労働者の力組織しよう 11・6全国労働者集会発言
労働者の力組織しよう
11・6全国労働者集会発言
11・6全国労働者総決起集会は、世界戦争を阻み階級的労働運動を甦(よみがえ)らせようと奮闘する労働者民衆が結集し、社会の根底的変革へ大きな一歩を踏み固めた。主な発言の要旨を紹介します。(編集局)
開会あいさつ
国葬反対の怒りを継いで戦争阻止を
全国金属機械労組港合同 執行委員 木下浩平さん
本日、25回目の全国労働者総決起集会を開催します。3年ぶりに韓国やアメリカの闘う仲間を迎え、文字通り国際連帯集会としても開催できました。特に民主労総の仲間たちは、梨泰院での大惨事、156名の尊い命の中に民主労総の運営委員も入っていたと聞いていますが、ユン政権と真っ向から闘って本日の集会に参加されています。
核戦争にまで行きつく戦争として勃発したウクライナ戦争に、労働組合がどういう態度をとるのか問われた1年でした。日本がこの戦争にかみこんで、中国への戦争に突き進んでいます。この過程で安倍が銃殺され、岸田政権はこの事態に戦時体制へと一気に転換しようと国葬を打ち出しました。しかし、国葬反対の広範な怒りの声は岸田政権をボロボロにしました。全国でのみなさんの闘いが情勢を切り開いてきました。
この闘いをさらに引き継いで、労働運動の新たな大高揚をつくりだそうではありませんか。関西生コン支部の仲間たちは大弾圧と4年にわたって闘い抜き、旗を守り抜いて新たな結集軸をつくりだしています。
文字通り戦争を止める闘いが求められています。物価上昇で労働者が生活できない、この社会はほんまに変えないといけないという怒りと展望を求める声が広がっています。すべての怒りの声とともに、先頭に立って闘う決意をお互いに固め合い、集会の成功をかちとりましょう。
基調報告
国鉄千葉動力車労働組合
関道利委員長 階級的労働運動は可能だ
11月労働者集会が25年という大きな節目を迎えました。一歩前進二歩後退。今も大きな壁が立ちはだかっています。しかし、情勢に負けることなく闘いの意志を燃やし続けている意味は小さくありません。
私たち3労組は小さな労働組合です。闘いの先頭に立つことをやめなかったがゆえに、激しい攻撃を受け続けてきました。関西生コン支部は今まさに、労組活動を犯罪にでっち上げ89名もの組合員を不当逮捕・長期勾留する戦後最大の労組弾圧を一身に受けながら不屈に闘っています。動労千葉は、国鉄分割・民営化や業務外注化との闘いで70名を超える不当解雇攻撃を受けながら、一糸も乱れぬ団結を守り抜いてきました。港合同は、倒産・組合つぶし攻撃に対し、自主管理と地域全体の組織化をもって立ち向かってきました。
私たちの経験が示しているのは、階級的団結・階級的労働組合をつくりあげることは絶対に可能だということです。日本の労働運動を支配してきたのは「目先の要求でしか団結できない」という労働者を蔑視する思想でした。その結果、日本の労働運動は政治反動に対する力強いスクラムを次々に放棄するに至ったのです。私たちの根底にあるのは、こんな現状を打破したいという強い思いです。
25年間の蓄積が時代と結びつき、力を帯びる時が来ようとしています。
日本における新自由主義攻撃は、1987年国鉄分割・民営化をもって本格的に開始され、社会全体をのみ込んでいきました。それから35年、社会をむしばんできた新自由主義が、自らが生み出した矛盾で大崩壊しようとしています。
日本の労働運動は後退に後退を続けました。連合は、激しい物価騰貴で人々の生活が脅かされているのに集会ひとつ呼びかけず、自民党と一体化を深めています。連合はもはや死んだと言わざるを得ません。労働者自身の手で労働運動を甦らせる時です。本日の集会を新たな出発点として、戦争を止めるために、新自由主義を終わらせるために労働者の力を組織することを確認したいと思います。
