大軍拡・戦争国会許すな 岸田打倒の反戦闘争を 10・20防衛省デモに立とう
大軍拡・戦争国会許すな
岸田打倒の反戦闘争を
10・20防衛省デモに立とう
9・23―27安倍国葬粉砕闘争は、日本労働者階級の戦争絶対反対の意思と岸田打倒の決意を全世界に示し、国葬にかけた日本帝国主義の思惑を完全に打ち砕いた。10月冒頭の朝日新聞社の世論調査では岸田政権の支持率は発足後最低の40%にまで落ち込み、不支持率が50%を超えた。追い詰められた岸田は10月3日からの臨時国会で、延命をかけて中国侵略戦争に向けた大軍拡と改憲に突進しようとしている。10・20防衛省デモを打ち抜き、11・6全国労働者総決起集会―改憲阻止!1万人大行進への大結集をつくり出そう。
戦時突入狙うJアラート
10月4日早朝、北朝鮮によるミサイル発射を受け、北海道や青森県、東京都の島嶼(とうしょ)部で全国瞬時警報システム「Jアラート」が5年ぶりに発出された。各人のスマートフォンには警告音と共に「建物の中または地下に避難を」というメッセージが届いた。北海道新幹線などを含めた鉄道や地下鉄も運転を見合わせ、テレビ報道はミサイル発射一色となり異様な空気がつくり出された。
衆参両院の本会議は北朝鮮を「最も強い表現で非難する」抗議決議を全会一致で採択。国会は総翼賛状態となった。岸田はこの機を利用して恐怖をあおり「国民保護」を叫び立て、戦時への突入を演出したのだ。
しかし、オスプレイなどの米軍機を航空法の規定すら無視して日常的に低空飛行させ、相次ぐ落下物や墜落事故で労働者民衆の命を脅かしているのは日帝自身ではないか! 北海道では10月1日から2週間、中国侵略戦争のための「遠征前進基地作戦(EABO)」を想定した陸上自衛隊と米海兵隊の共同訓練「レゾリュートドラゴン22」が行われている。7カ所の演習場などを南西諸島に見立て、オスプレイを道内全域で展開する危険極まりない訓練だ。米帝がウクライナに供与している高機動ロケット砲システム「ハイマース」の実弾射撃訓練も予定され、住民からは「戦争のための訓練をやめろ」という怒りの声が上がっている。
そもそも北朝鮮のミサイル発射は、米帝が中国侵略戦争に踏み出し、世界戦争を切迫させている中で引き起こされた。9月26~29日に米韓軍は日本海で約5年ぶりの大規模な米韓合同軍事演習を行った。ここには横須賀を母港とする原子力空母ロナルド・レーガンも参加。さらにハリス米副大統領が「韓米同盟の強さを示す」として29日に訪韓、北朝鮮との軍事境界線を訪れた。30日には朝鮮半島東岸沖での対潜水艦訓練に海上自衛隊の護衛艦も参加した。10月4日のミサイル発射後には直ちに航空自衛隊と米軍が戦闘機12機を展開。米韓軍は朝鮮半島西側の黄海で精密爆撃訓練を実施した。さらに5日から米空母ロナルド・レーガンが極めて異例となる再展開を日本海で行った。
軍事演習=戦争挑発を繰り返し、「有事」をつくり出しているのは米日帝だ。
軍事最優先する所信表明
16億円超を投じた安倍国葬は、約2万人の警察権力と1400人近い自衛隊員を動員し、戦争国家化のための儀式として強行された。銃剣を携えた儀仗(ぎじょう)隊が入場し、黙禱(もくとう)では音楽隊が戦前からの軍歌を演奏。岸田は弔辞で、安倍が「自由で開かれたアジア太平洋」構想の原型や米日豪印4カ国(クアッド)の枠組みで中国包囲網を形成したことを称賛し、安倍政治継承の意思を示した。とりわけ岸田は、安倍が「憲法改正に向けた大きな橋を架けた」などと語り、霊前で改憲を誓ったのである。
だが、改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ3労組の動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同と全学連を先頭とする労働者民衆の怒りが爆発し、国葬はずたずたに粉砕された。この闘いをさらに発展させ、改憲・大軍拡を狙う岸田政権打倒へ立ち上がろう。
