誘導路裁判 成田機能強化は違法 新訴を併合し再出発

発行日:

週刊『前進』04頁(3267号04面05)(2022/10/31)


誘導路裁判
 成田機能強化は違法
 新訴を併合し再出発


 10月21日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で、第3誘導路裁判が開かれた。この裁判で三里塚芝山連合空港反対同盟は、国と成田空港会社(NAA)に対しB'滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(10年)という二つの変更許可処分の違憲・違法を追及してきた。
 そして反対同盟は新たに8月3日、現在進められるB'滑走路の再度の北延伸による3500㍍化、第3滑走路新設という施設変更許可処分(20年)の無効確認、および関連工事の禁止を求める訴えを千葉地裁に起こした。
 この新たな訴訟がこれまでの第3誘導路裁判に併合され、この日、最初の期日を迎えた。基本計画を無視して野放図な施設建設と敷地拡大を続ける成田空港建設のこれまでと今を問う裁判として、再スタートを切ったのだ。
 反対同盟顧問弁護団が、訴えの趣旨を述べた。
 国(国土交通省)は1966年当時の空港の「基本計画」を改訂し、機能強化に向けて「B滑走路北延伸、第3滑走路新設、敷地面積を2297㌶に拡大」などの施設変更を許可した。この許可は無効だ。すでに北延伸のための東関道付け替え工事が始まっているが、これら機能強化に関連する一切の工事を直ちにやめよ。航空法第39条で定める空港設置計画の条件に反し、環境影響評価法にも違反し、シカゴ条約(国際民間航空条約)にも違反している。
 そして、この長大な滑走路を持つ空港が、岸田政権のもとで一大兵站(へいたん)基地、軍事空港として造られ使われようとしていることは、憲法第9条違反である。さらに憲法で保障されるべき環境権、生存権、営農権を踏みにじっている。飛行と関連工事一切の差し止めを求める!
 弁護団はさらに準備書面を陳述し、航空機騒音による住民の健康被害について厳しく指摘した。そして求釈明として「B'暫定滑走路はいつB滑走路になったか、両者の関係を明らかにせよ」「国はNAAに対し、騒音改善措置を命じているかを明らかにせよ」と突きつけた。
 次回期日は3月3日。市東孝雄さんの農地への強制執行を実力で粉砕しよう!
このエントリーをはてなブックマークに追加