十亀コラム-3- 戦争を阻止できる主体に

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週刊『前進』04頁(3285号04面05)(2023/03/15)


十亀コラム-3-
 戦争を阻止できる主体に

2・23ウクライナ反戦デモに加わりながら〈戦争を止められるのは誰か〉ということをずっと考えていました。まだ少数であれ、ここでこうして反戦デモをしている私たちこそが、本当に戦争を止めることができる主体のはずです。なぜならばまず、戦争の真の原因を帝国主義(資本主義の最後の段階)だと確実につかみ取っているからです。帝国主義を打ち倒さない限り世界から戦争を根絶できないことを、絶えずしっかりと把握しようとしているからです。このことが戦争を阻止する第一の力です。そして第二は、その認識を実践に移す行動力です。私たちはその二つを持っています。
 行動力でいえば、今は直ちに、三里塚での強制執行阻止闘争の鮮やかさが目に浮かびます。闘いを伝える映像では、「前進チャンネル」だけでなく、どのニュースでも「中核」のヘルメットが躍動し、機動隊の暴力を実力によって打ち返していました。認識と実践の鮮烈な一致です。
 私自身は「反戦」と書いたヘルメットしかかぶったことがありません。70年前後の私は青年労働者として、角材や火炎瓶を手にして全力で走ることができました。自分の身の危険についてほとんど無頓着でいられました。近いうちに「反戦」の白いヘルメットの大隊列も再登場するにちがいありません。しかも、私たちのころよりもっと底力を持った、そういう青年労働者の隊列としてです。
もちろん壮年や高齢の同志も、実力をもって闘うことの覚悟を手放してはいません。実力行使の楽しさと解放感を十分に知っています。その上で、労働現場や様々な闘争現場での多様な苦闘を経た上での練達の実力を自在に行使できるのです。当然、弾圧や監獄を恐れることもありません。
 帝国主義を打倒する、すなわち革命を実現することへの確固とした意識性をいつでも保ち、それを実践する力を手にしている人たち、戦争を阻止できるのはそういう主体でしかありません。それが私たちです。数はさしあたり問題ではありません。私たちが揺るぎなく闘い抜いているかぎり、その隊列を文字通り中核として、その周りのあらゆる場面で、闘いの新しい層を生み出し、組織して行くことが可能です。国境を越えた連帯もその先にあります。デモは「国を守るな、命を守れ」とコールしていました。
 戦争を止めるのは、認識と実践において、徹底して非国民である私たちです。
(そがめ・ひろふみ)

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