大軍拡・戦争進める岸田政権打倒を 「復帰」51年5・15沖縄闘争へ 中国侵略戦争阻止へ正念場

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週刊『前進』04頁(3291号03面01)(2023/04/24)


大軍拡・戦争進める岸田政権打倒を
 「復帰」51年5・15沖縄闘争へ
 中国侵略戦争阻止へ正念場


 ウクライナ戦争は、米をはじめ北大西洋条約機構(NATO)諸国の戦車や戦闘機、劣化ウラン弾の投入により、世界戦争としてさらに激化している。米日帝国主義の中国侵略戦争突進がこれと一体で進行する中、「復帰」51年の5・15沖縄闘争は世界戦争阻止をかけた決戦となる。5・15沖縄闘争と5月主要7カ国(G7)広島サミット粉砕闘争を一体の歴史的決戦としてかちとろう。

南西諸島の戦場化許すな

 G7議長国である日帝・岸田政権は、5月広島サミットをもって、ウクライナ戦争と中国侵略戦争の主導的推進国として登場しようとしている。自治体や連合のサミット推進勢力への取り込みとサミット厳戒体制で反戦反核闘争を圧殺し、広島の名で対ロシア・対中国の「核抑止」=核戦争を宣言するなど、絶対に許すことはできない。
 沖縄闘争は、米日帝による中国侵略戦争を阻止する闘いの最前線だ。米戦略国際問題研究所(CSIS)や防衛研究所などは報告書で、南西諸島が戦場になることを想定し、半年から1年「時間を稼ぐ」計画を公然と発表している。
 沖縄戦の教訓は「軍隊は住民を守らない」だ。「本土決戦の準備のための時間稼ぎによって一般住民に多大な犠牲を強いた」(1月5日付琉球新報)沖縄戦を、米日帝が再び繰り返そうとしているのだ。

狙われる全面的軍事使用

 5月沖縄闘争は何より、中国侵略戦争のための沖縄―南西諸島の全面的な軍事要塞化を打ち破る闘いだ。昨年末の安保3文書閣議決定を皮切りに、その計画が一気に噴出してきている。
 まず、那覇市に拠点を置く陸自第15旅団(現在約2200人)の「師団」(最大8千人規模)への格上げだ。独自に作戦が展開できる師団へと増強し、司令官を格上げして米海兵隊の「遠征前進基地作戦(EABO)」を共同で担う中心的師団とするものだ。
 さらに、南西諸島全体へのミサイル部隊配備だ。奄美大島、宮古島に続いて3月16日に石垣駐屯地が開設され、地対艦・地対空ミサイル部隊が配備された。今年度には本島・勝連分屯地への地対艦ミサイル部隊配備と連隊本部設置が狙われており、与那国駐屯地への地対空ミサイル部隊配備計画も発表された。
 吉田圭秀陸上幕僚長(当時)は3月16日の記者会見で「南西防衛体制の強化はまだまだ途上だ」と、さらなる増強計画を進める考えを示した。安保3文書で明記された「反撃能力」(相手国領域内の基地・中枢機能への先制攻撃能力)に基づき、中国本土に届く長射程ミサイル部隊の沖縄への配備も狙われている。そして、陸自沖縄訓練場(沖縄市)に弾薬などの集積拠点を新設する。米軍嘉手納弾薬庫を自衛隊が共同使用することも確認された。
 こうした動きと連動し、米軍は在沖海兵隊の一部を2025年までに「海兵沿岸連隊(MLR)」に改編する。EABOの中核部隊で、地対艦ミサイルシステムを配備し、陸自の地対艦ミサイル部隊と連携して運用するという。日米での作戦体制構築が狙われ、共同訓練も日常化している。エマニュエル駐日米大使は3月15日、「(沖縄の基地負担は)自由で開かれたインド太平洋を守るための責任だ。負担ではない」と言い放った。米軍の狙いは空港や港湾、道路など公共インフラを含む沖縄全土の軍事使用だ。絶対に許すことはできない。

