闘う労組の国際連帯で戦争止めよう 軍事貨物荷役の拒否を ILWU活動家が反戦の訴え
週刊『前進』04頁(3268号02面01)(2022/11/07)
闘う労組の国際連帯で戦争止めよう
軍事貨物荷役の拒否を
ILWU活動家が反戦の訴え
10月3日、国際港湾倉庫労組(ILWU)の活動家17人が「ウクライナ戦争を止めよう 軍事貨物荷役を拒否しよう」という声明を左翼誌「カウンターパンチ」で発表しました。元本部委員長マクウィリアム氏や11月集会に参加したローカル10(第10支部)のヘイマン氏らが名を連ね、ILWU本部と組合員に労働者の闘いで戦争を止めようと訴えるものです。抜粋して紹介します。(編集局)
ILWUは北大西洋条約機構(NATO)の戦争への動きを常に批判してきた。第2次世界大戦の終結以来、われわれは朝鮮、ベトナム、アンゴラ、セルビア(旧ユーゴスラビア)、キューバ、チリ、エルサルバドル、ニカラグアでの米国の戦争やクーデターに反対してきた。2008年のメーデーには、「イラクとアフガニスタンでの帝国主義戦争」(集会決議より)に反対するためにILWUは西海岸の全港湾を封鎖した。われわれは生産点において米国の戦争と南アフリカのアパルトヘイト政府に反対する行動をとり、チリとエルサルバドルの反共軍事政権への軍事貨物の積み込みを拒否した。
われわれはこの実績に誇りをもっている。この2月、国際港湾労働者協議会(の欧州部会)はウクライナ戦争の終結を呼びかける宣言を発した。ILWUもそうすべきである。
われわれは、国内では階級戦争に、そして海外では二つの資本主義政府間の戦争に直面している。アマゾンのジェフ・ベゾスや、オークランド港に球場を建設しようと画策するオークランドアスレチックスのオーナー、ジョン・フィッシャーといった億万長者の資本家と闘うために労働組合が組織化されている。
ミシシッピ州ジャクソンやミシガン州フリントの人々は清潔な飲料水を手に入れることができない。さらに悪いことに、黒人・有色人コミュニティは毎日、警察と入管当局による死のテロルに直面している。03年には警察がオークランド港で「戦争は利潤のためだ。労働者は戦争を止めることができる!」と叫ぶ反戦デモ隊に襲いかかった。
1967年、ベトナム戦争のさなかにマーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、米国を「暴力の世界最大の供給者」と呼んだ。アメリカは第2次世界大戦以来、永続的な戦争状態にある。米・NATOの侵略によって引き起こされたウクライナ戦争は、ヨーロッパ最大の原発であるザポリージャ原発の大規模な核汚染を悪化させる危険がある。そしてこの戦争は、ロシアとの核戦争、中国との第3次世界大戦につながりかねない危険な前哨戦だ。
ソ連崩壊後、ベイカー国務長官は、旧東欧圏の国々を加盟させることでNATOをロシア国境方向に拡大しロシアの安全保障を脅かすことはないと約束した。ロシアからの警告にもかかわらず、米国は、この合意を何度も破ってきた。
われわれはウクライナ戦争についてILWUの歴史に合致した立場をとる必要があると確信する。港湾労働者は国境を越え、この戦争を止めることができる。ロシアとウクライナの反動的で民族主義的な政府が戦争を止めることはない。
2014年、ウクライナでの米国主導のマイダンクーデターは選挙で選ばれた政府を転覆し、オデッサの労働組合本部ビルを焼き払って48人を殺害した。ネオ・ファシストのアゾフ旅団は、ドンバス地方に新たに設立された二つの共和国に発砲し、1万5千人以上の市民を殺害した。
しかもゼレンスキー政権はつい最近、法律5371を可決した。これはウクライナ労働者の70%が、労働協約締結の交渉をしたり使用者による労働者の解雇と闘ったりする労働組合を持てなくする反労組法であり、ウクライナ労働組合連盟が反対している。そしてゼレンスキーは戒厳令で、さまざまな反労組法制に労働者がストで抗議することを禁止している。
ILWUは戦争の終結を訴えなければならない。最も重要なのは、世界中の港湾労働者が軍事貨物の荷役を拒否するよう、国際港湾労働者協議会(IDC)と国際運輸労連(ITF)に港湾での闘争を訴えることだ。軍事貨物荷役を拒否する労働者の国際的な行動は、ウクライナ戦争を止めることができる。