3・11反原発福島行動発言 福島の怒りで核戦争阻む
3・11反原発福島行動発言
福島の怒りで核戦争阻む
主催者あいさつ
岸田と対峙して核廃絶まで闘う
3・11反原発福島行動実行委員会共同代表 椎名千恵子さん
岸田が今年も福島に来ています。ウクライナに「もっと武器を送る」と言い米国・韓国と並んで、中国侵略戦争に向け基地強化・ミサイル配備を行い、軍備拡大のため復興税を転用する盗人のような岸田首相に、東日本大震災の犠牲者を追悼する資格などない。岸田と対峙(たいじ)し今日の集会を成功させましょう。
福島第一原発の1号機から3号機が次々爆発を起こした頃、福島の子どもたちは大量の鼻血を流していた。親たちは阿鼻叫喚(あびきょうかん)の様をなして集い、真相を探り合いながら次の行動を模索していた。その現場となったのはまさにこの会館の部屋でした。1部屋で足りず2部屋に増やしていたことを鮮やかに記憶しています。
もう一つは爆発寸前に原子炉建屋で起きていたことです。危機を感じた東京電力の作業員が本社に電話し「燃料棒を冷やすために海水を入れてくれ」と伝えた。返って来た答えは、「機械が海の塩分で腐食するからそれはできない」だった。もし事故の時、ただちに原子炉に海水の注入がなされていれば、311子ども甲状腺がん裁判原告のあの7人の塗炭の苦しみも、約300人の子どもたちのがんの転移、再発も無かったのではないか。東電が企業としての利益だけを考えた。この厳然たる事実を思い出せば原発再稼働なんてありえない。なんで原発推進になっていくんだ。
県民の数だけある12年間の福島の怒り・苦しみの元凶、日本への原発の導入はそもそも核戦争のための米日帝国主義の共同の画策です。この原点を想起し、福島の怒りと闘いのすべてをなきものにして原発再稼働・運転期間延長、新増設へと向かう岸田は本当に許せない。岸田政権を一刻も早く打倒しなければならないと考えます。汚染水海洋放出を安心安全説で覆い隠し、核戦争に向かっていく岸田の大転換を絶対に粉砕しましょう。5月19日のG7サミット反対闘争を、敵の出ばなをくじく本質と熱量を持つものとして、このまま走り抜けましょう。
私たちは去年の3・11反原発福島行動を出発点として汚染水海洋放出反対の署名運動を開始しました。NAZENが窓口となり、動労千葉国際連帯委員会の協力を受け国内のみならず世界にも呼びかけました。
今、元徴用工問題で抗議行動が起きている韓国での汚染水海洋放出抗議行動の緊迫した闘いを共時し、連帯する闘いを強めていきたいと思います。
福島の怒りは核廃絶をかちとることなしにはおさまりません。だまされない、くじけない、この精神を保ち続けていきましょう。
福島からの訴え
放射能汚染水を海に流すな
原発再稼働阻止へ先頭で頑張る
全国農民会議共同代表 鈴木光一郎さん
私は本宮町で酪農と農業をやっています。3・11はまさに青天の霹靂(へきれき)でした。12年経った今も、野生の山菜、タケノコ、あるいはフキノトウなりを食べてはいけません、売ってはいけませんと。これが国策のなれの果てなんです。国土、山野を蹂躙(じゅうりん)する放射能、そのことをまず報告したいと思います。
一人ひとりが一生懸命、血のにじむような努力をやって、ようやく線量が下がっていっていることを理解してもらいたい。福島の現状は、黙々と原発と闘っていることを皆さんに報告したいと思います。原発事故の責任は岸田が負うべきです。
私は農業が大好きでやっていますが、食べる時にはいったいどれくらい線量があるのかとか、つい考えてしまいます。日常生活の中で放射能の汚染が頭にこびりついております。それが福島の現実なんです。
こういうことが、いま世界中で起ころうとしています。ウクライナ戦争でザポリージャ原発というヨーロッパ最大の原発が危機にさらされている時に、日本の原発を再稼働するなんていうことに怒らなければならない。原発事故が起これば一切がなくなります。
原発再稼働をなんとしても粉砕しようではありませんか。福島はその最先頭に立って頑張ることをお誓い申し上げます。
実害が出ている汚染水放出反対
福島 浜通りの漁業者
福島県と宮城県の境で、55年以上漁師をしています。今、国と東電がトリチウム水を海に放出するという話が出ています。我々はまだ納得していないし、話し合いも3回くらいしかしていない。
我々は被害者なんですよ。加害者を助ける前に、我々福島県民、海を使う漁業者を守るのが国ではないのか。我々が何か悪いことをしたんですか。
実際に実害として出ている。2月7日に、スズキからセシウムが検出された。スズキは我々に無縁となった。スズキは夏にかけて値が高い。これに出荷制限がかかった。解除するまでは販売ができない。