岸田は3日の所信表明演説で冒頭から「防衛力の抜本的強化」を宣言し、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と強調。「抑止力と対処力の強化」と繰り返した。統一教会問題で追い詰められているからこそ、ますます改憲・戦争に突進しているのだ。
岸田は演説で「防衛力の5年以内の抜本的強化」のための財源の確保を進め、予算編成過程で結論を出すと述べた。すでに軍事費の国内総生産(GDP)比2%化に向け、2023年度から5年間の総額で40兆円超を計上しようとしている(関連記事2、3面)。
年末の国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の安保3文書改定は、中国侵略戦争の発動に向けた具体的な攻撃だ。岸田は国家安保戦略に「反撃能力(敵基地攻撃能力)」保有と併せ、安倍が14年に策定した「防衛装備移転三原則」に基づき国主導で武器輸出を進める方針を明記しようとしている。
国会開会に先立つ9月30日には防衛費増額を議論する有識者会議の初会合が開かれ、岸田は「官民の研究開発や公共インフラの有事の活用」を挙げて戦時体制強化を主張。同会議は省庁横断の「国防関係予算」創設を提言するという。
そして岸田は、所信表明で国会の演説としては初めて改憲の「発議」に触れ、国会での議論を促した。また原発再稼働と新増設も改めて宣言し、核武装―核戦争へ向けて踏み込んだ。労働政策については、「労組なき社会」化攻撃を推し進めながら「なぜ日本では長年にわたり大きな賃上げが実現しないのか」などと述べ、「構造的な賃上げ」を掲げた。その中身は「労働移動円滑化」と称する総非正規職化、解雇自由化と、さらなる労組破壊攻撃だ。コロナを巡り感染症法改悪による医療の国家統制、戦時医療化も狙っている。
いま労働者民衆に6699品目の値上げや医療費、雇用保険料の負担増などの社会保障解体攻撃が襲いかかっている。だが岸田は労働者民衆を犠牲にして「国難」を戦時体制構築で突破しようとしているのだ。
11・6労働者集会へ全力を
改憲・大軍拡の岸田打倒の闘いを、中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を阻止する大決戦として闘おう。安倍国葬に怒りを燃やして立ち上がったすべての人々を、10・20防衛省デモをはじめとする今秋反戦闘争に組織し、11・6労働者集会に総決起しよう。
連合は、芳野友子会長の安倍国葬出席によって完全に産業報国会化へとかじを切った。岸田も連合・芳野も労働者の敵だ。いまや連合内部からも怒りの声が湧き上がっている。戦争推進か、阻止か----労働組合の大分岐が始まっている。「新・戦争協力拒否宣言」を発した動労千葉や戦時型の労組弾圧と闘う関西生コン支部が呼びかける11・6集会にこそ、戦争阻止を貫く労働運動の再生の展望があることを訴える時だ。
ロシアでは予備役兵の動員に抗議し、徴兵事務所への襲撃や女性を先頭にした抗議行動が数千人の逮捕者を出しながら連日闘われている。数十万人が「私たちのきょうだいであるウクライナ人を殺すことなど、どうしてできるか」と怒り、動員を拒否して出国している。アメリカでは戦争と物価高=生活破壊と対決する労働組合の闘いが、バイデン政権を追い詰めている。
労働者の国際連帯を貫き、自国政府を打倒する反戦闘争は、社会を変革する闘いそのものだ。沖縄では辺野古新基地建設阻止の不屈の座り込み闘争が3千日を迎えた。戦争絶対反対の闘いを11・6労働者集会に集め、日本労働者階級の中国侵略戦争阻止の闘いを全世界にとどろかせよう!