9・6〜7全学連大会へ 中央執行委員会が招請状

週刊『前進』04頁(3257号03面02)(2022/08/22)


9・6〜7全学連大会へ
 中央執行委員会が招請状


 全学連(全日本学生自治会総連合)が、9月6〜7日の第83回定期全国大会への参加を呼びかけています。中央執行委員会による招請状です。(編集局)

招請状
​ 全学連(全日本学生自治会総連合)は9月6〜7日、第83回定期全国大会を開催します。大会では、この激動の1年間を総括し、これからの方針をつくるために、全国から集まった学生で議論を交わします。学生の団結で共に戦争を止め、社会を根底から変えましょう。ぜひ参加してください!

 全学連は1948年に設立された全国の学生自治会の連合体です。そもそも学生自治会は、大学が戦争に加担したことへの真剣な反省のもと、敗戦後全国大学に成立しました。戦争中大学は軍事研究を行い、さらに学徒出陣により多くの学生を戦場に送り殺しました。戦争を二度と繰り返さないという誓いこそが全学連や学生自治会結成の原点であり、歴史的使命です。3度目の世界戦争が迫る今、全学連の真価が問われています。
 2月24日に勃発したウクライナ戦争は止まることなく、しかも米欧日の実質的な参戦により大国間の戦争の様相を呈しています。米日政府は同時に対中戦争に向けた準備を急速に進めています。
 5月23日の日米首脳会談はまさに対中戦争のための会談でした。日米会談後の記者会見で、米バイデン大統領は台湾有事への軍事介入を明言し、岸田政権は軍事費の国内総生産(GDP)比2%化=2倍化(5兆円増)を国際公約と宣言しました。また、国内的には南西諸島への自衛隊ミサイル基地建設と辺野古新基地建設に対する沖縄民衆の怒りを覆い隠し、沖縄から対中戦争を推進するものとして、岸田政権の肝煎(きもい)りで5月15日に「復帰」50年記念式典が行われました。「復帰」を謳(うた)う一方で、「基地なき沖縄」を実現するどころか基地強化と中国侵略戦争体制準備を本格的に行っているのです。
 また日本がウクライナ戦争の一方の当該であり、軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に初めて参加したのも歴史的事態です。NATOはロシアを公式に敵と規定した上で、中国に初めて言及し、「体制上の挑戦」を行っているとして、欧州での軍備増強と同時にインド太平洋地域を含むアジアへの活動拡大も合意されました。
 戦後世界体制の崩壊と新自由主義の破滅の中、岸田もバイデンも戦争を止めるどころか、国家権力延命のためなら人民を犠牲に世界戦争を展開することも辞さず、自ら戦後世界秩序を踏み越えているのです。

 全学連は、戦時下といえるこの一年の中で、数波の沖縄現地闘争を闘い、ウクライナ戦争反対、岸田政権の参戦反対を中心に据えて運動を展開してきました。中でも5月15日の「復帰」50年記念式典弾劾デモ、同22日の日米会談・クアッド(日米豪印4カ国、QUAD)首脳会合粉砕デモはその頂点たる街頭反戦闘争となりました。
 5月15日には沖縄で、全学連は「復帰」式典会場に迫るデモで岸田を弾劾しました。何より中国侵略戦争阻止、全基地撤去を訴えた沖縄での一連の反戦闘争により、沖縄の民衆の怒りと結びつくことができました。
 22日には日米首脳会談への怒りを叩(たた)きつける戦闘的なスクラムデモを行い、大弾圧を画策した警察権力をも圧倒しました。沿道ではミャンマー軍事政権反対を訴える在日ミャンマー人や、ロイターなどメディアからの注目を集めました。
 これら一連の行動は、戦争政策を絶対に止めるという決意を実力で体現していく出発点となりました。
 同時に京都大学では学生に対する不当処分撤回をめぐる闘いに学生が決起しています。6月3日には京大学生処分阻止・撤回全学集会が京大生を先頭に開催され、全学連も全力で連帯して開催されました。この京大生の闘いは、大学・教育さえも新自由主義化していく岸田政権に対する学生の反乱であり、社会も変え、戦争を止めていく攻防の最前線になっています。
 2015年の京大反戦ストライキ以来、学生の力に恐怖した京大当局は国家権力と結託し、大学改革や大学の戦争協力に反対する学生に退学・無期停学処分を下してきました。立て看板規制・課外活動規制・自治寮への廃療化攻撃などの自治潰しはこれと一体であり、抵抗勢力、邪魔者を排除して大学を国家権力の支配下に置くことが目論(もくろ)まれてきたのです。
 しかし、処分された学生を先頭に京大の闘う学生は京大当局と徹底対決し、処分撤回で声をあげました。多くの学生の共感と新たな決起により、ついには全学自治会再建を目指す運動に発展しています。大学も含め、新自由主義と戦争に全てが呑(の)み込まれるか、社会を根本的に変革するかが否応(いやおう)なく問われるこの時代において、全学連は、京大処分撤回闘争に勝利し、学生運動の力で学生自身の手に未来を取り戻そう、社会を根本的に変革しようと訴えます。

 最後に、安倍晋三元首相射殺事件の本質は、新自由主義の危機の時代にあらわれた「安倍政治」と呼ばれる新自由主義の極致、反動・腐敗と戦争の政治が、人民の怒りと憎しみをこの社会にあふれかえらせたことにあります。しかし、この安倍の死をも利用、英霊化し、岸田政権が治安弾圧強化と国葬を軸により一層の戦争国家化を進めるのは間違いありません。大会後まもなく9月27日に行われる安倍国葬を必ずや労働者、学生の実力で粉砕しようと訴えます。
 政治や社会に苦しめられている学生、労働者、民衆が自らの力を取り戻して社会変革に立ち上がることが、この新自由主義の破滅と戦争の時代に対する一切の回答です。自治会がある大学の学生もまだない大学の学生も、全学連大会で議論を交わそう! 共に闘おう! 学生のみなさん、全学連大会に集まりましょう!
 全日本学生自治会総連合
 中央執行委員会


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全学連第83回定期全国大会
 9月6日(火)、7日(水)
 *会場は非公開
 連絡先 mail_cn001@zengakuren.jp

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