私たちは歴史の岐路に立っています。ウクライナを舞台としたアメリカ・NATOとロシアの戦争は、三たびの世界戦争、核戦争の危機を告げ知らせました。東アジアでは米日政府による中国侵略戦争の危機が迫っています。政府は国民に恐怖と憎悪、愛国心を注ぎ込み、世界中で大軍拡が叫ばれています。しかし「愛国心はならず者の最後の砦」です。万策尽きた資本主義の危機こそが戦争を生み出している真の原因です。特にわれわれは、アジア・全世界の仲間たちと連帯し、日本政府と闘わなければなりません。
軍事空港粉砕! 三里塚闘争勝利へ闘いましょう。
JRをめぐっては、国鉄分割・民営化が完全に破綻しました。JR旅客全路線の6割近くが「廃線基準」以下に落ち込みました。競争原理によって地方を衰退させ、鉄道を衰退させてきた結果です。しかし国交省とJRはそれを逆手に「JR在来線4割廃線」を掲げて民営化に次ぐ大攻撃に踏み出しました。岸田政権はこれを国防に特化していく国家改造攻撃として打ち出しています。さらにJR東日本は、「鉄道部門4千人削減」というJR発足以来、最大の合理化攻撃を明らかにしました。「労組なき社会化」を狙う激しい組織破壊攻撃と一体です。
動労千葉は20年に及ぶ外注化阻止闘争を貫き、外注先企業の職場過半数代表をかちとり、民営化体制を覆す闘いに挑戦しています。
私たちは、本日の集会に向けて「3労組共同アピール」を発表しました。
第一に、関生支部への大弾圧、JRの「労組なき社会化」攻撃粉砕の闘いに全国の力を結集しようということです。この闘いの中にすべての労働者の権利・未来がかかっています。
第二に、新自由主義を終わらせる闘いに立ち上がろう、その鍵を握るのは労働組合だと訴えました。
第三に、労働組合の本質的な課題として戦争反対の闘いに立ち上がろうと訴えました。「内への階級戦争」と「外への侵略戦争」は一つの課題であります。
第四に、労働運動の不可欠の課題として、労働者の国際連帯を発展させるために闘おうということです。
戦争が現実化し、世界中で新自由主義と戦争に対する怒りの声が一斉に噴出しています。私たちも同じ時代を生きています。時代は必ず動きだします。労働運動の変革はこの時代に求められている最先端の変革です。変革は奇跡のように起こるものではなく、ときには何世代にもわたる努力によって起きるものです。労働者は社会の主人公です。歴史をつくるのは労働者です。力を結集し、新たな一歩を踏み出しましょう。
関生弾圧粉砕の訴え
権力弾圧には大衆行動で決着つける
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん
関西地区生コン支部への権力弾圧に対して物心両面にわたるご支援、心からお礼を申し上げます。
戦争情勢のさなか、関生支部は戦争を阻止するために先頭に立って闘うことを表明します。
関西ではこの1年間、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしと権力弾圧粉砕の現場闘争を関西労組交流センターの仲間とともに闘い抜きました。関西の仲間をはじめ、全国労組交流センターのみなさんには感謝しかありません。
大阪広域生コン協組と、それと連携した警察・検察による権力弾圧は、最終的にはストライキをはじめとする大衆行動で決着をつけます。引き続きのご支援をよろしくお願いします。
労働組合つぶしは戦争への道です。すべての労働組合つぶしを、闘う労働組合の団結と行動で粉砕しましょう。国鉄1047名解雇撤回闘争に完全勝利しましょう。憲法改悪、大軍拡で戦争ができる国づくりを進める岸田政権を打倒するために、闘う労働組合が先頭に立ち行動しましょう。
労働組合の使命を自覚し闘おう
連帯メッセージ 関生支部 湯川裕司委員長
現在、日本では新自由主義が貫徹され、殺伐とした社会になっています。主要国で唯一、賃金が上がっていないのが日本です。日用品・食料品の相次ぐ値上げ、燃料価格の高騰、二重三重の苦しみが労働者を襲っています。
その一方で政治の腐敗ぶりは目に余ります。それは「安倍国葬」の強行に端的に表れています。安倍元首相こそ、「生きづらい」日本社会をつくった張本人であり、「戦争のできる国」へと日本をおとしめた人物です。
