基調報告

週刊『前進』04頁(3282号02面02)(2023/02/20)


基調報告

戦争・新自由主義崩壊―資本主義にNoと言える労働運動を
 動労千葉 関道利委員長

 国鉄分割・民営化による不当解雇から36年、改めて闘う労働組合、階級的労働運動の再生が問われています。昨年2月からウクライナ戦争が始まり、何より、「台湾有事」を焦点とした米中の衝突、中国侵略戦争へ突き進むという事態が、すべてを一変させようとしています。2023年は、第3次世界大戦・核戦争への道を進んでしまうのか、踏みとどまれるのかの分かれ道です。とりわけ岸田政権の大軍拡、戦後安保政策の歴史的な転換は、世界的に見ても突出しています。
 三里塚で空港会社が暴力的に農地を奪おうとしています。対中国の戦争を見据えて軍事利用するためです。成田軍事空港粉砕を貫いて闘う三里塚反対同盟の闘いをつぶさなければならないという敵の危機感の表れです。私たちは三里塚反対同盟と連帯し、車の両輪として闘い続けてきました。共に闘い、強制執行を断固粉砕しましょう。

戦争生む資本主義

 戦争を生み出している真の原因は、新自由主義の崩壊、資本主義の危機です。
 この体制はすでに戦争をする以外に延命できなくなっています。労働者を食わせていくこともできなくなっています。「資本主義にNOと言える」こと、「資本家階級と労働者階級は非和解である」という階級的なものの見方や考え方、階級的な闘い、そして「私たちの社会をつくろう」という立場を鮮明にした労働運動を取り戻すことが必要です。
 改めて連合の問題に真剣に向き合わなければならないと思います。その出発は日本労働運動全体の解体を狙った国鉄分割・民営化でした。連合は、その結成時点から資本主義を擁護する産業報国運動としてつくられました。労働者の団結を破壊し、階級意識を解体し、労働運動を帝国主義的に再編する----それが連合結成の狙いでした。

崩壊する連合倒せ

 しかし、その連合はいまや権威や求心力をとことん失い、労働組合のナショナルセンターの実質として完全に崩壊しています。
 春闘をめぐる情勢を見てください。物価上昇は40年ぶりの水準だと言われる一方、賃金は30年まったく上がらず、先進国中、最低レベルに落ち込んでいます。もう生活できない、食べていけないという叫びが各地から上がっています。
 その時に連合はまるで存在感がない。その主張も経団連と何の違いもありません。「人への投資を積極的に行う」「成長と分配の好循環」「GDPも物価も賃金も安定的に上昇する経済へ」----こんなことが論じられています。賃金が「投資」ですか? 団結も闘いもない。歴史的な大軍拡や敵基地攻撃能力にも、何も言わずに容認しています。
 こうした連合の状況があるから、岸田などが「物価上昇に見合う賃上げを」と安心して言えるわけです。「賃上げや労働条件をかちとるのも、戦争を止めるのも、労働者の団結した闘いの力だ」という階級意識を解体する重大な攻撃です。
 私たち動労千葉は、3月ダイ改・春闘に向けてストライキを構えて闘います。もちろんJRの歴史的な大攻撃と対決するためであり、戦争と生活破壊が進む中での春闘だからです。それと同時に、連合を打倒し階級的労働運動をつくり上げる挑戦として闘いに立ち上がりたいと思います。

階級性を取り戻す

 今こそ階級的な労働運動を、階級的なものの見方と闘いを取り戻さなければなりません。イギリスではすさまじい勢いでストライキが闘われ、アメリカでも次々に労組結成やストライキが巻き起こっています。帝国主義国の中枢中の中枢でこういう事態が起きています。世界中で労働者の闘いが広がっています。日本でも闘いを巻き起こす条件は生まれています。
 私たちが国鉄分割・民営化との対決を貫き、日本労働運動の再生、階級的労働運動の再生を掲げて闘い抜いていることの意義は決して小さくありません。
 本日、11月労働者集会に向けた3労組アピール2023を発表します。昨年の11月集会に向けて、関西生コン支部、港合同と共にアピールを発しました。全国の仲間の皆さんと真剣な議論と実践を通してつくり上げてきた階級的労働運動の内容、路線は本当に大きな意味を持ったと思います。
 その上で、「戦時下における階級的労働運動再生」が問題になっています。今年の11月労働者集会でもう一段の飛躍をかちとるために、改めてすべての仲間の皆さんの力の結集をお願いしたいと思います。

国際連帯は20年に

 とりわけ今年は、11月集会で国際連帯闘争が始まってから20年を迎えます。民主労総ソウル地域本部とは、戦争に反対する共同アピールを出したいという話にもなりました。
 ミャンマーの仲間は一昨年2月の軍事クーデター以降、国軍の激しい弾圧や虐殺にもかかわらず抵抗闘争を闘い続けています。日本政府が国軍を一貫して支える中、日本の労働者にとって非常に重要な闘いです。
 トルコでは先日の大地震で多くの犠牲者が出て、今も必死の救助活動が行われています。この間、11月労働者集会への参加や反原発署名に協力してきたトルコの仲間UID―DER(国際労働者連帯協会)が、連帯アピールと支援カンパの訴えを発しています。
 資本は「グローバル化」と言いますが、私たち労働者階級はインターナショナルで闘うということです。今こそ「万国の労働者、団結せよ」です。そのためには、日本における私たちの運動の飛躍が必要です。闘えば道は開けます。
 国鉄1047名解雇撤回! 大軍拡・戦争・改憲絶対阻止! 岸田政権打倒! この時代に階級的労働運動を甦らせよう! 共に闘いましょう。

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