革共同第29回全国委員会総会を開催 反帝・反スターリン主義の闘い貫き 中国侵略戦争・世界戦争絶対阻止を
革共同第29回全国委員会総会を開催
反帝・反スターリン主義の闘い貫き
中国侵略戦争・世界戦争絶対阻止を
革共同は8月、第29回全国委員会総会を開催した。29全総は、2月の第8回全国大会で選出された全国委員が結集し、全国委員会=党中央委員会と地区・細胞という革共同の党としての基本骨格を、さらにしっかりと打ち固めていく出発点となった。29全総はその冒頭、次の7点を総会の任務として確認した。①8回大会以降半年の実践を通した組織的前進の地平を踏み固め、8回大会路線のさらなる実践的深化・物質化に向かって全党を組織すること。②時代認識と中国侵略戦争阻止の反戦闘争論の一層の鮮明化。③安倍国葬粉砕・岸田政権打倒、中国侵略戦争阻止の9・23―27闘争を頂点とする今秋反戦闘争と11・6労働者集会組織化の全党的方針の確定。④8回大会に敵対し、解党主義的・反党的な活動を続ける「EL5派」と完全に組織的に決別すること。⑤今秋決戦から30全総に至る過程を党建設の意識的計画的推進の過程とすることを、全国委員会の指導責任として明確にすること。来年統一地方選挙が戦争情勢下の巨大な階級的政治決戦となることを見据え、東京・杉並区を決戦場に東京都委員会・西部地区委員会を先頭に闘いを開始すること。⑥中央労働者組織委員会の組織的再編を行い、「労働者党としての革共同」の責任機関として確立すること。⑦全国単一党建設へ突破すべき組織的課題の明確化。29全総は、秋月丈志書記長からの総会議案の提起と討議を経て、これら七つの任務を基本的に達成した。以下は採択された総会議案の要旨である。また総会での革共同議長・清水丈夫同志、中央労働者組織委員会議長・松丘静司同志の発言の要旨を3面に掲載する。
⑴戦争情勢と29全総の任務
2・24ウクライナ戦争開始直後に開催された革共同第8回大会から半年。この歴史的大会で提起され、討議され、決定された革命的時代認識と路線・方針の正しさは、現実の情勢の進展の中でますます明らかになっている。5・15―22闘争を頂点とする2022年前半の闘い、新・戦争協力拒否宣言を発した動労千葉を先頭とする国鉄決戦と7月国鉄集会、世界核戦争情勢と対決して闘いぬかれた8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、安倍国葬粉砕の各地での闘争、11・6労働者集会に向かっての職場・学園・地域での実践などを通して、8回大会の路線と方針は深化・発展させられてきた。
帝国主義の危機と中国侵略戦争―世界戦争情勢はいよいよ本格的に激化している。ウクライナ戦争は、アメリカ帝国主義を先頭とする帝国主義各国の軍事支援のもと、ウクライナ全土を戦場化し、人民をとてつもない惨禍にたたき込みながら、世界戦争・核戦争の火種をますます大きくしている。いまウクライナの、そしてロシアの労働者階級人民が真に求めていることは、この恐るべき殺戮(さつりく)と破壊の戦争の即時停止である。「今すぐ戦争をやめろ!」----これこそがウクライナ人民の叫びだ。
米帝をはじめとする帝国主義の兵器や資金に全面的に依拠して戦争を長期化・泥沼化させ、ウクライナ人民を地獄の戦場に投げ込み続けること、生活と生産の場を破壊しつくすこと、原発をも戦場としてウクライナばかりかヨーロッパ全土・全世界をも破滅させるような戦争を続けることは、断じて「ウクライナ解放」ではない。日本労働者階級の義務は、帝国主義と旧スターリン主義大国・ロシアのウクライナ争奪の戦争に反対し、何よりも自国政府・日帝の参戦を阻止し、反帝・反スターリン主義世界革命へプロレタリアートの国際的団結を呼びかけること、この方向に向かって真にウクライナ人民と連帯する国際反戦闘争を組織することである。
