「空港拡張争点に」を弾劾 団結街道裁判 内野裁判長に怒り
週刊『前進』04頁(3271号04面01)(2022/11/28)
「空港拡張争点に」を弾劾
団結街道裁判 内野裁判長に怒り
(写真 裁判後、地裁前で「市東さんへの強制執行するな」と情宣【11月18日 千葉市】)
11月18日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で、団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、市東孝雄さんの農地に手をかけた成田空港会社(NAA)と千葉地裁に怒りを燃え立たせて闘いぬいた。
団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は、市東さんにとって、自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ、日々の農作業に必要不可欠の道路であった。その道を成田市は、2010年6月に夜陰に乗じて封鎖・廃止し、土地を格安でNAAに売り飛ばした。この暴挙の違法性を徹底的に追及するのがこの裁判だ。現在、4年以上も証人採否をめぐる手続きが続いている。
反対同盟側は今回も成田市長・小泉一成を証人採用することを強く要求。また、成田市が請求する元成田市土木部道路管理課主任・松本光平の証人採用に反対した。
団結街道を廃道にする決定の最高責任者は小泉市長だ。松本が市の政策決定に関与できるはずもなく、尋問しても無意味だ。本件は市長の「鶴の一声」で決められたのだ。裁判長は小泉市長の証人採用を決定せよ。
さらに弁護団は、11月4日の進行協議席上で内野裁判長が、この裁判の主要な争点として「空港拡張の必要性があったか否かが重要だ」と意見を述べたことについて問いただした。これは、空港拡張が大事ならば廃道にしてかまわないという結論に至るものだ。被告の成田市ですらこんな露骨な主張はできず、「機能強化は一つの事情に過ぎない」と書面に記している。
最初は横柄な態度をとっていた裁判長だが、弁護団が「それを争点とするならNAA社長を証人尋問すべき」と突きつけるとうろたえ、「誰を証人に呼ぶかに関連付けては考えていない」などと言い訳した。この対応に傍聴席からも怒りの声が上がった。
弁護団はさらに、09年7月の四者協議会(国土交通省、千葉県、成田市など空港周辺市町、NAA)の会議記録、確認書などの文書の提出を成田市に求める「意見書」を陳述した。
次回期日は5月12日。
裁判後には千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。裁判の現況について報告したうえで、決戦本部長の太郎良陽一さんが「裁判所が授権決定を下したら、直ちに現地は反対同盟と支援で総力の24時間座り込み態勢に入る」と闘争への参加を熱烈に訴えた。