「悪人」を「国の功労者」に塗り替えようとしたのが「安倍国葬」に他なりません。全国で国葬反対の運動が巻き起こったにも関わらず、岸田首相はその声を踏みにじって国葬を強行しました。ここに、改憲・大軍拡・民意無視の安倍路線を引き継ぐ岸田首相の本性が表れています。
私たち関西地区生コン支部への弾圧も安倍政権下で行われました。最も邪魔なのは、戦争に反対して国家と対峙(たいじ)し、労働者の要求を掲げて資本と闘う「本来の労働組合」です。私たち産業別労働組合に力を持たれては労働者をこき使うことができない、国の政策も好き勝手できない。そうした危機感から権力者は私たち関生支部の壊滅を狙って大弾圧をしかけてきたのです。先日、「大津一次事件」の論告求刑で検察は私に懲役8年の実刑を求刑しました。コンプライアンス活動に殺人並みの重罰を科す驚くべき求刑です。決して許されるものではありません。
関生支部は昨年の定期大会で長年の課題であった世代交代を果たしました。先輩たちが築いてきた関生支部の組織と運動は、さらに次の世代へとバトンタッチしていかなければなりません。そのためにも、労働組合つぶしを打ち砕き、産業別労働組合を再建しなければならないのです。
私たちが闘っている相手は強大な力を持っているように見えますが、実際には、大したことはありません。今、関生支部が直接対峙している大阪広域協組も、一部の者に権力が集中し、内部では不平・不満がたまっています。国全体も同じです。自民・公明は、決して人々から積極的に支持されているわけではありません。労働者・市民の不満の受け皿になる政党がなく、多くの人があきらめていることによって延命しているに過ぎないのです。
今こそ、私たち労働組合の出番です。日々、生産活動を担い、社会を動かしているのは私たち労働者です。私たちには社会を変革する力があります。権力者に「やりたい放題」を許している大きな原因は、多くの労働者が自らの持つ力に気づいていないからなのです。動労千葉、港合同をはじめ、ここに結集する労働組合のような自らの使命を自覚する労働組合を全国・全産業に増やし、労働者全体の要求を掲げて闘う姿を外に向かってもっと見せましょう。時代は必ず変わります。関生支部も全力を尽くします。
決戦の三里塚へ
強制執行を許さず勝利するまで闘う
三里塚芝山連合空港反対同盟 市東孝雄さん
空港会社は10月18日、天神峰農地、作業場、はなれ、やぐら、看板などを強奪する代執行を申し立て、千葉地裁は強制執行の具体的手続きに入りました。また、空港会社は北側延伸工事の開始を発表しました。絶対に許せません。政府は反戦反核の砦(とりで)・三里塚闘争をつぶし、改憲・戦争に突き進もうとしています。軍事空港を阻止し、戦争を止めましょう。反対同盟は緊急アピールを発し、11月13日と27日、現地闘争を呼びかけました。
三里塚は56年、農地死守・戦争反対を貫いて闘ってきました。車の両輪として共に長く闘ってきた動労千葉、厳しい中ですばらしい闘いをしている関生支部、港合同との労農連帯、市民・学生との団結。国策と闘う福島・沖縄・三里塚を一つの闘いとして、勝利するまであきらめずに闘います。地球環境を破壊する、すべての空港拡張計画の白紙撤回を求めます。三里塚はがんばります。
賛同団体から
住民の戦争動員を労働者として阻む
愛媛県職員労働組合委員長 中村圭司さん
愛媛県職労は3労組アピールの賛同を7月に決定し、9月12日には、国葬に反対し知事と教育長に弔意表明を求めないよう申し入れました。そして10月29日の定期大会で「戦争協力・参戦を阻止し、原子力発電の廃止を求める」決議を採択し、今日の集会に臨んでいます。決議では、戦争は国家、資本の利益のためにそれぞれの国の労働者が命を奪い合うことを強制する。平和を求める労働者、労働組合にとって戦争協力を拒否する闘いは避けて通れない。様々な反動と対決し、強固な団結が求められる長期の闘いを覚悟し闘おうと確認しました。
国民保護法制が発動されれば、自治体労働者は住民を戦争に動員する立場になります。一方これは、労働者が協力しなければ戦争は止められるということに他なりません。Jアラートの対応や、マイナンバーカードの強制も戦時体制に向けた一環です。一部の自治体では自衛隊に住民の個人情報を提供しています。
