避難者訴訟 最高裁判決に怒り 官邸前 反原発金曜行動
週刊『前進』04頁(3250号04面02)(2022/06/27)
避難者訴訟 最高裁判決に怒り
官邸前 反原発金曜行動
(写真 首相官邸に向かって避難者切り捨ての最高裁判決を弾劾【6月17日 東京・千代田区】)
「原発いらない金曜行動」が6月17日午後6時30分から首相官邸前で行われ、145人が「原発やめろ!」と声を張り上げた。
この日、最高裁は、福島第一原発事故で避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた福島(生業=なりわい)、群馬、千葉、愛媛の4件の集団訴訟の上告審判決で国の責任を認めない不当判決を下した。断じて許すことはできない。
集会冒頭、判決を受けて官邸前に駆け付けた「なりわい訴訟」原告団の男性がマイクを握った。「なりわい訴訟は地裁・高裁では勝利をかちとったが最高裁は不当判決となった。残念でならない。今日は800人を超える人が最高裁前に集まり、熱気に満ちていた」と報告し、「しかし、ここで負けるわけにはいかない。皆さんと共に全国の原発がなくなるまで福島県民はあきらめない。ともに頑張りましょう」と訴えた。参加者は「そうだ!」の声援と熱い拍手で応えた。
さらに、原発から出る高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)の最終処分場建設が狙われている北海道神恵内(かもえない)村で2月に行われた村長選挙に立候補した男性が、「人口800人の村民全員が親戚のような村で困難を極めたが48票獲得し、皆さんのおかげで核のゴミは絶対に許さないという意思表示ができた」と言い切った。
柏崎刈羽原発の再稼働に反対して県知事選挙を闘った新潟、泊(とまり)原発1〜3号機の運転差し止めを求めた裁判で勝利を実現した北海道からは、それぞれ勝利感に満ちたメッセージが寄せられた。
まとめを、呼びかけ人でたんぽぽ舎共同代表の柳田真さんが行い、「官邸前金曜行動は昨年6月に始まり今回で13回目となった。今日も非常に広い、中身の濃い発言が多かった。この場をつくって良かった。この豊富な中身を周りの人にも知って欲しい。一人がもう一人を誘い200〜300人の集まりにしよう」とさらなる飛躍を呼びかけた。
今回の金曜行動は、最高裁判決に即座に弾劾の声を発する場となった。判決は絶対に許せない。避難者たちは全国で約30の訴訟を闘っており、今回の最高裁判決はこれらにも大きな影響を与えるものとなる。
判決の根底にあるのは、中国侵略戦争に向かい核共有・核武装を狙う日帝の国家意思だ。そのために「原発も核も絶対反対!」という福島の闘いを圧殺しようというのだ。判決を絶対に許さず、避難者や311子ども甲状腺がん裁判を闘う6人の青年をはじめとする福島の労働者・漁民・民衆とともに打ち砕こう。