ウクライナ戦争の激化と一体的、相互促進的に、米帝の中国侵略戦争をめぐる情勢は、アジア・太平洋全域で激しく動いている。核空母「ロナルド・レーガン」などの軍事力の展開をバックにした8月2日のペロシ台湾訪問強行に続き、14日に米超党派議員団、25日には共和党上院議員が立て続けに台湾を訪問。22日には日帝も「日華議員懇談会」会長・古屋圭司らを訪問させた。秋の中国共産党大会を前にして中国スターリン主義が激烈に反発している中での、米帝と日帝の露骨きわまる挑発であり、台湾は米帝、日帝の「勢力圏」にあることを突きつける帝国主義的軍事外交そのものである。
6月末から8月4日まで行われた環太平洋合同演習「リムパック」に続き、米帝はこの8〜9月にかつてない激しさで対中国の大演習をアジア・太平洋全域で展開している。米韓軍事演習「ウルチ・フリーダムシールド」、米・インドネシア合同軍事演習「スーパー・ガルーダ・シールド」、オーストラリアでの多国籍空軍合同演習「ピッチ・ブラック22」、南西諸島島しょ戦を想定した日米共同演習「オリエント・シールド22」。これらすべてが本総会の最中に同時展開されている。
8月22日には中国侵略戦争への日本帝国主義の本格的大軍拡、「敵基地攻撃能力」保有、防衛費2倍化に向けた23年度防衛予算概算要求の全容が明らかになった。イージス艦への極超音速兵器を迎撃する中距離ミサイルの搭載、攻撃型ドローン導入、長距離巡航ミサイルの早期配備と量産(1千発以上配備)など、史上最大の5兆5947億円の概算要求の上に、金額を明示しない「事項要求」を100項目以上盛り込み、最終的には6兆円を超える大軍拡予算となるのは必至である。コロナ第7波のもと、8月だけで7千人超もの死者が出ている状況を前に、日帝・岸田は安倍国葬や大軍拡・戦争のための予算だけをがんがんつけている。戦争が始まってすべては一変し、戦争の論理・感覚が社会を覆い、戦争が一切に優先されているのだ。このような形でまさに米帝、日帝の中国侵略戦争は「すでに開始されている」。この「現実を見据え」、徹底的に暴露し(ちゃんと暴露すれば帝国主義が侵略戦争をしかけようとしていることははっきりする)、全労働者階級人民の時代認識とし、中国侵略戦争阻止=世界戦争・核戦争絶対阻止の闘いを革共同の責任でつくり出さなければならない。それは5・15―5・22闘争として決定的に開始された。そして9・23―27闘争の大爆発をもって一層本格的に発展させられなければならない。
7・8安倍銃撃は、日帝支配階級・国家権力の人格的中枢を撃ち抜くとともに、安倍を筆頭とする自民党と統一教会・勝共連合の反動的で腐り果てた関係を白日のもとにさらした。それは徹底的な反共・反マルクス主義のイデオロギーと暴力を振りかざした改憲・戦争攻撃、新自由主義反革命のおぞましい正体を暴き、日帝国家権力・自民党がとことんまで反労働者的反人民的存在であることを、もう二度と覆せないほどに明らかにした。しかも日帝・岸田政権は、コロナ第7波の中で、戦争下でのインフレと生活破壊が激しく進む中で、反動と腐敗の極致をなした安倍の国葬を国家権力の総力をあげて強行するというのである。日帝支配階級は、労働者階級人民の怒りがどれほど激しくとも、改憲・戦争攻撃の「司令塔」だった安倍をまつりあげる国葬を強行する以外にない。ここで折れたら日帝の改憲・戦争攻撃、中国侵略戦争参戦による延命の道は断たれてしまうからだ。