戦争協力拒否の闘いは生易しいものではありません。しかし今こそ労働組合として戦争は絶対にだめだとはっきり声を上げ、仲間を信頼して踏ん張りぬいて団結を守り、労働者が人間らしく生きていける社会をかちとっていきたい。
戦争を始めるのは資本家、戦争を止めるのは労働者です。困難を乗り越え、ともにがんばりましょう。
戦争反対の日教組をよみがえらせる
日教組奈良市書記長 増田順計さん
日教組奈良市は3労組アピールを断固支持し、戦争を必要としない社会を目指して闘うことを定期総会で決定し闘ってきました。
学校現場の状況は悪化するばかりです。次々と教員が倒れ職場を去る、しかし欠員補充はこない、労基法なき職場に過労死労働が覆いかぶさり、「学校崩壊状態です」と悲鳴のメールが届きます。同僚と言葉を交わす時間も奪われ、声さえ上げられない。だからこそ団結を甦らせていく闘う教職員組合が必要なのです。
今、文科省が障害児教育を担当する教員の削減を狙って、障害児が通常学級で学ぶ権利を奪う通達を出したことに対し、混乱と怒りが広がっています。岸田政権は戦費調達のために障害者切り捨てに踏み切ったのです。絶対に許せません。
国葬反対の闘いは新自由主義と戦争に対する反転攻勢となりました。日教組の「教え子を再び戦場に送らない」闘いを甦らせる好機です。県本部の中央委員会で、日教組奈良市は「文科省による障害児教育つぶし絶対反対」と「対中戦争に向かうあらゆる動きに反対する闘いを強化」の2本の修正動議を提出しました。これまでどんな動議も反対が過半数でしたが、今回は修正案賛成と保留を合わせて支持が8割近くになったのです。組合員の意識は確実に動き出しています。
一人の非正規職の解雇撤回闘争から始まった闘う教組を甦らせる十有余年の闘いが、戦争が始まった時代の中で広範な労働者と結びつく時が来ました。時代と階級の怒りが背中を押してくれています。3労組アピールを広げ闘う労働運動を全力で甦らせる決意です。
国鉄闘争勝利へ
JRを絶対に法廷に引きずり出そう
動労千葉争議団 中村仁さん
30年以上前、国鉄は政府が生んだ膨大な赤字を口実に分割・民営化され、国鉄職員の3人に1人が首を切られました。これは労働組合の破壊を目的として、改憲と戦争まで突き進む新自由主義の攻撃でした。
これを打開するには団結して闘い抜く以外にない。動労千葉は2波のストライキを敢行しました。28名のスト解雇、12名の清算事業団整理解雇と大変な犠牲が出ましたが、動労千葉は団結を深め、今も闘い続けています。自分たちの決断は間違いでなかったと、今この瞬間も胸を張って言うことができます。時にはくじけそうになります。しかし、少しやせ我慢をして仲間を信じ団結すること、労働組合をつくることです。
私たちは30年以上に及ぶ闘いで、国家的不当労働行為の真実を明らかにしました。労働委員会は時効論で真実から逃げています。しかし、JR設立委員会は不当労働行為の基準を後から作り、私たちを採用名簿から外しました。その後、JRは一貫して採用義務を果たしていません。裁判は最終局面です。JR東日本の深澤社長、国鉄改革3人組の最後の生き残りである井手を法廷に出すことが絶対に必要です。署名運動の推進と12月23日の東京地裁への大結集を呼びかけます。
みなさん、先頭に立つ決意はできていますか。やればできる。労働者・市民・学生が群れて団結する。資本が一番恐れていることです。団結しましょう。時代は必ず動きます。心は一つです。闘いましょう。
合理化への最大の反撃は組織拡大だ
動労千葉書記長 渡辺剛史さん
JR職場においては、鉄道部門を4千人削減して、転籍や副業を促進するという激しい大合理化の攻撃が始まっています。JR東日本は、鉄道で働く労働者の職名をすべて廃止し、乗務員と駅業務、清掃や売店などと業務融合するという攻撃を進めてきました。乗務員区ではジョブローテーションの名の下に強制配転が相次いでいます。
