倍、3倍、10倍と増えればこんなやつら吹き飛ばせるんだということをわれわれは体でつかんできたと思う。
全学連の戦闘的デモの動画を見た私の職場の同僚は「みんなすごいね。なんか見てると勇気出てきそう」だと言ってくれましたよ。昨日の集会で被爆2世の方が「広島市民を代表してお礼を言いたい」と言ってくれました。われわれの闘いは確実に広島の労働者市民を、そしてメディアを通じて全国、全世界の人民を勇気づけ、闘いの方向性を指し示しているんです。
だからわれわれは、G7広島サミットで出された「広島ビジョン」なんかに落胆や失望は一切ないですよ。われわれにあるのは煮えたぎる怒り、そしてわれわれの力です。戦争を止めることはできるんだ、戦争の元凶である帝国主義を打倒して文字通り核も戦争も廃絶することができるんだ、われわれは全世界の労働者人民と共にあるという圧倒的な確信と展望をもっているじゃないですか。
だからわれわれは今からG7広島サミット粉砕の旗を高々と掲げて、これから堂々とデモ行進をしようではないですか。G7広島サミットの正体に怒りを爆発させている被爆者、広島の労働者市民、そしてカメラの向こうの世界の労働者人民にわれわれの闘う姿を今一度示そうではないですか。
今一度、ゼレンスキー参加によってより一層血塗られたサミットであることがはっきりしました。このG7広島サミットに対してわれわれの渾身(こんしん)の怒りをたたきつけるデモをやりましょう。