日帝は絶望的で凶暴な決戦に出てきた。そして膨大な労働者階級人民がかつてない怒りと行動に駆り立てられている。9・23―27闘争の歴史的爆発は今や不可避である。この時求められているのは、全人民の怒りと行動の先頭に立って闘う党の意識性である。何よりも安倍国葬攻撃の階級的本質が、労働者階級の怒りと闘いを暴力的に圧殺し大軍拡・改憲・中国侵略戦争に突撃する日帝・岸田政権の超反動、反革命であることを暴き尽くさなければならない。安倍国葬粉砕の9・23―27闘争を中国侵略戦争阻止、日帝打倒の歴史的闘争の始まりとし、反戦闘争を軸とする階級的労働運動の本格的発展をかちとり、11・6日比谷に労働者階級の大隊列を組織し登場させよう。そこに向かっての党としての任務を本総会で一層明確にさせよう。
⑵8回大会の路線と方針を原則的に貫き闘った半年間
5・15―5・22を頂点とする22年前半の闘いは、8回大会を準備した22年1・1アピールでの「階級的労働運動の軸に反戦闘争を据える」という転換的提起と、世界戦争が現実に始まった中でそのことをより一層明確にした8回大会の時代認識と路線の確立によって、意識的に闘いとられた。この党的主体的総括がきわめて重要である。
70年決戦の爆発は、1962年3全総―66年3回大会でかちとった路線と方針によって実現された。「70年闘争の最大の特色は、社会党・日本共産党既成指導部が60年安保闘争の時以上に後退し、いかにたたかうのかという方針も示せずに事実上の闘争放棄=裏切りの状態に陥るなかで、革命的左翼が70年安保・沖縄闘争として構想し、沖縄人民のたたかいを全身で受けとめ対応しつつ、たたかいの空前の高揚と爆発をかちとったことにある」(清水丈夫選集第4巻序文)。ベトナム侵略戦争、ドル危機としてあらわれた米帝の世界支配の動揺と危機を「戦後世界体制の根底的動揺の開始」としてとらえ、反帝・反スターリン主義世界革命の現実性をつかんだ革共同が、「闘争全体の提起者となり中軸的推進者となってたたかった」(同)、このことが日本階級闘争全体を根底から揺り動かした70年決戦の爆発(その頂点に星野文昭同志・大坂正明同志を先頭に闘われた71年11月決戦があった)を実現したのである。
われわれは26・27全総―8回大会を通して、新自由主義の大崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊の世界戦争への転化過程が、米日帝の中国侵略戦争として始まっているという時代認識を鮮明にさせた。そして「日本プロレタリアートと革命的共産主義の党に課せられた喫緊の任務は、日帝自身が最大の当事国である米日帝国主義の中国侵略戦争を阻止する反戦闘争への決起であること、この反戦闘争を階級的労働運動の軸にすえきる」(8回大会第2報告)ことを確認し、革共同の主導性、党としての責任において中国侵略戦争阻止の反戦闘争をつくり出すことを決断した。ここから5・15沖縄闘争を決戦的に闘いぬき、続いて5・22全国闘争を設定し、全学連を先頭とするヘルメット・スクラムデモという一定の戦闘的実力闘争的形態をもってその成功をかちとった。8回大会の路線・方針のもとに、革共同が「闘争全体の提起者となり中軸的推進者となって」、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を日本階級闘争の基軸的闘争に押し上げていくということが本格的・具体的に開始されたのである。
この党の決断、提起、決起が、新・戦争協力拒否宣言を発した動労千葉、3労組を先頭とする階級的労働組合、大行進運動などの大衆運動と完全にかみ合い、その相互作用を現実につくり出してきたことも決定的である。コロナ下での必死の格闘の中でつくりだされた医療労働者の「医療と戦争はあいいれない」ことを明確にした路線、8・6広島闘争の中から発せられた教育労働者の戦争協力拒否宣言など、反戦闘争を軸とする階級的労働運動は全産別・職場で物質化されてきている。
⑶戦争の階級的本質を暴き米日帝の中国侵略戦争阻め
