団結ひろば 投稿コーナー
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初参加したデモが国葬反対
首都圏大学 工藤昭義
今回の国葬反対デモが私にとって初めてのデモ参加となった。これまでは参加の機会がなかったが、国葬反対の運動に関して、署名するだけでは不十分であるように感じたため、参加に踏み切った。
実際、国葬の開催自体を止めることはできなかったが、デモの参加者が声を上げ、意思表示をしたことには大きな意義があったはずである。
くだんの銃撃事件に際して、一時は安倍への同情が集まったのかもしれない。だから国葬の話が上がったときは、世間が冷静になったら開催を許すはずがないと思った。
しかし、パンドラの箱が開けられたことによって次々に旧統一教会の問題が明るみになり、問題視され、世論調査によって国民の半数以上が国葬に反対するというデータが明らかになっても、開催そのものに疑問を呈す議論がなされることはなく、うやむやにされてしまった。
政治家としての彼を国葬によって弔うことは、彼の数々の施策を賞賛することにあたる。可決されることはなかったが、安倍内閣の際には内閣不信任決議案が提出されていることからも彼の政治に賛否があったことは明白である。死によって生前の愚行が美化されるというのは異様なことである。だまされることなく戦争反対の声を上げていきたい。
全学連の新世代と国葬粉砕
全学連書記長 長江光斗
国葬とその先の戦争を阻止する闘いに立ちました。私が暮らす京都では、改憲・戦争阻止!大行進・京滋と全学連の共催で、このかん毎週のスタンディングを闘いぬきました。集めた署名を持ってきてくれる市民の方が継続的に参加し、普段自治会で一緒に活動している学生が飛び入り参加するなど、毎回のように新たな広がりがありました。国葬は戦争動員への道だとストレートに訴えたことで、京都を席巻しました。
国葬の直前には、東京に場所を移して連日の街宣に立ちました。足を止めた人に「国葬は戦争の問題だ」と訴えると「全くその通り」と言って、次々と署名に応じてくれました。そして、最近新たに全学連に入った学生が続々と決起し、マイクを握って訴えたことが印象的でした。全国から集まった新世代の学生が反戦闘争の先頭に立つ様は、これまでなかった規模でさらに多くの学生が立ち上がることを予感させました。
9・23―27闘争の過程では、多くの人々が国葬反対の行動に立ち上がっている状況に触れることができ、階級の熱の高さを感じました。その中で私たちが、国葬を戦争問題として訴え、階級的労働運動を闘う3労組とともに行動を打ち抜いたことは決定的です。
27日のデモでは私がコールを務めましたが、解散地点でラストスパートと思って声を張り上げていると、建物の影からデモ隊が途切れることなく出てきて、多くの飛び入りがあったと分かりました。「どこまで続くんだ!?」と驚き、息も絶え絶えになりながらコールを続け、うれしい悲鳴を上げていました。そして九段下交差点での抗議行動では、初参加や飛び入りの学生・青年が次々と発言し、私たちの運動が国葬や戦争に怒る人民の結集軸となっていることを実感しました。
この高揚感を京都に持ち帰り、11・6労働者集会へ、戦争反対で闘う学生の大隊列を登場させます!
シルバー労働者よ団結せよ
東京 伊集院 勉
「戦争だけは絶対にだめだ!」。シルバー人材センターで一緒に働いている高齢労働者に9・23―27国葬粉砕闘争を報じた「前進」を渡すと、九死に一生の体験をした東京大空襲の「地獄図」を語り始めました。猛火に包まれ黒焦げの遺体があふれる中で生き延びた記憶がよみがえったそうです。
そして彼は武道館に迫る学生や労働者の姿に感動し「こんな新聞があったのか」と喜んでくれました。戦争のための国葬絶対反対への共感の声でした。
私たちも労働者だ! 60代から90代まで働くシルバーセンターの会員は、個人請負とされて労働者としての権利を無きものにされています。一昨年春、コロナ対策と称して安倍首相は小中学校を一斉休校。働き場を失ったシルバー労働者は休業補償を求めて団結し、声を上げ始めました。
さらにばらばらの職場で働く会員たちが集まった会合で分かったのは最低賃金すら保障されていないということでした。労災事故も多発しています。以前は区職員がやっていた仕事が大半なのに、区とシルバーセンターは「皆さんは生きがいと健康のためにやっているのであり、労働者ではない」と強弁し続けました。しかし現実には皆、生活のために働いているのです。怒りを募らせたシルバー労働者は思いのたけを語り合い、具体的な行動に意気盛んに立ち上がっています。
戦争下の物価高騰が直撃し、シルバー労働者も団結して闘わなければ生きていけない時代に入りました。団結を固め11・6労働者集会に大結集しましょう。
アイヌ民族の遺品をかえせ
東京大学 松本 慎
10月3日、東京大学に対してアイヌ民族の遺品の返還を求める市民団体による要請行動があったという。
東大、京都大学、北海道大学など全国の大学は戦前から1970年代にかけてアイヌ民族から遺骨や副葬品を収奪・保管していた。それら遺品は2019年に「民族共生象徴空間(ウポポイ)」に一括収容された。
ウポポイ、そして政府のアイヌ民族政策は、一見多様性を装いながら、その実、日本帝国主義による侵略・差別・抑圧の歴史を隠ぺいする性格のものであり、大学によるアイヌ遺品問題は今日における新たなアイヌ民族抑圧国策の一端をなすものとなっている。
盗掘を行ってきた大学の当局は遺骨返還を求める団体からの要求に対して不誠実な対応をとり続けている。東大本部は関連部局に対する通達連絡において、要請行動団体を「自称アイヌ団体」と呼び、「出没」といった表現まで使っている。返還を求める人々を蔑視していなければ絶対にできない表現だ。
京大においても度重なる遺品返還要求に対して対応拒否し続けているが、大学執行部で返還反対を主張してきたのが現総長・湊長博である。湊は返還を求める市民団体に対して悪罵まで投げつけたと言われている。
昨今、大学当局は多様性を尊重することを謳(うた)うようになり、東大では「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を発表し、多様性の尊重・包摂に取り組んでいると主張する。だがそれらの内実は、アリバイ的に表面だけ取り繕って、国策に関わる部分、研究=金のためになる部分といった核心においては差別を維持するものにほかならない。
政府・大学当局の「多様性」キャンペーンの欺瞞(ぎまん)性を暴露し、差別・抑圧と闘い、人間解放という労働者・学生の歴史的使命を実現しよう。