矢継ぎ早に行われてきた攻撃は、この大合理化に向けたものでした。現場労働者に激しい労働強化を強制し、グループ会社に突き落として非正規化していく攻撃です。どこで、どんな業務をして働くのかも勤務指定ひとつで、会社の好きにできるようにする。そうなれば労働者の権利は壊されてしまいます。安全を破壊して、鉄道そのものを切り捨てていく攻撃です。絶対に許すことはできません。
現場では、生き残るためにゴマすりにはしる人や、やる気をなくしてしまう人がでています。会社の狙いは、現場労働者に自ら手を上げさせて協力させ、お互いを競争させることです。
そうではなくて、団結して闘うことが必要です。最大の反撃は動労千葉の組織拡大です。動労千葉への結集を訴えるためにも、闘う姿を見せていくことが必要だと思います。動労千葉はこの大合理化攻撃に断固反対を貫いて闘います。
戦争とめ歴史つくる
改憲・戦争阻止へ
(写真 各地の改憲・戦争阻止!大行進のメンバーがそろって登壇)
労働者が反戦の中心に
改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人 高山俊吉さん
ウクライナ戦争のまっただ中で行われる反戦集会、日本が再びの中国侵略戦争に向けた準備を強化している、そのもとで行われる反戦集会です。このような集会は他にない。どんなに重要な集まりに私たちが今集まっているかをしっかりと確認したいと思います。
私は戦争のことについてどうしてもお話ししたい。戦争は「どうして起こすのか」ととらえないといけない。自然に起きるものではない、誰かが起こそうとするんだ。「起こす」という言葉を使えば「どこで止めるか」ということになる。その脈絡で考えよう。
私たちがまずはっきりとさせなければならないのは、資本主義というのは必ず戦争に行き着くものなんだ、ということです。そういうとらえ方をしない戦争論は、「みんなの気持ちで戦争をやめさせよう」というような言葉で終わってしまう。これはダメだ。
多くの人々は、本当に戦争が起きる、ということになったときに、ものの考え方を変えることになる。リベラルと言われたジャーナリストで、「いや、一朝ことあるときには、私も武器を持って戦いますよ」と言った人がいる。それではいけない。誰が戦争を起こすのか、それを止めるのは誰か、ということをしっかりつかむことが必要です。
ウクライナの戦争について言うならば、「社会主義政権と対決する」ということでつくられた軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は、ソ連が崩壊した後にも、アメリカを盟主としてずっと続いた。
ソ連を中心とするワルシャワ条約機構は、ソ連崩壊の直前に消えた。しかしNATOはなんとソ連崩壊後も拡大・強化して、ソ連の後身のロシアを踏みつぶして蹂躙(じゅうりん)し、その資源的魅力と人的魅力をわがものにしようとして、戦いの先端を切らせたという構造がある。
だから、戦争に反対するものは労働者が中心になるという構造をしっかりと確認したいと思う。
今日も話の中で名前が出た葛西敬之は、2004年に「どこかで戦争が始まってくれないと、この国の経済は成り立たなくなる」と言った。葛西は国鉄分割・民営化の張本人です。
資本主義は労働者を搾取することによって成り立ち、搾取で利益を回収しきれないと考えたときに戦争を考える。労働者が反戦の闘いの中心にしっかりとその座を据える必要があるというのは、そういう構造・関係があるからだ。労働者は、この社会を労働者が主体となる社会に変える歴史的責任を負っている。
徹底的に闘おうじゃないか。この情勢を受けて立とう! 各部署で、各学園で、労働現場で、闘っている多くの仲間が私たちのすぐそばにいるということに深い確信を持とう。難しい局面は多々ある。なかなか乗り越えにくい壁もある。そのように見える。しかし、基本的な構造・関係はお話しした通りです。勝利は私たちにある。私たちに勝機はある。闘う仲間が一気に増える時が来る。
今日は多くの皆さんが国外から来て声を上げられた。国際連帯の力を固め、核戦争・世界戦争に向かわせないための、資本主義、そして帝国主義を打倒する闘いを、腕を組み肩を組んで闘い抜こうではないか。