帝国主義の末期的危機と矛盾の爆発としての中国侵略戦争の暴露と、中国侵略戦争阻止闘争論の党的・全階級的確立は、われわれの喫緊の課題である。夏季アピール(本紙3255号)第2章で提起した「米帝の対中対決と全帝国主義を動員した中国侵略戦争(中国スターリン主義を帝国主義的に包囲し体制的につぶす戦争)が現代世界の矛盾の爆発、すなわち『新自由主義の大崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊』の中心軸に座っている」「ロシア―ウクライナ問題も大きくその中にあるということを明確にすることが労働者階級にとって、決定的に大きな意味をもっている」という確認を、しっかりと全党的討議と実践の土台に据えきることが重要だ。
ゼレンスキーを称賛する日本共産党スターリン主義、帝国主義者以上に「プーチン弾劾」「ロシア非難」を叫ぶことを「反スタ」とするカクマル、そして「左翼」を自称する国内外の諸党派が「ロシア・プーチンの侵略戦争弾劾」を前面に掲げている。彼らの「ウクライナ反戦」はどんな言い訳をしようとも、米帝や自国政府と一体となって「プーチンの戦争」「ロシアによる侵略」を「弾劾」し、米帝を中心とする帝国主義各国(日帝も含む)のゼレンスキー政権への軍事支援と侵略戦争を尻押しするものでしかない。これこそが今現に進行している「第2インター崩壊」情勢である。だがわれわれは、反帝・反スターリン主義世界革命を完遂する階級的立場から、ウクライナ戦争の本質を「プーチンの戦争」ではなく何よりも「米帝の戦争」として暴露し明確にしてきた。
このウクライナ戦争の階級的本質と労働者階級の立場を鮮明にするために、レーニンが第1次帝国主義世界戦争勃発直後に出した戦争に対する立場を再確認したい。
「市場の争奪と他国の強奪、国内のプロレタリアートと民主主義派の革命運動を阻止しようとする志向、あらゆる国のプロレタリアを愚弄(ぐろう)し、分裂させ、粉砕し、ブルジョアジーのために、ある国の賃金奴隷を他の国の賃金奴隷にけしかけようとする志向----これが戦争のただ一つの現実的な内容であり、意義である」(レーニン全集第21巻「ヨーロッパ戦争における革命的社会民主主義派の任務」)
「あらゆる国の政府とブルジョア政党が数十年にわたって準備してきた、ヨーロッパ戦争が勃発した。先進諸国の資本主義の発展の最新の帝国主義的段階における軍備の増大、市場獲得闘争の極度の激化、もっともおくれた東ヨーロッパの諸君主国の王朝的利害、これらは不可避的にこの戦争へ導かずにはおかなかったし、また実際に導いたのである。他国の土地を奪い、他国を征服し、競争国を没落させ、その富を強奪し、ロシア、ドイツ、イギリスその他の国の国内の政治的危機から勤労大衆の注意をそらせ、労働者を分裂させ、その素朴さにつけこんで民族主義であざむき、プロレタリアートの革命運動を弱めるために労働者の前衛を皆殺しにすること、----これが、今日の戦争のただ一つの現実的な内容であり、意義であり、意味である。社会民主党は、何よりも、戦争のこの真実の意義を明らかにし、支配階級である地主とブルジョアジーが、戦争を弁護するために流布しているうそ、詭弁(きべん)、『愛国主義的』言辞を、容赦なく暴露するという義務を負わされている」(同「戦争とロシア社会民主党」)
ここに書かれてあることは何一つ古くない。現代でも基本的に百パーセントあてはまるし、現在の戦争の本質を「容赦なく」暴露し、宣伝・扇動する基準となる。なぜなら、17年ロシア革命によって世界革命の過渡期は始まったが、それがスターリン主義の発生によって反動的に固定化され、米帝を基軸とする帝国主義体制は基本的に延命し、今日に至るまで世界支配を貫徹しているからである。戦争の危機はこの帝国主義の危機から生じている。いま米欧日の帝国主義は、2008年リーマン・ショックを契機とする大恐慌から根本的に立ち直れないまま、コロナ×大恐慌―新自由主義大崩壊に突入し、例外なく政治的・経済的危機の中にあり、労働者階級の怒りと闘いの爆発に脅え、そのために国家主義、愛国主義をあおり、労働者階級を分裂させ、その怒りを外の「敵」に向けさせようと必死である。
