裁判員制度 今こそ廃止を 破綻深める最高裁へデモ

週刊『前進』04頁(3270号03面03)(2022/11/21)


裁判員制度 今こそ廃止を
 破綻深める最高裁へデモ

(写真 「ストップ!裁判員制度」の横断幕を掲げて最高裁デモ【11月11日】)

 11月11日昼、「裁判員制度はいらない!大運動」と「憲法と人権の日弁連をめざす会」の呼びかけで、「今こそ裁判員制度の廃止を」と訴える最高裁デモが70人の参加で闘われた。
 制度発足以来13年、現代の徴兵制=裁判員制度はついに崩壊局面に突入した。裁判員に選ばれた人の23・7%しか呼び出しに応じていない。また現職裁判官の中から「(裁判員との)実質的な意見交換ができない」「制度導入の目的は達成されなかった」という声が噴出し始めた。こうした新局面を踏まえて、今こそ「大運動」の蓄積を発揮して、裁判員制度を廃止に追い込もうと、この日のデモが闘われた。
 正午前、日比谷公園の霞門にデモ参加者が結集した。「大運動」呼びかけ人の高山俊吉弁護士があいさつし、「今日のデモは、日本が再び中国侵略戦争を始めようとしている情勢の中で、これと対決する重要なデモです。また今や、裁判員制度や弁護士激増政策の破綻を権力者自身が認め始めた。おぼれる犬をたたけ。みんなの力を合わせて裁判員制度をつぶそう。今からのデモで多くの人にアピールしよう」と訴えた。
 続いて「大運動」事務局長の武内更一弁護士があいさつした。「裁判員として呼び出されても4人に1人しか裁判所に行かないという危機の中で、最高裁は、今年から18歳と19歳の若者も裁判員として呼び出すことを始めた。若い人たちを教育して、国策に動員しようとしている。これは『現代の学徒動員』だ。徹底的に弾劾してやめさせよう」とアピールした。
 正午ちょうど、デモに出発。色とりどりの旗をなびかせたデモ隊は東京地裁・高裁前から霞が関官庁街を通り、最高裁まで約1時間、デモ行進した。「裁判員制度は『現代の赤紙』だ」「政府・最高裁は裁判員制度を廃止せよ」というデモ隊の声が、晴れわたった秋の空に大きく広がった。途中、昼休みで街を歩く多くの労働者がデモに注目し、訴えに耳を傾けた。
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