岸田打倒の国会決戦に立とう 軍拡予算・戦争法案阻止を
岸田打倒の国会決戦に立とう
軍拡予算・戦争法案阻止を
1月23日に開会した第211回通常国会(会期末6月21日)では、戦後最大の大軍拡予算と、中国侵略戦争に向けた国家大改造を目的とする60本あまりの戦争法案が審議される予定だ。それは「戦後の安全保障政策を実践面から大きく転換する」と打ち出した国家安全保障戦略を始めとする安保3文書の具体化であり、そのために今年度予算の「防衛関係費」は前年度比26・3%増となる6兆8219億円が計上された。だが大増税と生活破壊を不可避とする岸田の暴挙に広範な怒りの声が噴出し、「防衛増税反対」は世論調査で7割を超え、政権支持率は2割台に急落している。戦争国会を包囲し粉砕する巨大な国会闘争を実現しよう。
大増税強行し戦争を準備
政府が3月末までに成立を狙う予算案の最大の柱は、「反撃能力」と称する相手国領域内への攻撃能力の保有を含めた軍事費の大幅増額にある。それは日本帝国主義の安保・軍事政策の戦後最大の原理的転換であり、憲法9条とそのもとでの「専守防衛」の建前を完全に踏み破り、中国本土を攻撃する軍事力の整備を本格化するものにほかならない。
米国製巡航ミサイル・トマホークの大量購入、国産ミサイルの長射程化・量産化、射程3千キロ㍍に及ぶミサイル(極超音速誘導弾や高速滑空弾)の開発、攻撃用無人機取得、「継戦能力」のための弾薬庫の増設や施設の強靭(きょうじん)化など、すべてが中国と実際に戦争をやることを想定したものだ。
このために増額される軍事費は「5年間で43兆円程度」(防衛力整備計画)とされ、安倍政権時代の2018年に「5年間で26兆円程度」とした中期防衛力整備計画(中期防)からさらに17兆円上積み(約1・6倍化)する。岸田政権は、このうち2兆5千億円を建設国債で、3兆4千億円を新設する「防衛力強化資金」で、7兆6千億円を毎年度の決算剰余金と歳出改革で、3兆5千億円を増税で確保するとしている。戦時下の世界的大インフレで労働者階級人民の生活がますます困窮する中で、社会保障の破壊を不可避とする歳出改革や大増税が強行されようとしているのだ。
この現実を前にして、国会内では、自民党と維新の会が改憲や安保政策での連携を確認。その維新と立憲民主党が共闘で合意し、立憲民主党と日本共産党が連携を確認するという異様な「翼賛国会化」が進行している。
改憲・戦争阻止!大行進東京は、23日の開会日闘争を号砲に2〜3月の連続的な国会闘争を呼びかけ、2015年の安保戦争法強行時を上回る巨万の怒りで国会を包囲することを訴えている。全国の職場・学園・地域で軍拡・戦争国会粉砕の国会闘争への決起を呼びかけ、巨大な実力闘争を組織しよう。
対中国戦争計画を具体化
1月の日米安保協議委員会(2プラス2)と首脳会談では、以下のような合意事項が確認された。▽「反撃能力」の「効果的な運用に向けた協力の深化」▽「緊急事態に関する共同計画作業と実践的な演習の着実な進展」▽米軍核戦力による「拡大抑止」の重要性と実質的な議論▽日米安保第5条の適用範囲の宇宙空間への拡大▽沖縄の米海兵隊第12海兵連隊を離島即応部隊「海兵沿岸連隊」に改編▽横浜の在日米軍施設(ノースドック)に陸軍の小型揚陸艇部隊を新編▽平時から共同使用する基地や空港・港湾などを拡大、共同演習・訓練増加----。
これらはいずれも、日米安保を中国侵略戦争のための軍事同盟として純化し、「日米共同作戦計画」を実行するための具体的態勢を確立するものである。米日帝国主義こそが中国への戦争を具体的に準備し、主導していることは明らかだ。
実際、中国侵略戦争の恐るべきシナリオが明るみに出されている。1月1日付琉球新報が「中国と長期戦想定」の見出しで報じた防衛省防衛研究所の報告書は、中国との戦争で南西諸島がミサイル攻撃を受けることを前提に、自衛隊が半年から1年にわたり「時間を稼ぐ」長期戦を戦うことを提言。これと軌を一にして発表されたアメリカの有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書は、「台湾有事」に米日が全面介入・参戦する場合をシミュレートし、中国軍には勝つが米軍・自衛隊にも多大な犠牲が出ると結論づけた上で、「重大な死傷者に直面しても作戦を継続する必要性を認識せよ」「日本は要」と明記した。基地以外の施設を含む全面的な軍事態勢の構築も提言している。
両報告書とも、南西諸島が戦場になることは前提とされている。しかも、CSIS報告書のタイトルが「次の戦争の最初の戦闘」となっていることからも明らかなように、南西諸島の戦場化と壊滅はあくまでも「最初の戦闘」であり、その先には中国本土への全面的攻撃が準備されているのである。こんな戦争を絶対に許すことはできない。
この戦争を阻止するための歴史的決戦として、国会闘争を全力で闘おう。
G7広島サミット粉砕へ
岸田は今年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)議長国として、全帝国主義を中国侵略戦争に動員するためにも、ウクライナ戦争の主導的推進国として登場しようとしている。これまで防弾チョッキなどに限定していた対ウクライナ装備品提供の制限を撤廃し、ミサイルなど殺傷能力のある攻撃兵器の提供を合法化する法案も提出されようとしている。さらに岸田は、開戦1周年に合わせて2月下旬にウクライナの首都キエフ(キーウ)を訪問する意向も示している。
北大西洋条約機構(NATO)諸国はこの間、ウクライナへの地上戦用戦車の供与に踏み込んだ。米バイデン政権は1月だけで総額62億5千万㌦(約8千億円)の対ウクライナ軍事支援を新たに発表し、歩兵戦闘車や装甲車を次々に送り込み、中国侵略戦争―世界戦争の一環としてのウクライナ戦争(米帝主導の対ロシア戦争)をますます激化させている。「ウクライナをこれ以上戦場にするな! 米・NATOとプーチン・ロシアはウクライナからただちに手を引け!」の声を拡大し、全世界の反戦闘争と連帯して、ウクライナ開戦1周年2・23全国闘争―2・24国会闘争の爆発をかちとろう。戦争推進国として登場する岸田政権を打倒する日本の労働者学生の闘いが決定的だ。
これと一体で、市東孝雄さんの農地強奪の強制執行を阻止する三里塚現地闘争に全国から駆けつけ、中国侵略戦争を阻む「反戦の砦(とりで)」を守り抜こう。さらに、軍事費2倍化反対、中国侵略戦争阻止、児童館廃止・民営化絶対反対を貫き、右翼の卑劣な襲撃をはね返して不屈に闘う洞口朋子杉並区議の再選勝利へ闘おう。その力で5月G7広島サミット粉砕の大決戦を切り開こう。
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大軍拡予算案粉砕!国会闘争
2月3日(金)午後6時30分
2月10日(金)午後6時30分
2月17日(金)午後5時30分
いずれも衆議院第2議員会館前にて
主催/改憲・戦争阻止!大行進東京