杉並区議選勝利へ総力を 戦争国会-サミット粉砕へ 戦争と大恐慌の帝国主義倒せ

週刊『前進』04頁(3289号01面01)(2023/04/10)


杉並区議選勝利へ総力を
 戦争国会-サミット粉砕へ
 戦争と大恐慌の帝国主義倒せ


 戦時下のウクライナを訪問し公然と戦争推進に踏み込んだ岸田は、4月統一地方選挙を乗り切り、主要7カ国(G7)広島サミット=核戦争会議の開催をもって9条改憲と大軍拡、戦争国家化へ突き進もうとしている。国家権力・右翼の妨害を打ち破り闘われている杉並区議選決戦は、反戦闘争をめぐる最大の激突点であり、労働者階級の未来をかけた決戦だ。ほらぐちともこ区議再選を絶対にかちとり、5・19G7広島サミット粉砕決戦の歴史的爆発を闘いとろう。「ウクライナ戦争を直ちにやめろ」「米日帝国主義の中国侵略戦争阻止」「改憲・戦争の岸田打倒」の巨大な反戦闘争をつくり出し、戦争国会粉砕へ攻め上ろう。

高まる世界核戦争の危機

 ウクライナ戦争は世界戦争・核戦争へ向かってより一層激化・拡大している。
 3月末に独製戦車「レオパルト2」、英製戦車「チャレンジャー2」がウクライナに送り込まれ、ゼレンスキー政権は4〜5月にロシア軍に大攻勢をしかけることを公言している。英帝国主義はチャレンジャー2に、湾岸戦争やイラク戦争で多大な核被害をもたらした劣化ウラン弾を搭載することを表明した。ウクライナに放射能がどれだけまき散らされようが構わないというのだ。これに対しロシア・プーチン政権は反人民的対抗策として、ベラルーシに戦術核兵器を配備することを明らかにした。核戦争の危機が高まっている。
 帝国主義者らは「ロシアによる核の威嚇」と非難しているが、そもそも北大西洋条約機構(NATO)諸国のドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコの5カ国に核兵器を配備しているのは米帝だ。NATOこそ核軍事同盟であり、それをロシアののど元のウクライナにまで拡大しようとしたことが戦争の最大要因だった。4月4日にはフィンランドもNATOに正式加盟し、ロシアをさらに追い詰めている。オースティン米国防長官が、米州兵が2014年以来、ウクライナ兵を2万人以上訓練してきたことを明らかにしたように、アメリカ帝国主義・NATOは戦争を準備し、この1年間に700億㌦(約9・3兆円)を超える軍事支援を行い、ウクライナを地獄の戦場にたたき込んだのだ。
 この帝国主義戦争の一角に、岸田は公然たる戦争推進国として深々と加わっていこうとしている。5月G7広島サミットは、帝国主義諸国の頭目が「被爆地・広島」を踏みにじり、核戦争にゴーサインを出す場だ。岸田は議長国としてウクライナ戦争、中国侵略戦争の主導的役割を担い、反戦反核闘争を解体して戦争国家への決定的飛躍を遂げる場として位置づけている。絶対に許すことはできない。世界戦争を自国帝国主義打倒の内乱へ転化する歴史的決戦をたたきつけ、日本労働者階級の怒りでサミットを粉砕しよう。

