2023メーデーアピール 5・19広島サミット粉砕へ 労働運動再生し戦争阻もう

週刊『前進』04頁(3291号01面01)(2023/04/24)


2023メーデーアピール
 5・19広島サミット粉砕へ
 労働運動再生し戦争阻もう

(写真 JRの闘う労働組合である動労千葉は3月18〜19日、「23春闘勝利、3月ダイヤ改定阻止、久留里線廃線化を許すな、大軍拡の岸田政権打倒!」などを掲げて、断固ストライキに決起した。18日、千葉運輸区前で横断幕を広げて闘う動労千葉組合員)


 激しい物価上昇の中で生活は苦しくなるばかり。それなのに賃金は一向に上がらない。現場で働く私たちのことを何だと思っているのか! その一方で世界中が戦争に突き進んでいく。この時代に生きるすべての青年労働者に訴えます。5月1日、メーデーは「労働者の闘いの日」です。団結と誇りを取り戻し、戦争を止めるために、今こそ労働組合の力が必要です。新宿・反戦メーデーをはじめとする5・1メーデーを共に闘おう。マルクス主義青年労働者同盟

世界戦争推進会議を許すな

 物価は41年ぶりの上昇率を記録し、食品の値上げはますます勢いを増しています。「大幅賃上げ」は生きていくための切実な要求です。「賃上げラッシュ」と報じられますが、物価上昇率にも届かない微々たる賃上げ=事実上の大幅賃下げが続いています。とくに非正規職労働者ほど賃上げされていません。労働者を低賃金で徹底的にこき使い、都合が悪くなれば首を切る。すべては一握りの資本家がボロ儲(もう)けするためです。そして矛盾はすべて現場労働者に押し付ける。どこまでもふざけている!
 国会を見れば、岸田政権は防衛費2倍化―5年で43兆円を決め、今年度は昨年度から1・4兆円増の6・8兆円にも上っています。敵基地攻撃能力のための武器購入や沖縄のミサイル基地化が進められています。米軍と一体化し中国侵略戦争に向かい、社会のすべてが戦争に動員されようとしています。
 それは、私たちの命と生活を守るためではありません。中国市場―世界市場でボロ儲けしてきたアメリカを中心とする国々の権力者が、自分たちの権益を巡って争っているのです。そのためにお互いの国の労働者同士を殺し合わせる。戦争を進めているのも、日々職場で私たちをこき使っている連中です。
 ウクライナ戦争を巡っては、北大西洋条約機構(NATO)諸国の戦車が次々とウクライナに到着し、イギリスが劣化ウラン弾の提供に踏み切り、欧州連合(EU)も弾薬100万発の提供を決定しました。ロシアもベラルーシへの戦術核配備を宣言し、世界戦争・核戦争の危機はさらに深まっています。
 この中で3月21日、岸田はウクライナを訪問し、5月の広島での主要7カ国首脳会議(G7サミット)へのウクライナ大統領・ゼレンスキーのオンライン参加の約束までしました。事実上の参戦宣言です。帝国主義国の一員として戦争を激化させる先頭に立っているのです。
 G7広島サミットは「被爆地から核不使用を発信する」などと宣伝されています。しかし、実際には「被爆地・広島」を踏みにじり、帝国主義の頭目が集まって「中国・ロシア連合」に対する世界戦争を推進する会議にほかなりません。「ウクライナ戦争ただちにやめろ!」「G7サミット粉砕!」の闘いをたたきつけましょう。

