成田機能強化中止せよ 第3誘導路裁判 訴えの変更申し立て
成田機能強化中止せよ
第3誘導路裁判
訴えの変更申し立て
7月8日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの農地を守り抜く気概に燃えてともに闘った。この日弁護団は準備書面44、45を陳述し、成田空港の基本計画違反問題と騒音調査問題で被告の国とNAA(成田空港会社)を追及した上、追い打ちをかけるように「訴え変更の申し立て」を行った。
その内容は、従来の請求【B´滑走路延長(06年)と第3誘導路建設(10年)の二つの施設変更許可処分の無効確認、B´滑走路と誘導路の使用禁止】に加え、「空港機能強化」として打ち出されたB´滑走路1000㍍再延長とC新滑走路建設の施設変更許可処分(20年)の無効確認、およびその工事の禁止を求めるものだ。
B´延長とC新設は、地域破壊の大暴挙であり、違憲・違法だ。着陸帯の幅が狭く、国際民間航空条約(シカゴ条約)に違反している。
空港の設置にあたって「他人の利益を著しく害することとならないものであること」を規定する航空法第39条にも違反している。建設工事から実際の運用にいたるまで騒音、振動、排気ガスが農家の営農と生活を著しく阻害する。
なにより成田は、アジアでの「有事」=戦争の際には米軍と自衛隊の一大兵站(へいたん)基地と化す。空港拡張は戦争準備体制の一環というべきであり、憲法第9条に違反する。
弁護団は住民追い出しと生活破壊の機能強化工事に対し、法廷で徹底的に争うと力強く宣言した。
10人も居並ぶ国とNAAの代理人は、不安げに視線を漂わせるばかりで変更申し立てに同意するかどうかもまともに答えられない。
次回期日は10月21日、次々回は来年3月3日と確認し閉廷した。
千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が発言し、空港廃港へ向けた攻勢的裁判闘争として「訴えの変更」を行った意義を解説した。
決戦本部長の太郎良陽一さんは、気候変動問題を前面に掲げた「空港拡張白紙撤回」新署名の拡大を訴え、機能強化工事と対決する9・4三里塚現地闘争への結集を呼びかけた。