中国人民の決起に応える道は何か 米日帝の中国侵略戦争阻止! 反帝反スタ世界革命へ闘おう
週刊『前進』04頁(3274号03面01)(2022/12/19)
中国人民の決起に応える道は何か
米日帝の中国侵略戦争阻止!
反帝反スタ世界革命へ闘おう
11月末から中国全土に広がった習近平政権に対する労働者人民の怒りの爆発は、単なる民主化要求にとどまるものではない。帝国主義とスターリン主義による世界支配を共に打倒するプロレタリア世界革命の一環としての、中国における第二革命へと向かう新たな闘いの始まりだ。日本の労働者階級はこれに全力で応え、米日帝国主義の中国侵略戦争を自国帝国主義打倒の内乱=革命に転化するために総決起しよう。戦後日本革命の敗北が1949年中国革命の世界革命との結合を阻み、その変質を許した歴史を乗り越え、日中人民の真の革命的団結をつくり出して闘おう。
中国第二革命へと向かう歴史的な決起が始まった
11月24日の新彊(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市での高層マンションにおける10人の死亡火災事故を契機に、封鎖政策を進める習近平政権に対して南京、上海、北京、成都、武漢など中国全土で暴動的決起が闘われた。北京や南京の大学などでのウルムチ犠牲者追悼集会はそのまま抗議集会となり、中国スターリン主義政権への青年・学生を先頭にした抗議運動となって爆発し、治安部隊との衝突へと発展した。中国の「ゼロコロナ」政策による長期の強制隔離・収容は、感染者が出たというだけで居住建物、地域、都市丸ごとの封鎖となる。住民は日常の活動や移動が禁止され、食べ物は配給制となり、必要な品物も量も届かない極限的事態を強制される。人間を動物のように扱う反人民的な統治政策の典型としてあったゼロコロナ政策への怒りが、習近平退陣の要求となって各地で暴動的決起へと発展したのは当然である。
闘いの画像は当局によって瞬時に抹消されるが、消しきれない膨大な数の画像や動画がネット上に拡散した。それは、スターリン主義・中国共産党が一方的に人民のあらゆる領域を統制し、情報を規制し、労働者人民はそれにただ付き従うだけの存在として扱われていることへの根源的抵抗でもあった。
重要なのは、労働者階級の闘いがその中心にすわっていることだ。ウルムチでの火災事故と並んで全国的な闘いの導火線となったのは、米アップルのスマートフォンを受託生産している台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の河南省・鄭州工場での労働者の実力決起だった。コロナによる封鎖で工場と寮の密閉された空間での劣悪な生活を強いられる中、耐えられなくなった労働者の脱出が続いていた。そして11月23日には、警備員・警察と1万人以上が衝突する大暴動となったのだ。
学生と青年労働者を先頭とした今回の闘いは、10月の党大会で習近平が業績の一つとして挙げた封鎖政策の継続を困難にさせ、変更を余儀なくさせた。だがこの「政策変更」は問題を何ひとつ解決しないばかりか習体制の一層の危機をつくり出すものだ。コロナ危機の再爆発は不可避であり、不動産バブルの崩壊に始まる中国経済の危機の本格的爆発とあいまって、一切の矛盾をしわ寄せされる中国労働者階級の大反乱がこれからいよいよ全面的に巻き起こってくることは避けられない。
習近平体制打倒の勝利は世界革命の完遂と一体だ
中国人民のこの新たな闘いは、「民主化」を求めて決起した1989年天安門事件の再来にとどまるものではない。中国におけるスターリン主義の支配を終わらせる闘いの始まりであり、同時に資本主義・帝国主義を最後的に打倒する闘いの始まりだ。まさにプロレタリア世界革命の一環としての中国革命の継続であり、中国第二革命へと続く闘いの始まりである。49年の中国革命の勝利は、ロシア革命が開始した世界革命の事業を引き継ぎ、その大きな一翼を担う期待をもって、帝国主義の世界支配を実力で打ち破る民族解放・革命戦争の偉大な勝利としてかちとられた。だが帝国主義国におけるプロレタリア革命(とりわけ日本革命)との結合を断ち切られる中で、中国共産党指導部は、ロシア革命を変質させたスターリン主義の、「資本主義・帝国主義の全世界的な打倒がなくても社会主義は建設できる」という全く誤った路線に突き進んだ。
