大坂同志を直ちに解放しろ
　調書のでっち上げが一層明白に
　大坂裁判第１１回公判

　大坂裁判（東京地裁刑事第４部、高橋康明裁判長）の第11回公判が１月10日に行われた。２０２３年最初の公判は、大坂正明同志と固く団結し、傍聴席を多くの仲間が埋めた。
　この日は、51年前の取調検事で星野文昭同志らをでっち上げる中心的な役割を果たした中津川彰の尋問の予定だったが、体調不良という理由で出頭しなかった。中津川は、第４回公判のＳＢ（故人）、第５、６回のＡＲ、第７回のＡＯなどの取り調べを担当し、「星野、大坂、奥深山が死亡した警察官を殴打していた」という供述調書をでっち上げた。その犯罪的な取り調べを暴くための重要な証人であり、何としても証言させなければならない。
　午前中の公判は、１９８２年６月23日星野控訴審第12回公判でのＡＲの証言を弁護団が公判調書を朗読する形で再現し、昨年11月の第５、６回公判でのＡＲ証言を覆す内容であることを明らかにした。ＡＲは機動隊員殴打現場で大坂さんを目撃したという証言をしたが、約40年前の公判廷でＡＲは自らの供述調書が作られる過程を詳細に語っており、でっち上げを裏付ける証言を行っている。
　ＡＲは、取り調べで記憶にないこと、体験していないことを供述したと証言し、奥深山幸男さんが機動隊員に馬乗りになって殴打したという目撃記憶はない、星野さんが「殺せ」と叫んだという供述についても「自分の記憶ではない」と語っている。
　供述に至った経過について、取調室で父親が「メガネを取れ」と言い、拳で３、４回顔面を殴ったこと、中津川検事は制止もたしなめもしなかったこと、殴られて黙秘する心の支えがなくなったこと、翌日から供述を始めたことを証言したのである。後に母親から検事が殴るように言ったということを聞いたことなども語っている。
　ＡＲの供述調書が検察によってでっち上げられたものであることが一層明白になった。
　午後は、中津川証言がなくなった代わりに、第10回公判でのＩＴ証言に関連して、取調検察官だった福江馨（故人）副検事の星野控訴審第16回公判（１９８２年10月27日）での証言を検察側が読み上げた。大坂裁判第10回公判でＩＴ証人が「供述は検察の作文」と断定し、供述調書で大坂さんを見たというのは全て真実ではないと証言したことに検察側は打撃を受けているのである。
　検察側主尋問で福江は、ＩＴが「最初から素直に証言した」「取り調べはていねいに行った」「強制はない」と証言した。しかし、弁護側が反対尋問で「２月18日と19日の供述調書を見ると急に詳しくなっているが、どうしてなのか」と質問すると、福江は「不思議だとは思いません」と居直った。大坂裁判でＩＴ証人は「18日で陥落した」「後は向こうの言いなりになった」と証言しているが、それが供述調書に示されているのだ。12日の公判は、中津川検事の証言に関連した証人だったので、取りやめになった。
　東京地裁は12月23日、大坂正明さんの接見禁止を３月７日まで延長するとの決定を行った。逮捕以来５年半、こんな長期にわたる接見禁止は絶対に許すことのできない人権侵害だ。「大坂さんをただちに解放しろ、接見禁止を解除しろ」の声をたたきつけよう。

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▼大坂裁判　基地の島沖縄を永続化する沖縄返還協定の批准に反対して１９７１年11月14日、沖縄全島ゼネストに連帯した渋谷暴動闘争。この中で死亡した機動隊員の「殺害の実行犯」として星野文昭さんと共にでっち上げ指名手配された大坂正明さんの裁判。指名手配攻撃と46年不屈に闘い、２０１７年不当逮捕・起訴、東京拘置所在監。昨年10月25日に初公判、以後過密日程で11回を数える。