那覇市で初のJアラート訓練 大行進沖縄など60人が抗議
那覇市で初のJアラート訓練
大行進沖縄など60人が抗議
1月21日、那覇市は沖縄県と国との共催で「X国」からの弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練を、なは市民協働プラザで初めて実施した。国民保護法に基づく同趣旨の訓練は、県内では昨年11月の与那国町での実施に続いて今年度2例目となる。
午前10時、全国瞬時警報システム(Jアラート)の発令を受け、消防団員らが施設周辺にいた人々を地下駐車場に誘導、防災頭巾をかぶらせ、警察官の号令のもとに数分間しゃがみ込んで頭を手で覆うなどの動作を行わせた。
訓練に参加したのは、近くで餅つき大会に参加していた人々を含め106人。ほとんどは近隣のこども園の保護者会を通じて動員された親子連れと消防団員らで、事前に8千世帯にチラシをまいたにもかかわらず、自主的に参加した人はごく少数だ。地元紙は「怖かった。こんなことやりたくない」という動員された園児の声を報じている。
政府が全国の自治体に参加を募っているJアラート避難訓練は、住民に「外国からのミサイル攻撃」への恐怖心をあおり立て、国防意識と排外主義を植え付けることを目的とした戦争準備そのものであり、「住民の命を守る」ためのものでは断じてない。中国侵略戦争に突き進む米日帝国主義が再びの「沖縄戦」を本気で準備していることの現れであり、絶対に許すことはできない。
沖縄を戦場にするなと訴え共感呼ぶ
改憲・戦争阻止!大行進沖縄は同日、会場前で抗議のスタンディングを行った。午前9時30分頃から市民団体らが集まりだし、抗議活動への参加者は大行進を含めて60人以上になった。那覇市は抗議する人々を遠くの方に追いやろうとしたが、これを粉砕して訓練会場に陣取った。
10時のアラートを合図に訓練が始まると、大行進は「ミサイル避難訓練反対」「中国侵略戦争阻止」「沖縄を戦場にするな」と訴えた。通行人の中には、深くお辞儀をして通る人、声をかけて行く人、「いい看板を作ったな」と話しかけてくる人もいた。
ある市民団体が、その場で那覇市防災危機管理課長にマイクを握らせた。課長は「戦争をやりたくて(訓練を)やっているわけじゃない。人々を助けたい気持ちでやっている。戦争は起こしてはならないという心は一つだ」などと弁明したが、訓練そのものがもう戦争行為であり、まったくのペテンだ。知念覚那覇市長は「これからも訓練を重ねていく」と言っている。絶対に許してはならない。
大行進は午後1時30分から那覇市役所前に移動して街宣を行った。市役所内では、戦争の初動対処訓練が行われている。こうした自治体の戦争協力を絶対に許さない演説とビラまきを行った。
沖縄では、安保3文書の具体化としての戦争準備が猛烈な勢いで進められている。沖縄で戦争と基地建設を止める闘いは、世界戦争・核戦争を止める決定的な展望を開く。沖縄から革命的反戦闘争の巨大な火柱を上げよう。