ウクライナが兵器の実験場に 米軍需産業には巨額の利益

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週刊『前進』04頁(3281号03面02)(2023/02/13)


ウクライナが兵器の実験場に
 米軍需産業には巨額の利益


 米日をはじめとする帝国主義がウクライナ戦争を利用して軒並み軍事費の2桁増額へと動くなか、巨額の利益を得ているのが米軍需産業だ。
 昨年12月18日付米ニューヨーク・タイムズは、米国防総省が12月初旬までにウクライナへの軍事支援のために米軍需産業に支払った金額は少なくとも90億㌦(約1兆2千億円)に上ると報じた。23年度の米陸軍の武器・装備調達額は55%、海軍は47%も増大。これにより世界最大の軍需企業ロッキード・マーチンの株価は史上最高値を記録し、22年全体では前年比約37%増となった。また、国防長官のロイド・オースティンが取締役を務める世界第2位のレイセオン・テクノロジーズは米陸軍から20億㌦以上のミサイルを受注した。両社は共同開発・生産した携行型対戦車ミサイル「ジャベリン」をはじめとする新型兵器を国防総省に売り込んでいる。ウクライナは文字通り、兵器の性能を試すための実験場にされているのだ。日帝・岸田政権も今国会で自衛隊法を改悪し、殺傷能力のある武器の輸出や防衛産業の強化に道を開こうとしている。
 ロシアとウクライナの労働者民衆同士を殺し合わせてぼろもうけする軍需産業、それと一体の資本家の政府----この戦争は百パーセント不正義だ。

石油資本も最高益

 1月24日時点での国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)の発表によると、戦争により発生したウクライナ難民は約800万人に上る。軍人の死者はロシアとウクライナ双方で各10万人とされるが、民間人の死傷者は正確に把握されていない。ロシアでもウクライナでも、犠牲になっているのは労働者階級だ。
 同時に、この戦争は戦場以外でも全世界の労働者階級の命を奪っている。食糧とエネルギー価格の高騰は著しく、国連食糧農業機関(FAO)によると、22年の世界の食料価格指数は前年比約14%増で、1990年の統計開始から最高となった。この冬、「ヒート・オア・イート(暖房か食事か)」が流行語となったイギリスをはじめとするヨーロッパに加え、アフリカや中東諸国の人民が大きな影響を受けている。一方、原油高やロシア産の石油・天然ガスの禁輸措置を追い風として、米英仏の石油メジャー5社は軒並み過去最高益を計上している。

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