2・12国鉄集会に結集を 労組を解体して4千人削減 JRダイヤ改定阻止しよう

週刊『前進』04頁(3278号02面02)(2023/01/23)


2・12国鉄集会に結集を
 労組を解体して4千人削減
 JRダイヤ改定阻止しよう

(写真 ダイヤ改定は廃線を狙う攻撃だ。昨年12月4日、動労千葉木更津支部が久留里駅近くの会場で開いた久留里線廃止反対集会には地域の住民が多数参加し、関道利委員長の解説に耳を傾けた)

 JR各社は3月18日実施のダイヤ改定で、一層の大合理化に踏み込もうとしている。新自由主義の崩壊とコロナ禍は国鉄分割・民営化の大破産を突き出した。JRはその危機を、一層破滅的な新自由主義攻撃と鉄路の廃止、「労組なき社会」化で突破しようとしている。国鉄闘争全国運動の2・12集会は、中国侵略戦争に突進する岸田政権と対決し、JRのダイ改合理化を粉砕する重大な闘いだ。

ストライキを戦時に復権させる闘い

 「業務融合化」の攻撃が本格化した昨年3月のダイヤ改定に対し、動労千葉は48時間のストライキに立ち反撃した。ウクライナ戦争が開始されている中で貫徹された戦時ストの地平の上に、動労千葉は6月の定期委員会で新・戦争協力拒否宣言を発して、戦争反対の闘いを労働組合の本質的課題に据えて闘ってきた。
 今年の新年旗開きで動労千葉は、3月ダイ改と23春闘に際し、ストを構えて闘うと宣言した。それは中国侵略戦争のための国家改造を阻み、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧をはじめとする戦時下の労組絶滅攻撃を打ち破る歴史的な闘いだ。
 今年3月のダイ改でJR東日本は、在来線の列車を1日平均124本減らす。過去最大だった昨年に次ぐ規模の減便だ。ワンマン運転も拡大する。青梅線の青梅―奥多摩間にワンマン運転が導入され、常磐線の水戸―いわき間は7割の普通列車がワンマンになる。
 駅のバリアフリー化を口実に運賃も上がる。だが、JRが実際にしているのは、駅の無人化、窓口閉鎖、ワンマン化、直通列車の廃止など、障害者に一層の不便を強いる施策ばかりだ。これらは鉄路の廃止とも一体の攻撃だ。
 「業務融合化」もさらに進む。鉄道部門の人員4千人を削減して不動産や流通部門に異動させる構想を打ち出したJR東日本は、労働者が携わる職種・業務の枠を取り払おうと無謀な攻撃を繰り出している。それは「労組なき社会」化の完成を目指すものでもある。

乗務の合間に駅の仕事もさせられる

 今回のダイ改でJR東日本は、運転士・車掌の乗務行路に「その他時間」を設けることを提案した。これは乗務以外の労働をさせるという意味だ。実際に想定されているのは駅業務だ。運転士や車掌などの乗務員と駅員とでは制服も違う。乗務員はいちいち制服を着替えて駅業務に就かなければならない。乗務前、乗務後だけでなく、乗務の合間に駅で仕事をすることも、職場によってはありうる。
 昨年10月、水戸支社は全乗務員に駅業務との兼務を発令した。だが、これまでは統括センター内での乗務員による駅業務は、基本的には「希望者」を募る形で行われてきた。労働者を競争させ、自ら手を上げさせて団結を破壊する手法だった。行路の中に駅業務が組み込まれれば、乗務員は一律に駅業務を強いられる。
 これに加えて千葉支社は、上総亀山駅と鹿島神宮駅で、列車の折り返し時間に乗務員に車内清掃を行わせると提案してきた。佐倉駅では、車両の分割・併合時の誘導業務を車掌に行わせる。各職種の専門性を否定し、労働者にあらゆる仕事をさせるというのだ。

職種の枠も勤務地の限定もなくなる

 昨年3月のダイヤ改定でJR東日本は、運転士・車掌が所属する運輸区と駅を統合した「統括センター」や複数の駅を統合した「営業統括センター」を設置した。千葉支社管内では木更津運輸区と久留里線、内房線の各駅を統合した「木更津統括センター」が発足した。「統括センター」では運転士・車掌と駅員は同じ職場に所属するものとされ、勤務指示一つで運転士・車掌に駅業務を強いるための枠組みがつくられた。同時に、職種を表す職名は全て廃止された。「労働者に固有の職種などない。何でもやれ」という攻撃だ。
 昨年10月には支社の組織が再編され、支社の企画業務の一部が現業機関に移された。これにより運転士や車掌も、乗務の合間に企画業務をすることになった。「営業統括センター」も新たに各所につくられた。千葉支社管内では錦糸町、船橋、津田沼、千葉、成田、新浦安の各営業統括センターが発足し、総武線、成田線、京葉線の複数の駅が一つの職場にまとめられた。
 これに加えてJR千葉支社は、今年7月、鴨川運輸区と外房線の各駅を統合した「茂原統括センター」を新設すると提案している。成田営業統括センターには銚子運輸区が組み込まれて成田統括センターになる。各営業統括センターの範囲も広がる。これにより千葉支社管内では、すべての駅が統括センターか営業統括センターの下に入る。
 その結果、成田統括センターの場合、鉄道の営業キロで総計200㌔近い広大な区間に存在する駅や乗務員基地が「一つの職場」にされる。労働者は、その管内のどの駅にも、出勤を命じられる可能性がある。日により勤務先は遠く離れた場所になるかもしれない。制服や業務上必要な物品も職場には置けず、日々、持ち歩かなければならない。
 職種や勤務地はオンコールワーカーのように日や時間ごとに変わる。これは労働条件の根本的な破壊だ。その先にあるのは鉄道業務の全面的な外注化・分社化と、労働者への転籍の強要だ。だが、鉄道事業で職種の枠をなくすことなど成り立たない。それは安全の破壊と大事故をもたらす。労働者はいつまでも黙ってはいない。労組破壊が極限的に進むJR職場から労働者がひとたび立ち上がれば、それは必ず奔流になる。
 動労千葉はその展望を開こうと組織を挙げて闘っている。鉄路廃止に憤る地域住民と結び、職場から階級的労働運動をよみがえらせようと奮闘している。そこに戦争を阻む道もある。ダイ改合理化と対決する2・12国鉄集会に集まろう。
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