日米安保体制覆す激突点

 昨年の「復帰」50年5・15沖縄闘争は闘争圧殺攻撃を打ち破って「闘いの日」としての「5・15」を守り抜き、新たな安保・沖縄闘争の発展を切り開いた。
 1972年5月15日、日米帝国主義は、本土復帰闘争における沖縄労働者人民の要求を踏みにじり、米軍基地を半永久的に固定化した。基地の固定化と全面自由使用(戦闘地域への直接発進)、「有事の核持ち込み」(核密約)を強制した「ペテン的返還」。この日を「屈辱の日」として怒りのデモに出て、この体制を覆すことを誓ったのが5・15の原点だ。世界戦争情勢下の今日、労働者階級にとって5・15は全基地撤去・日米安保粉砕、改憲・大軍拡・戦争の岸田政権打倒を掲げて闘う日である。
 昨年、全学連を先頭に、機動隊に守られた「復帰50年記念式典」を怒りで包囲したデモと実力抗議闘争は、辺野古新基地建設強行、沖縄全土を「戦場」に見立てた軍事演習の激化と臨戦態勢化、事件・事故の多発、南西諸島のミサイル基地化―軍事要塞化の現実に対する沖縄労働者人民の怒りと一つになって闘い抜かれた。中国侵略戦争へ向けた沖縄の最前線基地化―再びの戦場化への道か、「5・15体制粉砕、中国侵略戦争阻止、全基地撤去、安保粉砕・日帝打倒」か。沖縄―全国の労働者人民と岸田政権との非和解的な激突を満天下に示したのだ。
 米日帝の中国侵略戦争を阻止する反戦闘争は、何よりも沖縄の最前線基地化を許すのか否かをめぐって鋭く問われている。この闘いは、米帝の戦後支配体制の支柱であり、日帝の帝国主義的延命と再建の唯一の形態であった日米安保そのものを根幹から粉砕する闘いとして爆発していく以外にない。米核軍事力の同盟国への配備である「拡大抑止」や「核共有」が公然と協議され、日米安保は今や核軍事同盟としての姿をむき出しにしている。
 かつてベトナム戦争で沖縄からB52爆撃機が飛び立っていく現実に対して、星野文昭同志や大坂正明同志を先頭にした70年安保・沖縄闘争は巨大な階級決戦として爆発した。これと一体で、沖縄における全人民的な反戦闘争、そして「死すべきは基地だ。労働者は死んではならない」と訴えた基地労働者のストライキが日米安保の根幹を揺るがし基地機能をガタガタにして実際に出撃を阻止した。日米安保体制の最大の矛盾の集中点である沖縄における階級闘争は、世界戦争を阻止する力を持っている。

青年労働者・学生先頭に

 福岡高裁那覇支部は3月16日、辺野古新基地建設について沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る二つの訴訟の判決で、県の訴えをいずれも退けた。だが、ゲート前座り込みをはじめとした不屈の実力阻止闘争は新基地建設を阻み続けてきた。3月18日には、石垣駐屯地へのミサイル・弾薬搬入に対して全学連・赤嶺知晃委員長らが抗議行動に駆けつけ、地元住民とともに実力阻止闘争を闘い抜いた。
 何より学生・青年の巨大な隊列の登場こそが未来を決する。帝国主義の末期的危機と日米安保の矛盾は、青年を非正規職、基地労働者、自衛隊でしか生きられない現実にたたき込んでいる。しかし今、青年労働者を中心とした労働組合が労組破壊攻撃と立ち向かい、力強く前進している。戦争と生活破壊への青年労働者の怒りはせきを切って噴出し始めている。沖縄―本土を貫く反戦闘争の爆発、階級的労働運動の発展こそがこの現実を打ち破る力だ。沖大をはじめとした戦時型大学支配と闘う全学連とともに、5月沖縄闘争で青年労働者の運動の登場をかちとろう。沖縄闘争を爆発させ、サミット粉砕5・19広島行動に総決起しよう。

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「復帰」51年 5・15沖縄闘争
 5月13日(土)
  国際通りデモ 午後4時 県庁前県民広場集合
  「復帰」51年5・13沖縄集会 午後6時30分開会 沖縄青年会館大ホール(那覇市久米2―15―23)
 14日(日)
  沖縄戦跡めぐりなど
 15日(月)
  辺野古現地闘争 午前8時30分ゲート前
  陸自那覇駐屯地申し入れ 午後0時30分ゲート前
 主催 改憲・戦争阻止!大行進沖縄/共催 国鉄闘争全国運動・沖縄

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