子ども甲状腺がん裁判 第3回弁論 胸に迫る原告の陳述

週刊『前進』04頁(3270号03面05)(2022/11/21)


子ども甲状腺がん裁判
 第3回弁論
 胸に迫る原告の陳述

(写真 報告集会で「がん発症は放射線の影響」と弁護団が断言【11月9日 東京】)

 311子ども甲状腺がん裁判の第3回口頭弁論が11月9日午前11時から東京地裁で行われ、傍聴整理券配布に148人が並ぶなど多くの人が駆けつけた。今回も小法廷での実施で傍聴人数が制限され、隣接する弁護士会館の講堂クレオで、裁判と並行し支援集会、午後0時30分から報告集会が行われた。
 報告集会で最も注目を集めたのが「原告5」さんの意見陳述(前日に録音したもの)だ。中学1年の時に大震災・福島原発事故に遭遇したことから語り始め、がんと診断され2回の手術を受けたこと、さらに3回目の手術の話が出ていると語った。
 続いて「漠然とした不安。これから先のことも考えられない。今とか未来とか」「今でも友だちが心配です。何も考えずに一緒に遊んでいた子。これから、結婚とか、出産になっていくのに、まだ、甲状腺がんになる可能性はあるから」「裁判官の皆さんには、今もこれからも不安に思う人が300人以上いてその家族たちも不安に思っていることを伝えたいです」と結んだ。原告の青年たちは、思い出すのもつらい中で、弁護士と語り合いつつ記憶をよみがえらせ陳述を書き上げているという。今回も胸に迫るものだった。
 弁護団長の井戸謙一弁護士が裁判の概要を説明した。被告(東京電力)の主張は、100㍉シーベルト以下では小児甲状腺がんを発症しない、福島の甲状腺がんは潜在がんだとし、実質的に「過剰診断」論と同じだ。原告は100㍉以下でも発症すること、さらに疫学的に放射線の影響だと主張していく。今日は第一弾として疫学的な主張を行ったと報告した。
 第5回(来年3月15日)以降は原則として大法廷で行うことが決まった。原告意見陳述も第5回まで行うと決まった。原告・弁護団と全国の署名・支援の力が実現したものだ。第4回口頭弁論は来年1月25日だ。東京地裁に集まろう。
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