耕作権裁判・デモ打ち抜く NAAと裁判所の結託に怒り

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週刊『前進』04頁(3258号04面03)(2022/08/29)


耕作権裁判・デモ打ち抜く
 NAAと裁判所の結託に怒り

(写真 耕作権裁判開廷前に、千葉市内を反対同盟を先頭にデモ【8月22日】)

 8月22日、千葉地裁民事第2部(本田晃裁判長)で、市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民70人は、結束して全力で闘いぬいた。
 開廷前に、千葉市中央公園に集合して太郎良陽一さんの司会で集会を開いた。
 最初に、東峰の萩原富夫さんが発言に立った。「この裁判は16年も続いているが、成田空港会社(NAA)は同意書、境界確認書を偽造した。作成過程を明らかにすることも拒否し、裁判所の反動判決に期待している。また、B滑走路の再度の北への1000㍍延長工事が始まろうとしている。これに対決する9・4現地闘争に集まってほしい」「地球温暖化の影響で大きな災害が起きている。気候変動を促進する空港拡張をやめろと訴える、新たな署名運動を開始したので、ぜひ集めてほしい」と呼びかけた。
 続いて動労千葉副委員長の中村仁さんが「成田廃港に向けた闘いを反戦闘争として貫く」として、連続する三里塚決戦を共に担う決意を表した。意気高くシュプレヒコールを上げ市内デモに出発。先頭の反対同盟宣伝カーは農地を守る訴えに加え、「安倍国葬を許さない」の声を繁華街に響かせ、沿道の注目を集めた。
 法廷は満杯で開廷し、弁護団はNAAの主張の矛盾を激しく追及した。
 そもそもNAAは、市東さんの耕作する南台の賃借地の位置特定を間違っており、そこから立論を行って論理が破綻している。
 また、NAAが自らの主張の証拠として提出した旧地主・藤﨑と市東東市さんの間に交わされたとする同意書と境界確認書は偽造文書だ。東市さんは1985年に脳梗塞(こうそく)を患っており、88年に書かれたとされる文書の力強い署名はとても本人が書けるものではない。
 これらの文書がつくられた経緯について、NAAが今年6月、7月に出した書面では、「南台農地の買収を担当していた3人ともすでに亡くなった。用地課長代理の上西の仕事のやり方は独特で、交渉記録等は存在しない」と言うのだ。
 見えすいた大ウソだ。空港公団は、あらゆる用地交渉の過程を詳細な報告書にしてきた(相手との雑談含む)。また、買収相手とは2〜3人で対応するよう定めていたのだ。88〜89年の職員名簿によれば、用地買収の実働メンバーとして十数人の名前がある。この中に南台の買収交渉に関わった者が必ずいる。弁護団はこれらの人々の安否・所在を調査し、生存者の陳述書を提出するよう要求した。
 この至極当然の要求に対しNAAの代理人4人は沈黙。本田裁判長は文書提出を促す努力を一切せずに、「NAAから認否反論が出るのを待つ」などとかばいだてした。あからさまなNAAへの肩入れに傍聴者や弁護団からは怒りが噴出し、廷内は騒然となった。
 裁判後には千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に市東さんがあいさつに立ち、「ああいう裁判官が偉くなっていくのが国策裁判。本当に許せません。今日のように裁判所、NAAを追い詰める声を一層強くぶつけてほしい」。続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が裁判を振り返り、今後も文書偽造問題を焦点に、裁判所との力勝負になることを全体で確認し合った。次回期日は11月28日だ。9・2新やぐら裁判控訴審判決、9・4現地闘争、10・9三里塚全国総決起集会に集まろう。
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