夜間の強制執行を弾劾 空港拡張差し止め裁判 法廷で怒りが爆発

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週刊『前進』04頁(3285号04面03)(2023/03/15)


夜間の強制執行を弾劾
 空港拡張差し止め裁判
 法廷で怒りが爆発

(写真 報告集会終了後、反対同盟と支援者が千葉地裁前でシュプレヒコール【3月3日】)

 千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で3月3日、「空港拡張差し止め裁判」が開かれた。これは、①B’滑走路差し止めを求める「第3誘導路裁判」に、②成田空港機能強化に伴う国の施設変更許可(2020年)の無効確認と、滑走路建設など一切の工事差し止めを求める新訴訟を併合した新たな裁判だ。
 今回は2・15強制執行後初の反対同盟の裁判闘争として、怒りの激突の場となった。開廷前から、被告席に居並ぶ国と成田空港会社(NAA)代理人弁護士に糾弾がたたきつけられた。 開廷すると、すかさず反対同盟決戦本部長の太郎良陽一さんが「なぜ強制執行を夜間にやったのか。執行官は市東さんに通告したのか。答えよ!」と詰め寄り、全学連の学生たちも次々と前に踏み出して職員らと大衝突。裁判長は太郎良さんに退廷命令を出したが、農地強奪への怒りが法廷を十数分にわたって実力闘争の場へと変えた。
 反対同盟顧問弁護団は強制執行に対する傍聴者の怒りは当然だと突きつけ、続いて準備書面(47)を陳述。まず2・15強制執行の根拠となる2021年の請求異議裁判の上告棄却判決、22年の新やぐら裁判の仮執行宣言付き東京高裁判決が誤っており、小作人の同意のない農地の取得は違法・無効と断じ、強制執行は農民・市東孝雄さんの営農権をはく奪し、尊厳を侵害する過酷執行であったと突きつけた。さらに空港機能強化策が根本から誤っていることを強調した。
 次に弁護団は、NAAが空港周辺での騒音調査結果として数字を羅列した1500㌻もの書面を出してきたことに対し、「表計算ソフトを使って整理し出し直せ」と強く求めた。
 閉廷後、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。
 弁護団は国とNAAを徹底的に追い詰めていく決意を表した。動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言に続き、全学連の学生が「昨日、3学生の勾留理由開示公判があり、裁判所に初めて来た仲間も不当逮捕に怒り決起した」と報告、今後も実力決起の先頭に立つ決意を表した。最後に太郎良さんが「2・15強制執行に対しわれわれは想像以上の力を発揮した。この団結を広げれば勝てる。農地を取り戻そう」と訴え、3月26日の集会・デモへの結集を呼びかけた。裁判の次回期日は6月2日だ。
 報告集会後は千葉地裁に弾劾の声をたたきつけ、勝利を誓い合った。支援連と全学連は、3カ所の警察署に勾留中の全学連3学生への激励行動に向かった。
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