汚染水放出阻止・核戦争阻め! 全国から3・11福島へ総結集を 革共同福島県委員会
週刊『前進』04頁(3280号03面02)(2023/02/06)
汚染水放出阻止・核戦争阻め!
全国から3・11福島へ総結集を
革共同福島県委員会
(写真 岸田のいる祈念式典会場の目の前で怒りあふれる集会をかちとった昨年の3・11反原発福島行動【福島市】)
2011年3・11東日本大震災から12年を前に、日本帝国主義・岸田政権はついに原子力政策の大転換に踏み出した。これは昨年末の安保3文書の閣議決定と完全に一体の攻撃だ。開戦から1年を迎えるウクライナ戦争は今も果てしなく激化し、核戦争の危機は一層高まっている。この戦争をG7議長国として推進しつつ、米帝とますます一体化して中国侵略戦争へと突き進む日帝・岸田政権にとって、核・原発技術は絶対に手放せない戦略資産であり、それ自体が一個の「軍事力」なのだ。今年の3・11闘争は、日帝・岸田と全面対決し、福島の怒りと闘いを自国政府打倒の革命的内乱に向かって解き放つ歴史的決戦だ。
原発推進への大転換許すな
岸田政権は昨年7月に「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」を発足させ、「原発の最大限活用」へと原子力政策の転換を進めた。岸田はそこで、ウクライナ戦争を契機としたエネルギー価格高騰に対応して「エネルギー安定供給と脱炭素を両立させる」ために「原子力を含め、あらゆる選択肢を活用する」と説明。日帝として「核と原発」は絶対に手放さないことを改めて宣言した。そして12月22日の第5回GX実行会議では、「GX実現に向けた基本方針案」が提示された。そこで示されたのは、第一に、原発の再稼働である。現在稼働している10基(1基停止中)に加え、2023年夏以降7基の原発を再稼働するとした。事故を起こした東京電力・柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)、運転差し止め判決が出ている日本原電・東海第二原発(茨城県)も含まれる。第二には、「次世代革新炉」の開発や建て替え・新増設を推進すること。第三には、原発運転期間の延長、すなわち「原則40年、最長20年延長」と定めた「ルール」を撤廃し、60年以上も可能とする。第四には、国の責任で六ケ所再処理工場(青森県)を完成することを柱に、核武装に向けた核燃料サイクル事業推進を改めて明示した。
これらを実行するための関連法改悪案を一本化した「GX脱炭素電源法案」が今国会に提出されようとしている。3・11原発事故とそれによる筆舌に尽くしがたい避難の苦しみ・関連死、古里の喪失、放射線被曝による健康被害など、一切をなかったことにして原発政策を推進する内容だ。GX実行会議でこの「大転換」論議を主導したのは、経団連会長・十倉雅和、日本商工会議所会頭・小林健の2人であり、ここに連合会長・芳野友子も参加している。戦争の旗振り役に完全に転落した連合指導部は、福島の怒りと闘いを圧殺し、岸田の先兵となって核・原発政策を推進する側に立っているのだ。連合・芳野体制打倒の闘いを放棄して「反原発」など成り立たないことは明白だ。
福島の怒り、労働者階級の怒りと闘いを徹底的に信頼し、そこに依拠して闘い抜き、日帝打倒のプロレタリア革命の勝利をもって3・11原発事故がもたらした現実とそれを引き起こした帝国主義を根底から覆す――これこそが核と戦争、原発を地球上から廃絶する唯一の道だ。3・11反原発福島行動23を、労働者階級人民の歴史的反撃の新たな闘いの出発点にしよう。
署名拡大し海洋放出阻止を
岸田政権は1月13日、放射能汚染水の海洋放出の時期を「今春から夏ごろ」とする方針を改めて示した。一昨年12月に政府が策定した66㌻に及ぶ「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた行動計画」では、項目の全てが「風評対策」に当てられている。当然、トリチウム汚染水の危険性に関する科学的検証の項目は皆無だ。だが、「薄めれば安全」という放射性物質など存在しない。放射能はゼロ以外安全ではない。
また一昨年初春には、相馬沖の魚から高濃度のセシウムが検出され出荷停止となっている。すでに「風評」ではなく「実害」が問題となっているのだ。「ALPS処理水」にはトリチウム以外の放射性物質も基準を超えて残留していることを、政府も公表せざるを得なくなっている。
国と東京電力は2015年8月、福島県漁連に対して「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束している。それを完全に裏切る形で一方的に放出を発表しておきながら、「風評対策」と称した500億円規模の漁業者支援基金の創設と引き換えに屈服を迫っているのだ。しかし、地元漁協は反対の姿勢を崩していない。沿岸の全ての漁師は絶対反対を表明している。
また「行動計画」の中には小中学生を対象に「地元水産物の試食・調理等を体験」や、「児童・生徒向け動画を制作・提供」し「風評対策」に加担させようとする内容も盛り込まれている。驚愕(きょうがく)と怒りなしには読めないものだ。そこに貫かれているのは、福島の怒りの暴力的圧殺であり、原発事故も放射線被曝による健康被害も一切なかったことにするという、日帝国家権力のどす黒い狙いだ。そこには、血塗られた資本家階級の本性がむき出しになっている。
放射能汚染水放出を絶対に止めなければならない。すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)の「放射能汚染水を流すな全国署名」には全国・全世界から賛同が寄せられている。さらに署名運動を展開しよう。闘う漁民と連帯し、放射能汚染水放出反対の大運動を構築しよう。
原発事故は終わっていない
3・11原発事故は何も終わってはいない。福島第一原発からは日々、放射能がまき散らされている。古里を奪われ、いまだに約3万人の人々が避難生活を余儀なくされている。広大な山林には除染の手は入らない。それらに囲まれて生活しろというのか。被曝を容認しろというのか。人の命を踏みにじるな!311子ども甲状腺がん裁判を闘う青年をはじめ、国と東電の責任を追及する福島県民の怒りと闘いは、絶えることなく力強く継続している。誰もが原発事故を弾劾し、平穏な生活を返せと怒りを込めて叫んでいる。原発関連死で連れ合いをなくした人は「原発は国策だ。国に責任を認めさせるまで、一人になったとしても最後まで闘う」と語っている。生半可な「連帯」は通用しない。この福島の怒りと闘いが存在する限り、日帝・岸田は核・原発政策の「大転換」を貫徹できない。放射能汚染水海洋放出の最大の狙いは、まさにこの福島の怒りと闘いを圧殺することにあるのだ。
2〜3月の国会・杉並・三里塚決戦を闘い、2・23全国闘争―24国会闘争の爆発をかちとり、汚染水海洋放出阻止、再稼働阻止・全原発廃炉、世界戦争・核戦争阻止、日帝・岸田政権打倒を貫く3・11反原発福島行動23に総結集しよう。