2年前に新地沖で基準値超えのクロソイが出た。それから数カ月して鹿島でも基準値超えが出て、その後、相馬沖で1400ベクレルが出てクロソイは解除になっていない。実害として出ている。百パーセント無害ではない。それが全然報道になっていない。それが今年汚染水を流したらどういう結果が出るか目に見えている。
国は暴走してはいけない。日本国民、漁師であれ誰であれ、やはり海は守るべきだと思う。海はみんなのものですから。国のものではないし、魚のすみかです。みんなの力で汚染水海洋放出を絶対に止めてください。
いよいよ決戦だ実力で断固闘う
希望の牧場・よしざわ代表 吉沢正巳さん
いよいよ汚染水が海に流されます。決戦です。
かつて1980年に浪江町の請戸漁港でホッキ貝からコバルト60が見つかりました。全部ホッキ貝が売れなくなり、東京電力が当時5億円の弁償をした記録が残っています。汚染水放出によってそういうことが繰り返し、繰り返し、始まるだろうと思っています。
実力闘争でものごとを切り開かなければいけない。私たちは本気で闘い、実力で道を開く、その決意を固め合おう。疲れた・負けたなんて言わないぞ。再び日本が80年前の戦争の時代に戻らないように、私たちが断固闘うことが呼びかけとして大きな意味をもっていることを本日確認したいと思います。
特別アピール
G7広島サミット粉砕へ
8・6ヒロシマ大行動実行委員会 保科衣羽さん
福島原発事故から12年、広島の闘いは常に福島の闘いと共にありました。G7広島サミット粉砕の闘いも福島の怒り抜きには成り立ちません。
広島市は「平和都市」というイメージ戦略をやっていますが、その実態は、8月6日の広島から反戦反核の声をしめ出し、翼賛勢力だけで平和記念式典をやろうとしている超反動自治体です。核廃絶を言いながら原発を推進する二枚舌の岸田政権と一体なのです。
ロシアと中国に対する核戦争に広島がお墨付きを与えた形に持ち込み、広島・長崎の被爆者を先頭に闘われてきた反戦反核運動をつぶそうとするG7広島サミットと一体で、さまざまな反戦反核運動つぶしが仕掛けられています。地域、職場、キャンパスでサミットのペテンを暴露し、サミット粉砕へ攻め上りましょう! 5月19日の広島現地闘争でお会いしましょう!
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集会宣言
2011年3月11日、あの原発事故を私たちは絶対に忘れない。
あれから12年。我々が受けた苦しみの一つひとつ、流した涙の数々、抑えきれない怒りの日々、無念にも亡くなられた数多くの人々を今、改めて思い起こそう。
12年目の福島。現状はどうだ。
なつかしき古里は高線量の放射能で汚染され、3万人を超える人々が今もなお全国各地に避難したまま、子どもたちの甲状腺がんをはじめ様々の健康被害に多くの人が苦しんでいる。「復興だ」「オリンピックだ」などと言ってごまかそうとしても原発の廃炉などおよそ見通せないではないか。
このような中、福島県知事・内堀は国の汚染水海洋放出にもろ手を挙げて賛成している。そして、原発汚染水を夏までに海洋放出することを強行しようとしている。そんなことは必ず阻止してやる。さらに「原発再稼働・運転期間延長・新増設―核政策の大転換だ」という。断じて許しはしない。
福島の怒りと闘いをすべてなきものにしようとする汚染水放出と原発推進への大転換攻撃は、岸田政権による中国侵略戦争に向けた大軍拡・戦争国家化攻撃と一体の攻撃だ。全国の労働者人民の総力で絶対に阻止しよう! 激化するウクライナ戦争を直ちにとめよう! 日米帝国主義の中国侵略戦争阻止! 岸田政権を打倒しよう!
2月三里塚農地強奪攻撃に三里塚芝山連合空港反対同盟と人民の怒りが爆発した。そして沖縄では人々が体を張って中国侵略戦争に向けた基地強化・ミサイル配備―「第二の沖縄戦」を許さないために闘っている。
韓国・ミャンマー・ヨーロッパなど世界各地で労働者人民がストライキをはじめ一大反戦闘争に決起している。人間として生き抜くために、帝国主義の搾取、圧政、戦争攻撃と命がけで闘い抜いている。
我々の人間としての怒り、魂の血叫びは海を越え世界の労働者人民と完全につながっている。今こそ怒りのこぶしを上げよう!
3・11反原発福島行動から5月G7サミット戦争会議粉砕の広島へ、我々の闘いはさらに続く。
沖縄闘争を闘い国家権力に殺された故・星野文昭さんが言った「人間が人間らしく生きられる社会を作ろう」。このために我々は団結し闘おう! そして勝利しよう!
以上ここに宣言する。
2023年3月11日