12・11三里塚
　農地死守へ全国から結集
　「今晩からが決戦だ！」

　成田市天神峰で12月11日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける現地闘争＆団結芋煮会が行われ、２２０人が結集した。
　市東孝雄さんの南台の畑に集合。この場所も天神峰の畑とともに強制執行対象とされている。決戦本部長の太郎良陽一さんが「今日のデモに打って出よう！」と第一声を発し、シュプレヒコールをリードした。
　強風にたなびく旗・のぼりのさおを握りしめ、デモに出発。宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが、「農地強奪を許さない」との訴えを響かせた。市東さん宅前の開拓組合道路に到着し、座り込みを続ける仲間とも合流した上、中庭で集会が始まった。

「力を合わせて権力はね返す」

　最初に事務局員の伊藤信晴さんが、「戦争に絶対反対し、農地決戦を闘おう」と熱烈に呼びかけた。
　続いて市東さんが発言に立った。「みなさんと力を合わせて、いかに権力をはね返すかだけを考えています。私にとって農地は命、畑を取られることは非常に残念です。祖父の代から１００年耕してきた畑を、私の時代で終わらせるのは心苦しいですけど、前へ進んでいきたいと思います。これからもがんばります」。市東さんの一語一語に込められた覚悟と闘争心を受けとめ、全員が決意を一層固め拍手を送った。
　連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が、反対同盟と車の両輪として労農連帯を貫き、市東さんの農地を守ると誓った。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、強制執行への怒りを表し、大阪府警本部に対する元日の反弾圧行動への結集を呼びかけた。
　ここで、大なべに用意された熱い芋煮が参加者に配られた。里芋などの有機野菜と、よく味のしみた肉がひしめく一杯で、心身が温まる。その場の緊張感がいったんほぐれ、音楽ライブの時間になった。ゲストは「いなのとひら・のとこば」のトリオで、痛烈な政治風刺を効かせたオリジナル曲を披露した。東峰の萩原富夫さんも彼らの演奏で自作のロックを絶唱した。
　婦人行動隊の木内敦子さんのカンパアピールに続き、諸団体の発言が続いた。全国農民会議共同代表の小川浩さんは、日本農業の直面する深刻な危機を報告し、三里塚の勝利に農民の未来もあると訴えた。
　婦人民主クラブ全国協議会事務局長の鶴田ひさ子さん、星野全国再審連絡会議共同代表の狩野満男さん、改憲・戦争阻止！大行進関西の増田順計さん、全国水平同盟杉並支部長の田中れい子さんなどの決意表明が続いた。
　全学連の学生は、三里塚実力闘争の歴史を振り返りながら「これに続き自分たちの世代がすべてを引き受けて闘う」と宣言し、大きな拍手を浴びた。

現地泊まり込みへの参加続々と

　決戦本部に集う仲間が前に並び、太郎良さんが「今晩からが決戦、泊まり込みに参加を！」と呼びかけると、学生・青年が続々と前に出てきた。太郎良さんが「団結して闘い、市東さんの農地を守り抜こう！」と腹の底から叫び、それに応える一同の歓声で天神峰の空気が震えた。最後に団結ガンバローを三唱し、「反対同盟の歌」を熱唱して「誇りも高き農地死守」の歌詞を全員が胸に刻んだ。
　この晩、泊まり込み参加者は不寝番態勢をとって身構えたが、結果として翌朝まで攻撃はなかった。午前７時30分、全員で旧小見川県道に並び朝日を浴びながらこぶしを突き上げ、引き続き一日一日の勝利を積み重ねることを誓い合った。