資本主義をひっくり返そう

 ウクライナ戦争は激化・泥沼化の一途をたどり、米日による中国侵略戦争―第3次世界大戦の危機が迫っています。それは「平和な世界に危険な侵略国家が現れたから」ではありません。アメリカは戦後、帝国主義の絶対的盟主であり続け、イラク戦争をはじめ、どの国よりも残虐な戦争を繰り返してきました。そのアメリカが帝国主義として没落し、各国の権力者・支配者同士の利害の対立が大国間の世界戦争にまで行き着こうとしているのです。それは、この資本主義という社会体制の根本的な危機を表しています。
 非正規職率が4割にのぼり、多くの労働者が低賃金と不安定雇用を強制されているのも「自己責任」ではなく、資本主義社会の中で、資本の利益が何より優先され、労働者の権利が売り渡されてきた結果です。コロナ禍では、「エッセンシャルワーカー」と呼ばれ社会に必要不可欠な労働者ほど低賃金・不安定な雇用、劣悪な労働環境を強いられていることが明らかになりました。苦境にあった人もさらに追い詰められています。
 新自由主義がどれほど社会を破壊してきたことか。「資本を増殖させるためにのみ労働者が生き、支配階級の利益が必要とする限りにおいてのみ労働者が生きていける」(マルクス『共産党宣言』)----この資本主義を根本からひっくり返すところまで時代は来ています。
 その力は私たち労働者にあります。戦争を止める力も、権利や労働条件をかちとる力も、労働者が団結して闘うことの中にあります。なぜなら、実際に世の中を動かしているのは労働者だからです。学校や病院も、鉄道やバスも、介護施設や保育園も、製造業や物流も、スーパーやコンビニも、労働者が働くことで成り立っています。本来、労働者は社会の主人公です。労働者は団結して闘うことで、社会を変革する力を持つのです。
 メーデーは、1886年5月1日、アメリカ・シカゴの統一ストライキで8時間労働制がかちとられたことから、「労働者の闘いの日」として世界に広がりました。12~14時間労働が当然だった状況は変わりました。そして現代の2008年5月1日、イラク戦争の即時中止を求める米・国際港湾倉庫労組のメーデーストで西海岸の29の港がすべて止まり、イラクの港湾労組が連帯ストに立ち上がりました。戦争当事国の労働者が国境を越えて連帯してストに立ち、戦争を止めるという画期的な闘いが展開されたのです。
 帝国主義と対決して戦争を止める労働運動を再生させる----物価騰貴と世界戦争の危機の現代において、私たち労働者の未来はここにかかっています。

連合倒し国境こえた団結を

 今春闘は労働運動を巡る大きな転機でした。岸田や財界が「賃上げが必要」と語り、賃上げが「政府や資本からの恩恵」かのように宣伝されました。しかし、誰が30年にわたって労働組合を破壊し、労働者の権利と賃金を奪い、2千万人以上の非正規職を生み出してきたのか。その張本人が平然と「賃上げ」を語ること自体許せません。
 労働組合のナショナルセンター・連合は、「権利」も「闘い」も投げ捨て、自民党・財界と一体化するばかりです。春闘から「労働組合の闘いによって賃上げをかちとる」というあり方も消されてしまっています。
 しかし、生きられない現実を実力で突破する労働者の闘いが開始された春闘でもありました。全世界の労働者が激しいインフレと戦争協力と対決し、ゼネストや抗議行動に連日立ち上がっています。日本においても、新自由主義にかちぬいてきた動労千葉が戦時下の春闘ストライキに立ち上がりました。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部は、戦後最大の労組弾圧攻撃に屈せず、和歌山広域生コン協組事件の控訴審では産業別労組の活動を全面的に認めさせる逆転無罪判決をかちとりました。様々な産業や非正規職労働者のストも組織されました。
 戦前のメーデーは1936年、戒厳令によって中止されました。2年後の38年には産業報国連盟が結成され、労働組合が戦時体制を支えました。しかし今、「新たな戦前」というべき情勢下でもメーデーが開催されます。これは当たり前のことではなく、労働者の闘いが連合の戦争協力を許さず戦争体制の完成を阻んでいるからです。
 この地平を広げ、5・1メーデー闘争をやりぬきましょう。私たち自身の手で労働運動をよみがえらせる時です。「今こそ闘う労働組合を!」----この声を「労働者の闘いの日」=メーデーにとどろかせましょう。戦争・大軍拡絶対反対! G7サミット粉砕! 岸田政権打倒!大幅賃上げを! 戦争協力に突き進む連合幹部を打倒して、闘う労働組合の国境を越えたうねりをつくり出しましょう!

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