最も激しい危機にあるのが基軸帝国主義・米帝である。連邦準備制度理事会(FRB)の超緩和政策も限界に達し、階級矛盾・対立がますます非和解化し、「トランプ党」と化す共和党とバイデン民主党の対立に示される支配階級の分裂も激化していく中で、米帝は世界支配崩壊の危機に直面している。ここから米帝は自らの体制の存亡をかけ、最後に残された「強み」である異常に発達させた軍事力を振り回し、中国スターリン主義をたたきつぶす戦争に踏み出したのだ。この中国侵略戦争―世界戦争の中にウクライナ戦争も組み込み、中ロの連合を粉砕しようとしている。そして対中国、対ロシアの戦争・世界戦争に他帝国主義を動員することで、独仏帝や日帝に対する争闘戦を貫徹しているのである。
「旧スタ」「残存スタ」
このような戦争を仕掛けてきている米帝および帝国主義各国に対して、プロレタリアートの国際的な反戦闘争を呼びかけて世界革命を対置するのではなく、核を含む反人民的な軍事的対抗と戦争を対置し、結局は帝国主義の軍拡と戦争に格好の口実を与え、世界戦争の危機にさおさしているのが残存スターリン主義・中国であり、旧スターリン主義のロシアである。われわれは現在の戦争における米帝・帝国主義の圧倒的主導性を暴露し、この帝国主義の打倒に向かって反戦闘争を闘う。同時にこの帝国主義を打倒する世界革命に一貫して敵対し、帝国主義の軍事力・核に同じ軍事力・核をもって対抗して世界戦争・核戦争を促進している残存スターリン主義、旧スターリン主義を弾劾し、打倒しぬかなければならない。
ここで「残存スターリン主義・中国、旧スターリン主義・ロシアはすでに資本主義化、帝国主義化しているのではないか」というとらえ方について、一言述べておきたい。このとらえ方の根本的な問題性は、それがスターリン主義の問題を「過去の問題」にしてしまっていることにある。旧スターリン主義・ロシアについて言えば、ソ連崩壊から30年以上が過ぎているが、スターリン主義体制下で蓄積された巨大な矛盾(依然として大きな国有経済・国営企業の停滞、それにまとわりつく旧スターリン主義官僚の腐敗と経済の私物化、さらに民族問題など)は、何も解決していない。それどころかそのスターリン主義の矛盾は、1990年代以降、米帝などの帝国主義の資本と新自由主義的民営化の手法を導入したエリツィンの「資本主義化」政策とその破産によってさらに増幅され、金融危機、ハイパーインフレ、大失業、飢餓など社会的・経済的な大混乱を引き起こした。この崩壊と混乱を、旧ソ連において形成された軍事・治安機構の暴力で強権的に抑え込み、大ロシア主義的排外主義・愛国主義の鼓吹によって人民を支配するプーチン体制が成立した。だが、このプーチン体制は、スターリン主義とその崩壊が生みだした経済的・社会的危機と矛盾を根本的に解決することは決してできない。資本主義を否定し打倒したロシア革命の反動的疎外物として成立したスターリン主義を根本的にのりこえる道は、歴史をロシア革命以前に「逆転」させること、資本主義(それは「死滅しつつある資本主義」「プロレタリア革命の前夜」としての帝国主義なのだ)に「戻る」ことではなく、反スターリン主義の第二革命・世界革命の貫徹によって歴史を真に「前進させる」こと以外にない。
