星野文昭さん・暁子さん往復書簡 『あの坂をのぼって』発刊 35年の愛の軌跡

週刊『前進』04頁(3294号04面03)(2023/05/15)


星野文昭さん・暁子さん往復書簡
 『あの坂をのぼって』発刊
 35年の愛の軌跡


 沖縄闘争を闘い、でっち上げ殺人罪で無期懲役判決を受けるも、獄死まで44年間の獄中闘争を不屈に貫いた星野文昭さんと、獄中結婚以来35年間夫を支え共に闘い抜いた暁子さんの往復書簡『あの坂をのぼって』が、アーツアンドクラフツ社から発行された。(定価2000円+税)
 暁子さんがそれまで一面識もなかった文昭さんの法廷での意見陳述に感動し、面会を重ね獄中結婚に至って以来の二人の歩みが、残された74通の手紙によってつづられている。「毎日便」と呼ばれた葉書も含めて往復6500通もの膨大な手紙のごく一部だが、一通一通に互いの魂を込めた切実な語りかけが見られ、その響き合いが緊迫感をもって伝わってくる。
 夫婦なのに面会してもアクリル板に遮られ、手を握ることもできない。生身の肉体をもった男女が互いを必要とし、求めあう長い年月にわたる営みが、驚くほど赤裸々な表現でつづられている。
 本書には、星野さんをモデルにした「ブラインド・タッチ」脚本・演出の劇作家、坂手洋二さんと、星野再審闘争を担ってきた岩井信弁護士が心のこもった一文を寄せている。文昭さんの手術をした東日本成人矯正医療センターでの緊迫した対峙の模様とともに、本書のゲラを読んでの感想も記されており、最高の推薦文となっている。本の帯にはコメディアンの松元ヒロさんの素敵な宣伝文がある。

星野国賠勝利へ

 文昭さんと暁子さんは「イスト(共産主義者)として」ともに革命に向かって闘うことを再三確認し合っている。戦争に反対し革命を切り開くことと星野闘争勝利を一体のものとして闘い抜いてきた。闘う二人の不屈の姿勢の中に、労働者階級解放闘争の正義性と勝利性が示されている。そういう意味でも本書から学ぶことは非常に多い。
 本書を学び、星野さん獄死の責任を問う国賠闘争、星野さんと共に「殺人罪」をでっち上げられ今なお勾留中の大坂正明さんの裁判に勝利し、中国侵略戦争阻止の闘いの前進をかちとろう。
 書店でお求め下さい。注文は、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議(東京都港区新橋2―8―16石田ビル4階)。前進社でも扱います。
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