世界革命との結合を欠いたまま、帝国主義の半植民地であったという困難な諸条件の上に強行されたこの「一国社会主義」建設は当然にも破産した。毛沢東の大躍進政策の失敗とそれに続く文化大革命の混乱を経て登場した鄧小平は、72年ニクソン訪中に始まる米帝の米中結託路線への転換を受けて、帝国主義資本の導入をテコとした中国経済の市場経済化(資本主義化)という改革・開放政策への転換によって危機からの脱出を図った。だがこの資本主義との結合路線も、帝国主義の新自由主義的延命の終わりの中で完全な行き詰まりを迎えたのだ。
習近平政権は、鄧小平以来の改革・開放政策が矛盾を爆発させ、党と国家を支配するスターリン主義官僚と労働者人民との間の矛盾が非和解的に激化する中で登場した。それはまた、帝国主義が自ら「大国」化させた中国に対し、米帝が軍事を含めた対峙(たいじ)・対決を強めた時期と重なっていた。米帝の激しい戦争重圧に追い詰められ、経済の高成長による政権の正統性を主張できなくなった習政権は、国内における強権的な人民支配の強化と「台湾統一」を掲げた対米対抗的なナショナリズム、軍事外交政策にのめり込むことでスターリン主義国家体制の維持を図ってきた。
今年の20回党大会で習近平が強調した「社会主義現代化強国」の建設とは、香港やウイグル、チベット人民などへの弾圧が示す強権支配を極限的に強化し、「中華民族の偉大な復興」というナショナリズムをあおって「一国社会主義」路線の破産を塗り隠そうとするものに他ならない。それはかつてのスターリンのように、労働者階級が社会主義建設の主体であることを否定し、労働者人民の自主的な活動のすべてを弾圧・粛清の対象とするものだ。他方では帝国主義の世界戦争阻止と世界革命を求めて決起する全世界の労働者階級人民に敵対し、闘いの圧殺を狙う公然たる反革命として登場するのである。
反共主義あおり戦争への総動員狙う日帝を許すな
今われわれは、帝国主義とスターリン主義がもはややっていけなくなった時代に立っている。ウクライナ戦争をもって始まった世界戦争に対し、これを阻止する闘いの中で世界革命を実現することができる時代へと突入したのである。中国人民の歴史的決起の開始に恐怖しているのは習近平だけではない。米帝や日帝も同じだ。彼らはこの決起が世界革命をめざす闘いに発展するのを阻むために、習政権への抗議を反共主義的にねじ曲げ、「独裁国家に対する民主主義の闘い」と描き出すことで、中国侵略戦争の推進に利用しようとしている。
とりわけ、日帝・岸田政権のやっていることは悪質だ。12月5日、経済安保担当相の高市早苗が呼びかけた「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」の設立総会が国会内で開かれ、超党派の国会議員100人が名を連ねた。日帝はかつての中国侵略戦争で村落を丸ごと焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くすという残虐行為を重ねながら、その極悪の戦争犯罪のすべてを今日に至るも平然と開き直り続けている。その日帝が恥知らずにも、今度は「人権侵害に反対する」という口実で、米帝と共に再び数千万人を虐殺する中国侵略戦争に突き進もうとしているのだ。
日本の労働者人民は今こそ、中国の労働者・学生の闘いと一つとなって米日の中国侵略戦争阻止、岸田政権打倒の闘いに総決起し、日本革命の勝利をめざして進まなければならない。この闘いはアジアだけでなく全世界を変える闘いだ。反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の一環として、米日帝国主義を打倒し、中国の第二革命を共に闘おう!