世界史は「ロシア革命以前」には戻らない。われわれが生きている現代世界は、依然として17年ロシア革命をもって始まった「帝国主義から社会主義への世界史的過渡期」という時代に根本的に規定され続けている。このことをあらためて確認し、反帝・反スターリン主義世界革命を完遂する実践的立場、そして第二革命の主体であるロシアや中国の労働者階級人民と連帯する立場から、この旧スターリン主義、残存スターリン主義の問題についてさらにしっかりと対象化していこう。
国際的団結の拡大を
中国侵略戦争においては、ウクライナ戦争と同様に「専制国家・中国の侵略」「台湾の自由と民主主義を守る」といった帝国主義のうそ、詭弁に加えて、南西諸島・日本列島そのものが「戦闘区域」となることをめぐって「祖国の危機」が激しく扇動される。その中で中国侵略戦争阻止の反戦闘争を貫くのは、並大抵のことではない。しかし「戦争の真実の意義」、その階級的本質を明らかにし、「帝国主義戦争を内乱へ」を貫いて勝利したレーニン・ボリシェビキのように闘えば必ず勝利する。この確信についてわれわれはいささかの揺らぎもない。
帝国主義の侵略と戦争を阻止できるのは、帝国主義を打倒するプロレタリアートの革命的闘争とその国際連帯のみである。われわれはこのことを在日中国人民・留学生らと連帯し共に徹底的に闘いながら、全中国プロレタリアート人民に呼びかける。すでにこの呼びかけは、5・22闘争への中国人学生からのメッセージに示されるように確実に届いている。中国での反スターリン主義の党の建設が今こそ求められているし、革命的な中国労働者学生人民はそれを必ず実現することを確信する。
台湾の労働者人民に対しても、いま現にウクライナで起きている事態と同じように、米帝や日帝の軍事的支援や参戦によって台湾の人民が中国スターリン主義から「守られ」「解放される」ことなど絶対にありえないことをはっきりと訴える。それは台湾が帝国主義の中国侵略戦争のための踏み台とされ、世界戦争・核戦争の戦場そのものとされ、徹底的に破壊され、人民が大虐殺されることにしかならない。米日帝の台湾に対する新植民地主義的支配(「安価な半導体」の供給基地)と侵略に反対し、反帝・反スターリン主義世界革命の立場から台湾と中国、全世界の労働者階級人民の国際的団結を呼びかけて闘うこと----この方向で闘いぬく限り必ず勝利する。
何よりも日本における中国侵略戦争阻止闘争の爆発、自国政府の参戦を内乱に転化し、日帝を打倒することこそ決定的であること、日本、中国・台湾、朝鮮、東アジアを世界革命の根拠地にすることが、今こそ現実的であることを確信して闘おう。
⑷9・23闘争の決定的意義
9・23―27闘争を「プロレタリアートの革命的行動への移行」を決定的に促進する闘いとして闘いぬこう。安倍国葬への怒りは満ちあふれている。9・27国葬は全人民的怒りで包囲され、埋め尽くされようとしている。9・23芝公園の全国総決起闘争の決定的意義は、安倍国葬が日帝の中国侵略戦争と改憲に向かっての攻撃であることを徹底的に大衆的に暴きつくし、3労組―改憲・戦争阻止!大行進運動のもとに、最も階級的・路線的鮮明さをもって労働者階級人民と戦闘的学生・青年を組織し、中国侵略戦争阻止の反戦闘争の本格的爆発に向かって闘うことにある。この9・23闘争の路線性をもって、安倍国葬粉砕闘争を中国侵略戦争阻止・日帝打倒に向かってとことん階級的=大衆的に、戦闘的に爆発させていこう。階級的労働運動の一大飛躍をかちとり、11・6労働者集会に闘う労働者、労働組合の大隊列を組織し登場させよう。安倍国葬粉砕、弔意強制絶対反対・阻止の闘争は、とくに教育現場や自治体での決起をつくりだし、階級的労働運動を再生し組織する決定的チャンスである。真っ向から安倍国葬の反革命的目的を暴露し、弾劾し、絶対粉砕するということを訴えて実際の行動を起こしていくことが決定的である。
