2・23ウクライナ反戦闘争へ 世界戦争阻止、日帝の参戦許すな

週刊『前進』04頁(3280号03面01)(2023/02/06)


2・23ウクライナ反戦闘争へ
 世界戦争阻止、日帝の参戦許すな


 1月25日、米バイデン政権による主力戦車「エイブラムス」のウクライナへの供与表明を受けてドイツ・ショルツ政権が世界最強と呼ばれる大型主力戦車「レオパルト2」の供与を決定、ウクライナ戦争は新たな段階を迎えた。岸田は1月30日の衆院予算委員会で、日本が直接攻撃を受けなくても集団的自衛権行使として「反撃能力」を発動可能だと答弁した。31日には、他国の戦闘機が飛来しただけでも「反撃能力」を行使する可能性に言及し、来日した北大西洋条約機構(NATO)事務総長との会談でNATOとの安保協力強化を確認した。世界戦争へと突き進む米欧日帝国主義に対する国際的反戦決起が求められている。2・12国鉄集会から国会・杉並・三里塚決戦を闘い抜き、ウクライナ戦争1周年2・23全国闘争をかちとろう。

米独の戦車供与でウクライナ戦争は新段階に突入した

 ウクライナ・ゼレンスキー政権による戦車供与の要求に対して、これまで「ロシアとNATOの直接の衝突を避けたい」として態度を留保してきた独ショルツ政権が、米バイデン政権の強い後押しを受けてついに「レオパルト2」の供与を決めた。同戦車はこれまでポーランド、スペイン、オランダなど欧州10カ国に計2000両以上が配備されており、製造元のドイツが許可したことで全てウクライナへの供与が可能となった。すでに120~140両の供与が決まったという。
 14日に供与を決めたイギリスの主力戦車「チャレンジャー2」のウクライナ兵士への操縦訓練も29日から始まった。これも3月末から100両以上が実戦配備されようとしている。さらにゼレンスキーは戦車300両以上に加えて航空機や長射程ミサイルも必要だと叫び、ロシア軍の完全撃退、クリミア「奪還」と「全土制圧」までをめざす大戦争を構えている。
 米欧帝国主義が主力兵器を与え、ウクライナ兵を自国に招いて訓練させ、ロシア軍との戦闘に送り出す――これはもはや完全に米欧帝国主義によるウクライナを前面に立たせた「対ロシア戦争」以外の何ものでもない。とりわけアメリカ帝国主義は、中国侵略戦争の本格的開始の前に「ロシアの弱体化」を達成するため、さらにロシア軍を全面的に戦争に引き込もうとしている。米帝の延命と世界支配の維持のためなら、ウクライナが地獄の戦場と化し、どれだけの犠牲が出ようが構わないというのだ。
 他方、プーチン・ロシアも米欧の戦車提供決定を受け、ウクライナ全土へのミサイル攻撃を行い、動員体制を150万人に拡大し、「特別軍事作戦」から「国家総力戦」に転換しようとしている。この戦争が最終的にどんな決着を迎えようと、ウクライナ人民の解放や平和は決してもたらされない。「ウクライナをこれ以上戦場にするな!」「米・NATOとプーチン・ロシアはウクライナでの戦争をただちにやめろ!」を掲げ、今こそ国際反戦闘争を巻き起こそう。自国のウクライナ戦争への「参戦」を阻止し、帝国主義戦争を内乱に転化することこそ、世界戦争を阻む唯一の道だ。