戦時下の沖縄から労働組合の闘いを
沖縄/国鉄闘争全国運動 呼びかけ人 宮城盛光さん
私たちはベトナム戦争と70年闘争の中で2回のゼネストを闘い、全学連や反戦派労働者と共に帝国主義の世界支配を根底から揺るがしてきました。そこに星野文昭さんや大坂正明さんの闘いがありました。労働者には帝国主義を打ち倒し世界を変える力があります。
今、沖縄では米軍と自衛隊の共同・統合軍事訓練が相次いで行われ、戦争の危機が高まっています。空港や港湾を始め民間施設などの使用と戦争動員も始まっています。帝国主義戦争に対して労働組合が果たすべき役割が問われています。全ての軍事基地を撤去し、日米安保と戦争の根源である帝国主義を労働者階級の力で打ち倒しましょう。
地元の労組の中に横須賀闘争広げる
改憲・戦争阻止!大行進神奈川 船木明貴さん
安倍国葬反対!神奈川キャラバンは労働者・市民一人一人の怒りを呼び覚まし、結集軸となりました。戦争反対の思いは地域にあふれ、人々は行動と変革を求めています。横須賀での10・1空母母港化反対集会では「中国侵略戦争阻止、安保粉砕・基地撤去」の路線を鮮明に打ち出し、横田・木更津で闘う仲間や全学連と共に登場しました。
大行進神奈川や横須賀では、基地は侵略と人殺しのためにあることを暴露して横須賀闘争の決戦状況をつくり、必要な行動を地元労組、市民に提起し、反戦闘争に自治労、日教組の労働者一人一人を組織し、地元単組を中から変えていきます。軍事費2倍化反対署名への取り組みなど新たな怒りの結集が始まっています。共に闘いましょう。
核戦争会議=G7サミット粉砕へ!
8・6ヒロシマ大行動実行委員会 宮原亮さん
会場で「核戦争を許さない広島からの緊急アピール」を配布しました。バイデンもプーチンも核の使用をやめろ! ウクライナ戦争を今すぐやめろ!
この戦争の根本的原因は戦後世界体制と新自由主義の崩壊、資本主義の危機の爆発です。国鉄労働者を200人自殺に追い込んで分割・民営化を強行し、関生支部を警察権力を使って弾圧する。どれだけの労働者が新自由主義のもとで命を奪われてきたのか。こういう連中の国益のために、なぜわれわれが命まで差し出さないといけないのか。
来年のG7広島サミットは被爆地・広島を利用してロシアや中国に対する核戦争をやるための会議です。来年5月は広島に集まり、世界的な闘いとしてG7サミットを粉砕しましょう。
汚染水放出阻もう来春3・11福島へ
3・11反原発福島行動共同代表 椎名千恵子さん
つい先日、ウクライナのザポリージャ原発が砲撃による火災で外部電源を喪失し、原発と戦争は一体だと改めて思い知らされました。しかし岸田は原発推進に回帰しています。国とは人民の命や安心・安全、その生きる権利も尊厳も顧みない暴力装置としての本質をもっていると改めて確認し、転覆していかなければなりません。
国が狙う放射能汚染水海洋放出は「汚れた爆弾」投下そのものです。来春の3・11反原発福島行動、福島での行動と闘いが決定的に重要になっています。
民主労総の保健医療労組原子力病院支部長が、NAZENの「放射能汚染水を海に流すな」の署名に民主労総全体で取り組むことを提起すると約束してくれました。来年、ぜひ福島の3・11反原発行動に結集してください。
「戦争反対」を掲げ杉並区議選に挑む
杉並区議会議員/改憲・戦争阻止!大行進東京 洞口朋子さん
来年4月23日投票予定の杉並区議会議員選挙に再選をめざし立候補します。最大の焦点は「戦争」です。軍事費2倍化・大軍拡を許すのかどうかの決戦です!その決意を込めてポスターは「杉並から戦争とめよう」にしました。戦争と関係ない職場、大学、地域、議会はありません。労働者民衆が立ち上がれば戦争を止められると示す闘いとして全力で闘います。改憲と大軍拡を粉砕する労働者・住民の決起、職場・学園・地域での戦争反対の巨大なうねりを共につくり出しましょう。杉並区議会議員選挙、高槻市議会議員選挙・村山ゆうこさんの勝利を共に勝ち取りましょう!