3労組アピールへの賛同を拡大しよう。動労千葉の新・戦争協力拒否宣言を武器として、反戦闘争を軸とする階級的労働運動と11・6集会への結集を全産別・全職場で組織しよう。動労千葉が全力で訴えてきた国土交通省検討会路線・国家大改造攻撃との闘いは、いよいよ全社会的な焦点となっている。全国で地域丸ごとの全人民的怒りを組織し、巨大な反撃をつくりだそう。戦争情勢は連合崩壊情勢、すなわち一方での「産業報国会化」と他方での現場からの怒りの反乱を激しく促進する。この情勢に大胆に切り込んで11・6集会に組織しよう。中国侵略戦争阻止へますます決定的になっている国際連帯闘争の発展をかちとろう。
⑸EL5派と組織的に決別日和見主義と非妥協で闘う
8回大会は、27全総決定を引き継ぎ、革命情勢を否定し階級的労働運動路線を拒絶したEL5派を「7回大会的空論主義の裏返し」としての「右翼日和見主義」と規定し、その本質を明らかにした。そして27全総決定を拒否し、東北地方委員会において反革命的組織指導を継続する井上に対して除名を決議した。だが井上らEL5派は8回大会の決定も全国委員と政治局の選出も認めないと公言し、まさに「メンシェビキ以下の解党主義・小ブル自由主義の惨状をさらしている」(夏季アピール)。レーニン・ボリシェビキは、メンシェビキの解党主義について1908年12月協議会で、「ロシア社会民主労働党の現存の組織を解消して、是が非でも、すなわち党の綱領、戦術、伝統をはっきり放棄するという代償をはらってさえも、それを合法性の枠内での無定形の結合体ととりかえようとする、一部の党内インテリゲンツィアの試み」と規定した(レーニン全集第17巻、12年プラハ協議会で再確認)が、これはそのままEL5派にあてはまる。
大会決定を拒絶する党員・組織が、革共同の構成員・構成組織として認められないのは当然である。EL5派は革共同から逃亡し、脱落していることを全国委員会として確認する。福島で3・11闘争の先頭に立った○人の革命的同志がEL5派と決別し、新たな福島県委員会を結成した。全国委員会は、新生福島県委員会を福島における革共同の唯一の構成組織として確認する。
革命情勢の否定と階級的労働運動路線の拒絶を出発点とするEL5派の情勢分析は、レーニン帝国主義論の解体であり、「ロシア・プーチンによる侵略戦争」論であり、帝国主義の矛盾の爆発としての中国侵略戦争・世界戦争の否定である。「没落した米帝に中国侵略戦争、世界戦争なんかできっこない」という小ブルジョア的願望を「理論化」し、信念にまで高めているEL5派には、帝国主義打倒・世界プロレタリア革命を貫徹する、自国帝国主義を打倒する実践的立場がないのである。
EL5派は、安倍国葬粉砕・戦争阻止の9・23全国総決起闘争に対して「市民集会」を対置し、5・22に続いて中央政治闘争、国家権力との闘争から完全に召還・逃亡している。このようなEL5派が「革共同を再建する」などと叫んでいることを断じて許さない。全国委員会は、「第2インター崩壊」的転向を遂げ反革共同の反革命党派として延命しようとするEL5派を粉砕し、革共同から追放することを宣言する。
全国委員会は、福島に続き早急に宮城県委員会を再建する闘いに着手する。今もEL5派のもとにとどまっている全「党員」に対して、あらためて8回大会の諸決定に従う意思があるか否かを問い、その意思があることを表明した者のみを党員として承認する。
革命情勢を前にした革共同の26・27全総―8回大会的飛躍から脱落・逃亡したEL5派と、3全総路線の実践から逃亡した黒田・カクマルの本質は同じである。このことを一切のあいまいさなく見据え、戦争か革命かの時代に真に通用する党へと自らを打ち鍛えていこう。
⑹プロレタリア独裁権力をめざす革命党建設の推進を
