強制執行を打ち砕こう 農地死守!今年も共に 三里塚反対同盟の新年アピール
強制執行を打ち砕こう
農地死守!今年も共に
三里塚反対同盟の新年アピール
57年にわたり不屈の実力闘争で成田軍事空港の完成を阻み続け、昨年末の4日間決戦に完全勝利した三里塚芝山連合空港反対同盟の各氏から、2023年の激闘に向けたアピールが寄せられた。成田空港会社(NAA)の強制執行攻撃を粉砕し、天神峰・市東孝雄さんの農地を絶対に守り抜こう!(編集局)
団結の力で23年勝利を
敷地内天神峰 市東孝雄さん
多くの方々に年末4日間決戦で天神峰に駆けつけていただき、本当にありがとうございました。
12月中には攻撃が必ず来るだろうと予想されていて、こちらも構えていたのですが、結局彼らは来られませんでした。皆さんの毎日の座り込み、泊まり込みの闘いが、NAAの連中にもこの旧県道を通るたびによく見えて、それを脅威に感じて手が出せなかったんだろうと思います。
私の畑を取ろうが取るまいが、飛行機は毎日普通に飛んでいるわけです。だから私の畑をどかして早く誘導路をまっすぐにしたいとか言ってますが、そんなに急ぐ理由はないんですよ。
実際には、56年かけても反対同盟をつぶすことができなかったというメンツの問題、浜田防衛相が言っていたように成田を軍事空港として利用する問題で、農地をすぐどかせという話になったのだと思います。
これから向こうがどういう形で攻撃をかけてくるかはわかりません。しかし今回のように皆さんの団結の力ではね返す、そういう闘いをこれからも一緒にやっていきたいと思います。
この1年間、皆さん本当にご苦労様でした。このような状況の中でわれわれ反対同盟は日々権力と闘っています。少数派でありますが、気持ちだけは負けないつもりでいます。闘いは楽しくやりましょう。
23年の勝利に向けて、団結して共にがんばりましょう。
軍事空港阻止」の決戦
敷地内東峰 萩原富夫さん
新やぐら控訴審の仮執行宣言付き反動判決が昨年9月に出されて以降、強制執行へ向けてNAAと裁判所が着々と手続きを進めてきました。反対同盟は12月27~30日を「天神峰を守ろう!4日間決戦」と位置づけて、支援の皆さんにも決起を呼びかけましたが、彼らは攻撃に踏み切ることができず、闘いは23年に持ち越されました。
多くの方から「強制執行はいつ来るのか」とご心配をいただきますが、市東さんがしっかりされていて、どんな攻撃が来ても市東さんと反対同盟をつぶすことはできないという確信があるので、私たちには悲壮感はありません。逆に今の敵の側の焦りようがよくわかります。
岸田政権は安保3文書の閣議決定を行い、成田空港の軍事使用へとあからさまに踏み込んできました。反対同盟が当初から言ってきたように、「軍事空港阻止」の決戦になってきたので、これを大きく盛り上げていきたい。
今回の4日間決戦では、全学連を先頭に天神峰に人がいっぱい集まり熱気で満たしてくれました。私たちが「こういう状況をつくりたい」と思っていたことが実現しました。この状況を定着させれば、簡単に執行なんかできません。
全学連の皆さんには、ぜひ今後も奮起をお願いしたいと思います。
三里塚はもちろん国家暴力と直接対峙(たいじ)して闘う現場ですが、天神峰を日常的に人が集う場所に、市東さんの言葉を借りれば「明るい三里塚」にしたいと思います。今年もよろしくお願いします。
大義はわれわれにある
決戦本部長 太郎良陽一さん
NAAは、強制執行へ向けての手続きを裁判所と共に進めながら、市東さんには「離作補償金を支払う。供託する」と一方的に言い放ちました。市東さんはそれを黙殺・無視したわけですが、そういう状況の中で強制執行攻撃が来るとすれば年内27~30日と予想され、そこを山場としてわれわれは4日間決戦を呼びかけました。
遠いところからの方も含め、皆さんも全力で結集してくれました。本当にありがとうございました。
闘い方もそれぞれが創意工夫して、とにかくスクラムを組んでその場に踏みとどまり、力を合わせて敵を迎え撃ちはね返すぞと士気を高めていました。だが結局向こうは、やるというそぶりも見せることができなかった。
市東さんの畑を強奪することで「誘導路を直線化する、利便性が増す」みたいにやつらは言うが、実際には萩原さんをはじめ東峰地区の農家の畑、開拓組合道路などの存在によって、曲がりくねった誘導路が直るなんてことはない。とにかく市東さんをこの地からたたき出し、反対運動をつぶすための攻撃です。
だから大義はわれわれにある!
空港に象徴される資本主義の価値観を打ち破る闘いを大きくしましょう。
23年も攻勢的な闘いを繰り広げ、絶対に市東さんの農地と営農を守り抜きましょう。
農地は市東さんの命だ
事務局員 伊藤信晴さん
請求異議裁判が控訴審に進む時に多くの人々からコメントをいただいたのですが、東京大学大学院教授の鈴木宣弘さんからは「農地を農民から取ることは犯罪である。『話し合いが頓挫した場合』には、計画を撤回し関係各位に謝罪すべきだ」というメッセージをいただきました。本当にそのとおりだと思います。農民の農地を奪うということは、農民の命を奪うことに等しく、絶対に許されないことです。
だから私たち反対同盟は決戦本部長の太郎良さんを先頭に、年末4日間決戦を呼びかけ全力で闘いました。NAA社長の田村明比古が不遜(ふそん)にも、強制執行を「円滑かつ確実にやる」と言っていましたが、こっちの本気の構えがある限り円滑になんかいくわけがない。そういう情勢をわれわれはつくり、その覚悟を突きつけました。
全学連の学生諸君が全国から集まり実力阻止態勢を取って闘ってくれたことが、実に大きな力になりました。これまでの半世紀を超す三里塚の歴史においても学生が果たす役割は実に大きかったが、今回もその大きさが証明されました。
日本帝国主義・岸田政権による中国侵略戦争を許さず成田を軍事使用させないためにも、市東さんの農地を守り抜きましょう。今年も皆さんと共に闘います。
解放区になった天神峰
婦人行動隊 木内敦子さん
4日間決戦で天神峰が人民の解放区のようになりました。これが闘う力だと思います。
「天神峰カフェ」を続けてきたことも、この勝利への一助となったと思っています。天神峰を日常的に人が集まる場所として開放し、いざ農地強奪の動きがあったら直ちにここに結集してほしいということで始めたわけですが、最初は「カフェなんて言っても人が来るかしら」と不安もありました。成田駅のバス停に宣伝のボードを持って立ったこともあります。現闘のみなさんの協力のおかげもあって、毎月のカフェが定着したことをうれしく思います。「前進」「週刊三里塚」も報道を続けてくれて、若い人たちの決起につながったことを実感しています。
困難でもあきらめずに継続すること自体がすごく大事です。三里塚も57年、いろんなことがありました。でも開港しようが、成田用水ができようが、裁判で不当判決が下されようが、反対同盟は全然あきらめずに闘ってきました。闘い続けているということ自体が、負けてないということだし、負けない闘いをつくっていることだと思います。
これから先もどういう形になるにせよ、絶対にあきらめずに市東さんと共に歩いていくという気持ちで、一緒に進んでいきたいと思います。