大坂さんは無実だ11・27全国集会へ
星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議 星野暁子さん
星野文昭、奥深山幸男さんと共に1971年11月14日の渋谷闘争を闘った大坂正明さんの裁判が10月25日から始まりました。大坂さんの無罪・奪還を勝ち取りましょう。
星野文昭が殺されて3年半、国賠訴訟は重要な局面に入りました。その中で私は、獄死のない社会をつくりたいと改めて思うようになりました。それは、文昭がいつも言っていた「人間が人間らしく生きられる社会」です。資本主義社会を倒さなければなりません。
国が強制執行しようとしている市東孝雄さんの農地には文昭も分骨されています。渋谷闘争、国葬反対闘争のように、実力闘争で市東さんの農地を守りましょう。11・27星野・大坂集会に集まってください。
世界戦争阻む国際連帯
世界戦争阻む国際連帯ユン政権と対決し10万総決起闘争へ
韓国/民主労総ソウル地域本部首席副本部長 イヒョンミさん
10月29日にソウルで、ハロウィーンを楽しむためにイテウォンを訪れた20〜30代の青年たち150余人が死亡する事故が起こりました。青年たちの冥福を共に祈っていただければありがたいです。
韓国ユンソンニョル政権は労働改悪を本格化しています。ユン政権が発表した労働時間・賃金体系改編は「企業の利潤創出の手助けにならないことは全てなくせ」という内容です。より一層働き、より少ない賃金を与え、より簡単に解雇する道を開くということです。また弾力的勤労時間制・選択的勤労時間制拡大を進め、公共部門の民営化を本格的に推進しています。富裕層と財閥のための税金減免、庶民に対する福祉予算縮小が続いています。今日この場に集まった同志たちが政権の新自由主義労働政策と労働弾圧に立ち向かい闘ってきたように、韓国社会でも新自由主義攻勢に立ち向かう闘いが要求されています。
韓国社会では間接雇用・特殊雇用労働者に対する差別と不平等が日常になり、政府が労働者への構造的差別と暴力を放置・助長しています。スト労働者たちに対するとてつもない額の損害賠償請求がその例です。大宇(テウ)造船海洋や起亜(キア)自動車、ハイト眞露(ジンロ)は下請けや非正規職、特殊雇用労働者に巨額の損害賠償を請求し労働者の首を絞めています。
民主労総は、ストを無力化する手段として悪用される損害賠償仮差し押さえ問題を解決するために労組法3条改正を要求しています。また、労働者であるにもかかわらず資本と交渉する権限がない労働者たちがいます。労組法2条改正を通して非正規職労働者の結社の自由と団体交渉権を保障しろと要求しています。
民主労総は11月12日、「このままでは生きられない!労働改悪阻止!労組法2条・3条改正!民営化中断!チョンテイル烈士精神継承!2022全国労働者大会」を10万総決起闘争として成功させようと力を集中しています。ユン政権の労働改悪、反公共性の暴走を阻止し、全ての労働者が労働三権と労組活動を行う権利を保障されるように全力を尽くします。
加えて、民主労総ソウル本部は深刻化する気候危機状況で正しい転換のための気候正義運動を広げています。家が投機の手段になり、極端な住居不平等が蔓延(まんえん)する状況を打開しようと住居権を勝ち取る運動を展開し、病気になっても誰もが治療や相互支援を受けられる公共医療と公共介護の拡大を要求しています。また労働権の谷間に置かれた零細事業所労働者と全ての形態の非正規職労働者の労働権保障のための闘いを続けています。
動労千葉を始め、「労組なき社会」をつくろうとする労働弾圧、改憲と再武装化で戦争の脅威を高めようとする政権に立ち向かう同志たちの闘いに改めて敬意を表します。新自由主義と軍国主義に立ち向かい連帯してきた国際連帯運動を3年ぶりに再開できて大変うれしく思います。連帯し、労働者民衆の権利を勝ち取りましょう。
米日・NATOの侵略戦争とめよう
アメリカ/労働者党建設統一戦線委員会 スティーブ・ゼルツァーさん