世界大恐慌の再爆発過程

 ウクライナ戦争の激化・拡大の中で、世界経済は2008年リーマン・ショック以来の世界大恐慌の再爆発過程に突入した。世界戦争と大恐慌が一体的に激化し進行している。
 米中堅銀行シリコンバレーバンク、シグネチャーバンクが3月に相次いで破綻した。空前の超金融緩和とバブル化の進行、戦時下での資源・物流停滞により急加速したインフレを抑えこむために米連邦準備制度理事会(FRB)は急速な利上げを行った。だが利上げは、米銀とくに中堅・中小銀行が抱えてきた米国債の含み損を大量に生み出し、相次ぐ破綻をもたらした。同時に、金融緩和―「コロナ・バブル」で巨額の利益をあげてきたIT・テック企業における過剰資本を露呈させ、IT・テック企業を支えていた銀行を直撃した。米経済は「回復」とは全く逆に、巨大な矛盾と危機を抱え込んできたことが明らかとなったのである。
 08年大恐慌以来の恐慌対策によって蓄積してきた全矛盾が本格的に爆発し始めている。帝国主義は、中国政府の4兆元もの財政出動に助けられ、中国経済への依存と超金融緩和によって08年大恐慌の激化・爆発を何とか押しとどめたが、いまやその両方が米帝を追いつめ、世界戦争に駆り立てている。米帝にとって巨大化した中国スターリン主義は、自らの体制を脅かす存在になり、打倒対象となった。また超金融緩和の継続は、より巨大なバブルとその崩壊による大恐慌再爆発の危機をつくりだした。
 マルクスが『共産党宣言』で述べたように「(恐慌の乗り切りは)もっと全面的な、もっと激烈な恐慌への道を開き、恐慌を予防する手段をますますせばめる」のであり、帝国主義段階においてはその全矛盾を戦争として爆発させる以外にない。現に今、基軸帝国主義である米帝の世界支配の崩壊、戦後世界体制の最後的崩壊が世界戦争として爆発しているのだ。
 3月29〜30日に米帝主催の「第2回民主主義サミット」が開かれ120カ国が参加したが、「民主主義対専制主義」を掲げ対ロシア・中国での結束を図った共同宣言に署名したのはその6割、73カ国・地域にとどまった。それどころか「米国の裏庭」の中南米において、米帝の招待で新たに参加したホンジュラスが、台湾・蔡英文総統の訪米・中米歴訪の直前に台湾と断交し中国と国交を樹立した。これは18年のエルサルバドル、21年のニカラグアなどに続く事態だ。3月の中国の仲介によるイラン・サウジアラビアの「関係正常化」に続き、米帝の世界支配の決定的な崩壊が突き出された。さらに国内支配の危機も深刻だ。バイデン政権は戦時下の挙国一致体制形成に向け前大統領トランプの起訴に踏み切った。だがそれは、国内の政治的分裂をさらに激化させた。米帝は危機の突破をますます戦争にかけるしかない。
 戦争でしか延命できない帝国主義を労働者階級の力で打倒しよう。戦争と物価高騰・貧困・生活破壊に対し、世界の労働者がストライキやデモに立ち上がっている。日本でも動労千葉の春闘ストライキを先頭に、連合支配を打ち破る労働者の怒りの声がわきあがっている。ここに戦争を止め、社会を変革する力がある。

「絶対反戦」を貫き闘おう

 4月杉並区議選決戦は、「絶対反戦」を貫くほらぐち区議の勝利で戦争への総翼賛体制を突き破る闘いだ。選挙戦に勝利し、自衛隊・米軍の軍事要塞化を粉砕する5・15沖縄闘争、G7広島サミット粉砕決戦、戦争国会粉砕・岸田打倒の突破口を切り開こう。
 23年度予算案の「審議」は、大軍拡をめぐる論争が全くなかった。日本共産党は岸田とゼレンスキーの共同声明を「高く評価」するなど、国会は総翼賛の姿をさらけだした。
 4月6日には「防衛力強化資金」新設の特措法案が審議入りし、ウクライナへの殺傷兵器輸出に向けた与党協議が5月にも本格化する。また衆院憲法審査会が毎週開催され、日本維新の会や国民民主党が緊急事態条項の条文案を提出、改憲・大軍拡への挙国一致体制づくりも進行している。原発政策の大転換を狙うGX関連法案や極悪の入管法改悪案との攻防も重大局面に入った。4日の衆院本会議で安保3文書について報告した岸田は「敵基地攻撃能力」について、「密接な他国への武力攻撃で発動できる」と答弁した。「密接な他国」=米軍が交戦を始めたら、直ちに参戦するということだ。ウクライナ反戦―中国侵略戦争阻止へ、軍拡・戦争国会粉砕の闘いはこれからが本番だ。
 そのためにも、ほらぐち必勝へ総決起し、杉並から絶対反戦のうねりを巻き起こそう。戦争の元凶である資本主義を救済する立場では戦争推進勢力へと転落せざるを得ない。だが、ほらぐち区議は「私が他のどんな政党・党派とも違うのは『資本主義社会を前提にしない』こと」だと訴え、労働者人民の実力行動が社会をつくる原動力だと確信している。だからこそ翼賛議会と対決し絶対反対で闘うことができる。日本共産党は「岸本区政の前進」の名で自衛官募集業務を黙認し、児童館廃止・再開発・非正規職化の予算に賛成している。日本共産党の敵対をうち破り、青年・学生・女性を先頭に反戦反核の巨大な闘いをつくり出そう。全力でほらぐち再選をかちとろう!

このエントリーをはてなブックマークに追加