「台湾有事」あおり中国侵略戦争準備を進める米日帝

 ここまでウクライナ戦争が激化・泥沼化しているのは、米帝が自らの延命と世界支配の維持をかけて中国スターリン主義を転覆する中国侵略戦争を構えたからだ。ウクライナ戦争は、「帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争の一部」に他ならない。
 1月28日、米空軍のマイク・ミニハン大将が「直感では25年に我々は(中国と)戦うことになる」などと記したメモを作成し、指揮下の将校らに配布していたことが明らかになった。24年に台湾総統選と米大統領選が行われることに触れ、直後の台湾有事を想定、射撃訓練の準備を急ぐよう指示したという。現に戦争を準備し、作戦計画の策定やシミュレーションを繰り返し、中国の目の前で大規模軍事演習や軍備増強などを推し進めているのは米帝と日帝の方だ。
 本紙3278号で報じた通り、沖縄に駐留する米海兵隊第3海兵遠征軍のジェームズ・ビアマン司令官は、ウクライナ戦争を米帝が準備したことをあけすけに語り、ロシアを戦争に引き込んでウクライナを戦場化したことを「成功」と評価し、次は中国を相手に同じことを日本でやるつもりだと公言しているのだ。
 米日帝の政府・支配階級は、中国軍の台湾侵攻による「台湾有事」の発生というシナリオをしきりに宣伝し、中国・習近平の「野心」によって戦争が切迫しているかのように描き出している。だが、「台湾は中国の一部」と公式に認めてきたことを一方的に覆し、台湾への武器輸出を大幅に拡大し、台湾軍と米軍の共同演習や台湾海峡上空での展開・挑発活動を激化させてきたのは米帝の方である。1月11日には米議会下院に超党派で対中圧力を強める「中国特別委員会」が設置され、対中の半導体規制を強化し、昨年夏のペロシ下院議長(当時)の台湾訪問に続いて、新下院議長のマッカーシーが今春にも訪台を強行しようとしている。台湾を強奪する戦争の準備と挑発をエスカレートさせ、中国スターリン主義を戦争に引きずり込もうとしているのは米帝なのだ。
 まさにレーニンが第1次大戦中に書いた「戦争についての檄(げき)」で鋭く指摘したように、「各交戦国の政府とブルジョアジーは......敵に責任を転嫁し、人民のあいだに常軌を逸した敵愾(てきがい)心をあおり立てており、自国を不当に攻撃された『防衛』側とみせるためには、どんなウソをつくこともためらわない」のだ。

国鉄・杉並・三里塚決戦を全力で闘い日帝・岸田打倒へ

 米帝の中国侵略戦争は日帝の全面参戦が前提だ。日本全土を戦場化する米日帝の戦争策動に対して、またインフレと生活苦の増大の中での大軍拡と大増税に対して、労働者人民の「憤怒と激高」は必ず爆発する。
 しかし、だからと言って岸田には戦争をしないという選択肢はない。帝国主義としての没落と崩壊の瀬戸際にあることを突きつけられているからこそ、中国侵略戦争に参戦することに一切の延命をかけ、戦争突入の「決断」をしているのが日帝・岸田なのだ。野党はこの日帝・岸田と共に「防衛力強化の必要」を認め、「祖国防衛」の立場で一致した上で「増税反対」を唱えているに過ぎない。
 空前の大軍拡予算と60本の反動法案が提出される今国会は、戦後かつてない戦争国会そのものだ。そしてこれを労働者階級人民の怒りの実力闘争で包囲し粉砕する国会闘争は、日帝の戦争突入を阻止する闘いである。全人民の戦争絶対反対の意思と力を結集し、国会闘争への巨万の決起をつくりだそう。
 1月29日に行われた洞口朋子杉並区議の再選勝利への総決起集会(記事1面)は、「岸田の別動隊」としての右翼と国家権力による襲撃を敢然とはね返し、大成功をおさめた。さらに「軍事予算2倍化反対署名」を武器に怒りを組織化し、区議選勝利へ進もう。
 農地強奪の強制収用を実力で阻止し続けている三里塚闘争は、青年労働者・学生をはじめ全人民の反戦決起の水路となり、戦争を内乱に転化する闘いとして発展している。さらに現地に駆けつけ、市東孝雄さんの農地を守り抜こう。
 国鉄闘争全国運動が呼びかける2・12国鉄集会へ、全国のあらゆる職場から仲間を組織して結集しよう。戦争絶対反対を貫く階級的労働運動をよみがえらせ、戦時下の大インフレに大幅賃上げを掲げる23春闘をストライキで闘おう。
 2月の激闘を闘い抜いた力でウクライナ戦争1周年2・23全国闘争―24国会闘争の巨大な爆発をかちとろう。「ウクライナ戦争をただちにやめろ!」の声を世界にとどろかせよう。

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