世界戦争の開始=革命情勢で、レーニンが提起した革命党の三つの義務、①革命的暴露・宣伝・扇動、②プロレタリアートの革命的行動への移行の促進、③これらを実行できる革命的情勢に応じた組織=非合法党の建設、この全面的な適用、「ストレートな」実践こそ、現在のわれわれの活動の一切の基準である。
三つの義務の貫徹、そして3全総路線の今日的実践として、〈プロレタリア革命―プロレタリア独裁に向かっての〉反戦闘争を軸とする階級的労働運動路線はある。その実践の唯一の集約点は党建設、すなわち党細胞の拡大であり地区党の強化である。党と階級・大衆との、党と労働組合との生きた交通関係、相互作用、相互変革を実際に実現していく中でのみ、反帝・反スターリン主義のプロレタリア革命党建設の前進はかちとられる。戦争が現実に開始された中で反戦を貫くこと、資本主義の打倒に向かう階級的労働運動を実践することは、いよいよもってプロレタリア独裁を実現する意識性をもった党の媒介、党細胞の拡大、地区党の強化をぬきにしてはありえない。「階級的労働運動路線の貫徹と地区党建設はまさしく一つのものである」(2022年1・1アピール)。機関紙活動・機関紙拡大こそ党建設の決定的テコである。
反戦闘争、階級闘争全体をけん引する学生戦線の位置はますます決定的である。中央学生組織委員会建設のこの間の前進を確認し、さらなる強化をかちとろう。戦時下の一大政治決戦、党建設の決戦として来年統一地方選挙闘争を闘おう。中央指導部建設、党のための闘争を中央・地区党・産別・学生戦線で意識的・戦略的に推進しよう。加えて次の組織建設上の諸課題を確認したい。
①中央労働者組織委員会建設について。8回大会で全国委員会を本格的に再確立した地平から、中央労働者組織委員会はさらに決定的役割を果たしていかなければならない。中央労働者組織委員会は、全産別で激化する資本・権力との闘争と組織化の基本的方針を提起し、プロレタリア独裁に向かっての地区党を建設する強固な意識性のもとに全産業に産別委員会を形成し、職場細胞建設を推進する。とりわけプロレタリア革命の中核的実動部隊となる青年労働者の獲得、青年労働者のプロレタリア革命組織としてのマルクス主義青年労働者同盟建設に責任をとる。
②全国単一党建設に向けた中央指導の強化について。レーニン主義的中央集権の党建設のさらなる前進に向けて、地方委員会に対する中央指導の強化、中央と地区党・細胞を結ぶ「中間の党指導機関」としての地方委員会の建設を、中央と地方委員会指導部の団結と努力によってかちとっていかなければならない。
③女性解放組織委員会(FOB)建設、各地区での女性解放闘争の前進について。新自由主義大崩壊と戦争情勢で女性プロレタリア大衆への極限的矛盾が集中し、自己解放を求める根源的決起が開始され、資本・国家による女性の反動的組織化や戦争動員攻撃も激化している。女性解放=全労働者階級人民のプロレタリア革命への組織化へFOBの任務はますます決定的である。革共同の革命的女性解放闘争の原点の再確立、さらに党中央指導部への女性同志の一層の組織化が絶対に必要である。
④戦時下の反弾圧闘争、とりわけ星野闘争と一体の大坂裁判の決定的意義を確認し、10・25初公判からの連続的公判闘争に総決起する。
⑤地区党建設、学生運動の発展、宣伝・扇動の飛躍、国際連帯闘争、党本部の強化、反弾圧闘争、非合法組織のための闘いを保障する財政闘争の推進をかちとる。以上。
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EL5 2020年1月、東北地方委員会所属の全国委員(当時)5人の連名で出された階級的労働運動路線に反対する文書のこと。21年2月の27全総でその誤りが確認され、撤回すべきことが決定された。