三里塚強制収用絶対許すな 安保3文書粉砕・岸田政権打倒 11・19新宿反戦デモに結集を!
週刊『前進』04頁(3269号04面01)(2022/11/14)
三里塚強制収用絶対許すな
安保3文書粉砕・岸田政権打倒
11・19新宿反戦デモに結集を!
11・6集会が2200人の結集で大成功した。新自由主義の大崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊の世界戦争・核戦争への転化がウクライナ戦争として現実に始まり、中国侵略戦争の危機が高まる中で、25年目の11月集会は労働者の団結した力と世界革命の展望を示す歴史的な労働者集会としてかちとられた。この地平を引き継ぎ、三里塚・市東孝雄さんの農地の強制収用実力阻止決戦に決起しよう。さらに安保関連3文書粉砕、国鉄1047名解雇撤回闘争、大坂正明さんの無罪・奪還をかちとる闘いを、中国侵略戦争を阻止する決戦として闘おう。11・19新宿反戦デモ(要項1面)をかちとり、岸田打倒の11~12月決戦に立とう。
世界戦争下での11月集会
11・6集会は、世界戦争情勢のただ中で「労働者は社会の主人公だ」「戦争を止め、社会を変革する力が労働者にはある」ということを確信をもって提起し、「階級的団結・階級的労働組合をつくり上げることは絶対に可能だ」と心から確認し合う歴史的な集会としてかちとられた。集会の基調報告で動労千葉・関道利委員長が訴えたように、「あらゆる勢力が崩れ落ちていった日本労働運動の現実の中で、情勢に負けることなく闘いの意志を燃やし続けていることの意味は決して小さくない」。この11・6集会の成功は、情勢の激しさに負けずに闘い続けてきた労働者、労働組合の必死の努力でつかみとったものである。帝国主義の戦争が現実化したときに「資本家階級の権力を打ち倒して、労働者の社会をつくろう」という立場を貫けるかどうかが階級的労働運動の核心だ。11・6集会は、戦争情勢下における階級闘争の危機を打ち破り、階級的労働運動再生の道を鮮明に指し示した。この立場を貫く土台となったのは、関西生コン支部、港合同、動労千葉の闘いである。3労組は、それぞれが資本・国家権力からの激しい労組破壊の攻撃に非和解で立ち向かい、なおかつ労働運動全体―日本階級闘争全体の前進のためにその責任を担って、断固として闘いの先頭に立ち続けてきた。とりわけ9・23―27の国葬粉砕実力闘争は、「国家権力と闘っても勝てない」「職場の闘いをやらなければ労働者は反戦闘争に立ち上がらない」といった労働者蔑視の思想を労働者自らの闘いで打ち破り、階級的力関係の決定的転換をかちとった。「反戦闘争を基軸とした労働運動」の実践は、最も困難な職場における労働組合の再生の力に転化し始めている。
11・6を新たな出発点に、「労働運動の変革」に向かって思いきって闘いを広げよう。来年は、動労千葉のイラク反戦ストライキをきっかけに始まった国際連帯闘争が20年を迎える。今回3年ぶりに訪日した韓国・民主労総の仲間たちは、11月末から12月にかけてユン政権打倒のゼネストに立ち上がる。世界の労働者の闘いに続き、労働者自身の手で労働組合を甦(よみがえ)らせるときだ。3労組のもとに「闘う労働組合の全国ネットワーク」を力強くつくりだそう。
米日が中国侵略戦争演習
11・6集会が切り開いた地平をさらに大きく前進させよう。労働者の生活や命を軽んじ、自らの延命のために改憲・戦争へと突き進む岸田政権を打倒する闘いに立ち上がろう。アメリカ帝国主義・バイデン政権は10月12日に公表した「国家安全保障戦略(NSS)」に基づき、27日に「国家防衛戦略(NDS)」「核戦略見直し(NPR)」「ミサイル防衛見直し(MDR)」の3文書を発表した。NDSでは、中国を「米国の安全保障に対する最も深刻な挑戦」と位置づけ、核戦略を「国家にとって最優先事項だ」と明言した。戦争とインフレへの怒りがバイデン政権に向かい、中間選挙を経て国内階級支配の危機が一層深刻化する中で、バイデンと米帝支配階級は自らの延命のためにますます中国侵略戦争にのめり込むしかなくなっている。
10月31日~11月5日に行われた米韓合同軍事演習「ビジラント・ストーム」は、最新鋭のステルス戦闘機を含む米韓空軍機240機、米軍の戦略爆撃機が動員された。「朝鮮半島有事」に際して、北朝鮮の主要拠点への一斉攻撃に投入される米韓軍の航空機数は240機かそれ以上といわれる。今回の演習は北朝鮮を壊滅する空爆作戦をリアルに想定したものだ。
そして11月10日に始まった日米共同統合演習「キーン・ソード23」は、米韓演習を上回る航空機約370機と空母を含む艦艇約30隻を投入し、自衛隊約2万6千人と米軍約1万人を動員、さらにイギリス軍、カナダ軍、オーストラリア軍も米軍指揮下の部隊として参加するという今年最大規模の軍事演習となった。その内容も、米海兵隊の対中国作戦「遠征前進基地作戦(EABO)」を踏まえ、南西諸島で地上戦を行うことを前提としたものとなっており、沖縄本島や離島の民間空港・港湾を使用した軍事物資輸送の訓練も強行されようとしている。
これと一体で、岸田政権は「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の安保3文書の年内改定を狙っている。岸田が発足させた「有識者会議」では、「反撃能力」と言い換えた敵基地攻撃能力の保有を柱に、「防衛費2倍化」「財源に関しては幅広く国民に負担を」「防衛産業の育成」「有事における公共インフラの整備・活用」などが議論され、戦争を一切に優先する国家へと日本をつくりかえることが画策されている。事実上の「9条破壊」の改憲攻撃そのものだ。11・19新宿反戦デモに結集し、戦争と大軍拡の岸田政権打倒へ闘おう。
全国から決戦の三里塚へ
日帝・岸田の中国侵略戦争を阻止する緊急かつ最大の攻防が、市東さんの農地を死守する闘いである。成田空港会社(NAA)が市東さんの農地取り上げの強制執行手続きに踏み切ったことを、絶対に許すことはできない。NAAは、成田空港の機能強化としてB滑走路北延伸の準備を始めたが、すでに成田空港の利用はコロナで激減して回復の見込みもなく、「あるのは軍事的な要請に基づく需要だけ」(三里塚芝山連合空港反対同盟の緊急アピール。本紙前号掲載)だ。農民にとって農地は命である。農地を奪われるのは命を奪われるのと同じだ。そして市東さんの農地強奪を阻止することは、戦争のために土地を差し出せ、金を出せ、命を捧げろという戦時国家暴力の発動を絶対に許さないということであり、まさに全人民の共通の闘争課題にほかならない。
反対同盟と日本の労働者階級は、三里塚を「反戦の砦(とりで)」として実力で守り抜き、成田軍事空港の完成を56年間にわたって阻んできた。その闘いは、韓国・民主労総をはじめ、国際連帯の闘いにも発展している。岸田が戦争をやるために市東さんの農地を奪うことなど絶対に許さない。革共同は、反対同盟との血盟にかけて強制執行阻止の一大決戦に突入する。市東さんの農地取り上げ強制執行阻止を全国・全世界に訴え、11・27天神峰現地闘争に結集しよう。
11~12月の闘いに日本革命の帰趨(きすう)がかかっている。共に闘おう。