動労千葉 久留里線を廃止するな 住民と共に地域集会
動労千葉
久留里線を廃止するな
住民と共に地域集会
動労千葉木更津支部が主催する「JR久留里(くるり)線・房総廃線を許すな!上総(かずさ)地域集会」が12月4日、久留里駅前の上総公民館で開かれた。「内房線と地域を守る会」と「外房線と地域を守る会」が集会に賛同し、動労千葉組合員や地域の住民など150人が集まった。
JR東日本は11月24日、2021年度の赤字ローカル線の線区別収支を公表した。JRは、100円の収入を得るために2万円近い経費がかかる最悪の赤字線の一つに久留里線の久留里―上総亀山間を挙げ、その廃止を手始めに全面的な廃線に踏み込もうとしている。集会は地方破壊の廃線への怒りがみなぎり、労働組合と住民を結んだ力ある運動への期待にあふれた。
動労千葉木更津支部の鈴木康弘支部長が主催者あいさつで、「国は沿線地域協議会をつくらせて自治体に廃線をのませようとしている」と弾劾、「地域から反対の声を上げよう」と呼びかけた。動労千葉の関道利委員長がローカル線廃止に向けた国土交通省の検討会提言について解説、JRの在来線の約6割が国鉄分割・民営化の際に廃線基準とされた乗客数を下回っている現実を指摘し、「鉄道を民営化し金もうけの道具にしたことが間違っていた」と断じた。また「JRは地域から廃線反対の声が上がることを恐れている」と述べ、「労働組合の闘いと地域の声が一つになれば大きな力になる」と訴えた。
内房線と地域を守る会会員の館山市議会議員は、財源のない自治体に鉄道の維持を押し付ける国の政策を批判し、鉄道などの公共部門は国の責任で運営すべきだと述べた。外房線と地域を守る会の住民は、列車の削減やワンマン化に反対して国交省やJR千葉支社と交渉してきた同会の運動を報告し、「鉄道や病院がなくなれば地域に人が住めなくなる。暮らしを守るために取り組む」と表明した。
沿線住民の発言が続いた。学校統廃合反対の運動を続けてきた教育労働者は、廃校を強いる文部科学省に怒りを表し、「鉄道も学校も地域に必要だ。皆さんと連帯し運動する」と発言した。久留里線の列車本数の増加を求める切実な声も出された。JRが廃線を狙う久留里―上総亀山間は、昼間に5時間も列車が走らない時間帯がある。JRはローカル線の利便性を意図的に下げて廃線に持ち込もうとしている。これへの住民の怒りは当然だ。
「戦争が近づく中で廃線の話が出て、第2次世界大戦末期に『不要不急』の鉄道が廃止されてレールが銃弾に作り替えられたことを思い出した」という意見も出た。廃線への怒りと戦争への危機感は一体だ。
住民の声を聞かないJRに憤る住民は、動労千葉の闘いへの熱い期待を示した。君津市議会議員は「署名運動で廃線を認めるなと行政に迫る」と表明した。
動労千葉を支援する会・木更津の青年が、廃線反対やオスプレイ反対の闘いを地域で継続すると発言した。さらに、同会の労働者が久留里線廃止反対の署名の取り組みを訴えた。
動労千葉木更津支部の副支部長が閉会あいさつで、署名の呼びかけ人を募った。地域の力を集めた集会を機に、廃線阻止の実際の運動が直ちに始まった。