アメリカでは12万人以上の鉄道労働者が、会社と政府に対するストを打つ可能性があります。スターバックス、アマゾンや病院を始め、全米の職場で何万人もの青年労働者が労働組合に結集しています。
米労働者は、米労働総同盟・産別会議(AFL―CIO)のような御用組合とも闘っています。ウクライナ戦争を支持するAFL―CIOは連合指導部と同様に資本主義・帝国主義を支えています。全ての労働者を守り、台頭するファシズムと闘う大衆的・民主的な労働者党が必要です。
アメリカの中国・ロシアに対する戦争推進、中国との戦争に向けた日本・韓国・台湾の軍事化を止めなければなりません。沖縄、韓国の米軍基地の閉鎖を要求します。12月2日には、NATOとアメリカのウクライナ戦争に反対する全国ストを組織するイタリアの労働組合S・I・Cobasの闘いに合流します。
米労働者は目覚め、青年労働者は、社会主義だけが自分たちに未来をもたらすと考えています。労働者の団結した行動を全世界でつくり出しましょう。
国軍の支援続ける日本政府許さない
在日ビルマ市民労働組合 書記長 マテンテンウさん
私たちは労働者であり、どの国にいても生活や未来のために働かなければいけません。働く人を奴隷のようにしている岸田政権のやり方を見直さなければいけないと思いませんか?
今、日本では外国人技能実習生として安い賃金で働かされる労働者が増えています。また、私たち在日ビルマ人は労働問題だけを抱えているわけではありません。現在ミャンマーで起きていることも忘れないでほしいです。ミャンマーでは、軍事独裁が毎日毎日国民を殺しています。軍を支援しているのは日本政府です。
避難民たちは森の中で、さみしさと寒さに耐えながら軍事独裁政権と闘っています。私たちは日本でこの闘いを支援しています。
私たちは団結という言葉が大好きです。団結しなければ、何も乗り越えることはできません。ミャンマー軍に今支援している政府開発援助(ODA)をやめてほしいです。軍はその資金で武器を買い、仲間たちを殺しています。絶対に許せません。止めるためには、皆さんの力が必要です。私たちに力をください。
職場・学園で闘う
ストで闘い医療・介護を取り戻そう
一陽会労働組合執行委員長 坪井静さん
一陽会労組は昨年12月、ストライキを頂点とする闘いでパワハラ解雇の通知を撤回させて勝利し、この過程で組合の組織拡大を実現しました。現場からストで闘ってこそ、闘う労働組合をよみがえらせ、医療・介護を社会保障として取り戻せるとつかみました!
6月に関西で開催された「地域医療交流集会」で、全国の医療・介護・福祉労働者は「医療と戦争は相いれない!」という鮮明なスローガンを確立しました。岸田政権は軍事費を2倍化するために社会保障は全部カットしようとしています。マイナ保険証の義務化を粉砕しましょう!
小池都知事は7月1日に、都立病院の独立行政法人化を強行しました。しかし、闘いはこれからです! この場に都立病院地域の仲間が「独法化されてもあきらめない!」と結集しています。医療・介護の現場から反戦の声を上げよう!
実力闘争復権させ巨大な反戦闘争を
全学連委員長 赤嶺知晃さん
全学連は今日に至る過程で全国で戦争反対を訴え、キャンパスで当局・警察権力とぶつかりながら闘ってきました。世界戦争・核戦争を絶対に許さず、岸田政権打倒へ闘い抜きます。
9・27安倍国葬粉砕闘争は、安倍政治を礼賛し全面的に継承するための国葬をズタズタに引き裂く決定的な闘いでした! 今日の集会にも当日武道館前で国葬反対の声を上げた若者が多く結集しています。この闘いはもう止められません。
全学連が復権してきた実力闘争は労働者階級自己解放の闘いそのものです。私たちは階級的労働運動潮流と連帯し、今秋そして2023年の改憲・戦争反対の闘いに全力で決起していきます。市東孝雄さんの農地取り上げを絶対に阻止し、大坂正明さんを取り戻すために全力で闘います!
全学連の新執行部も訪韓闘争に参加します。世界の闘いを経験し、日本においても巨大な反戦闘争をつくり出す決意です。