田中宏さん講演・学習会 差別・抑圧の入管体制あばく

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週刊『前進』04頁(3253号04面04)(2022/07/18)


田中宏さん講演・学習会
 差別・抑圧の入管体制あばく

(写真 講演する田中宏さん)


 7月9日午後、渋谷勤労福祉会館での田中宏さんの講演・学習会に参加した。
 4月10日に神奈川公会堂で「労働者の団結した力で戦争をとめよう! 入管法改悪阻止! 入管体制解体! 第31回全国交流集会」が行われ、一橋大学名誉教授の田中宏さんが「『告発・入管体制』から考える50年」というタイトルで講演を行った。今回は、その時の資料とレジュメを使い、4・10講演をさらに深める立場から補足的な講演と質疑に時間を割いた「講演・学習会」として企画された。レジュメの「ヘイトスピーチと朝鮮学校差別、国連・人権条約機関の認識」「世界人権宣言(1948年12月)、人権の主流化、『植民地主義に伴う差別』」を切り口に講演が始まった。
 安倍が銃で撃たれて死亡した翌日ということもあり、安倍について田中さんがどういう風に切り出すかなと思いながら講演を聞いた。田中さんは高校無償化排除の最大の戦犯は安倍晋三だと述べた。2012年末に第2次安倍政権が誕生すると、2日後に下村博文文科相が朝鮮学校の排除を表明し、翌年2月20日に排除が断行された。民主党政権の看板政策としてあった高校無償化であったが、民主党政権は朝鮮学校についてだけ決定を先送りにしていた。それを安倍が、返り咲いたとたんに朝鮮高校を排除したのだ。朝鮮学校の高校無償化排除に道をつけたのが民主党政権であり、それを断行したのが安倍だった。
 続いて田中さんは石原都知事が枝川の朝鮮学校を提訴(03年12月)した問題、石原都知事・橋下大阪府知事が朝鮮学校補助金を不支給にした問題などを指摘し、「『国籍』という差別装置」「植民地主義に伴う差別」について言及していく。質疑も盛り上がり、田中さんが「脱線」という話の中に核心的なことがたくさんあり、3時間に及ぶ講演・学習会であったが、時間が足りなかった。
 会場で『「共生」を求めて 在日とともに歩んだ半世紀』(田中宏著 解放出版社)を購入したので、田中さんの著作を学習し、質問も用意して次回の「講演・学習会」に臨みたい。今秋、入管法改悪を絶対に阻止しよう。
(東京東部地域合同労働組合東部ユニオン委員長・小泉義秀)

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