戦争と物価高に怒りの総反乱を 全世界で労働者が反撃に 反戦デモと賃上げストに立とう
戦争と物価高に怒りの総反乱を
全世界で労働者が反撃に
反戦デモと賃上げストに立とう
ウクライナ戦争の激化・長期化と物価高騰に対する労働者の怒りの総反乱が、全世界で一斉に始まった。4、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比9%に達したイギリスでは、6月21日、鉄道・海運・運輸労働組合(RMT)が賃上げや人員削減反対を掲げ1989年以来33年ぶりの規模となる4万人の大ストライキを決行し、ロンドンなど主要都市の鉄道の運行を一斉にストップさせた。英首相ジョンソンが「ストは自傷行為」「不必要で間違っている」などと罵倒したことが労働者の怒りの炎に油を注ぎ、闘いはさらに拡大する勢いだ。この決起に続き、日本でも闘う労働運動をよみがえらせよう。戦争と排外主義をあおる参院選の全反動を6・28新宿反戦デモでぶっ飛ばし、7・17国鉄闘争全国集会に結集しよう。
戦時下で革命的決起が拡大
「賃金ではなく利潤をカットしろ!」「鉄道を守れ!」----ボードを手にピケットラインの前に立つRMT組合員の表情は、誇りと解放感に満ちて実に晴れやかだ。RMTはさらに23日と25日にもストを予定し、要求が受け入れられないなら数カ月にわたるストをも辞さないとしている。すでにこの闘いは多くの労働者から圧倒的な支持と共感をもって迎えられており、「賃下げや労働条件悪化に怒る全てのイギリス労働者を先導している」(ミック・リンチRMT書記長)という。教育・医療・自治体などで働く労働者130万人を組織する公共サービス労働組合(ユニソン)も各支部が「ストを準備中」だと発表している。
戦争と物価高騰のもとでの怒りと闘いは全世界で拡大している。20日には、ベルギーの首都ブリュッセルで8万人の労働者が政府に物価高対策を要求してストライキとデモに決起、空港をはじめ国内の公共交通機関のほとんどをストップさせた。フランスでは、19日に投開票された下院議会選挙(決選投票)でマクロンを支える与党連合が100議席を失う大敗となり、左派連合は60議席から131議席へ躍進。極右「国民連合」も改選前の8議席から10倍以上となる89議席となった。労働者人民の怒りと闘いが高揚し、これに対抗する極右勢力も急速に台頭して内乱的激突へと突き進んでいった1930年代をほうふつとさせる状況だ。
新たな労組結成の波が広がるアメリカでは、物価高騰への怒りからバイデン政権の支持率は6月8日時点で4割を下回り、不支持率は58%となった。「プーチンの戦争によるプーチンの値上げだ」などという排外主義宣伝はもはや通用せず、労働者人民の怒りはバイデンと支配階級に向けられている。そのアメリカの「裏庭」と呼ばれる南米のコロンビアでは、19日の大統領選で元ゲリラ活動家のグスタボ・ペトロが当選し、同国史上初となる反米左派政権が誕生した。その根底にあるのは、政府の増税案に対する昨年来の抗議デモに象徴される広範な怒と闘いの広がりだ。
反政府デモが続くスリランカの最大都市コロンボでは、デモ隊の拠点のテントに市民からの寄贈書籍を集めた図書館がつくられ、「夜遅くになると、デモに参加する若者らがこの図書館に来て読書にふける。一番人気は、20世紀初頭に起きたロシア革命に関する本だ」と報じられている(6月14日付朝日新聞)。「パンと平和」を掲げて自国政府を打倒し労働者権力を樹立した1917年ロシア革命が、まさに今、青年をはじめとした世界の闘う労働者の中によみがえりつつあるのだ。
参院選の全反動ふき飛ばせ
日本の情勢も同じだ。岸田政権の支持率はじりじりと下がり続けているが、人民の怒りは世論調査で示される数字よりもはるかに深く広範に拡大している。
だからこそ、岸田・自民党は必死になって戦争と排外主義をあおり、ロシアや中国の脅威を叫びたてて、労働者人民の憤激が自分たちに向かないよう必死になっているのだ。そして実際に中国侵略戦争に向けた準備を急ピッチで進めている。5月28日には陸上自衛隊の国内最大の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が、V22オスプレイを初めて投入して行われた。南西諸島の離島奪還を想定し、水陸機動団の強襲揚陸、第1空挺団の降下による上陸、そして「増援部隊を受けて敵部隊を撃破」という一連の訓練の内容は、米海兵隊の対中国戦争計画である遠征前進基地作戦(EABO)に自衛隊が加わることを明らかに想定したものだ。再び沖縄を戦場にしようとする岸田の6・23「慰霊の日」式典出席には怒りがたたきつけられた。
参院選では自民党や日本維新の会が「防衛費増額」や「核共有」を叫び、立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組までもが「日本を守れ」「日本を沈ませないために」などと主張して、与野党がともに国家主義と改憲・戦争を競い合う醜悪な選挙戦を繰り広げている。だが、こんな参院選の全反動を土台から吹き飛ばす労働者階級の歴史的な決起が、今や全世界で拡大しているのだ。これに続く闘いを日本でも開始しよう。
ウクライナ戦争も、アメリカ帝国主義を中心とする北大西洋条約機構(NATO)によって準備された、「ウクライナを戦場としたロシアへの帝国主義戦争」であることが、本質的にも実体的にも明らかになっている。岸田は6月29〜30日のNATO首脳会議に出席し、この「対ロシア戦争」の事実上の参戦国として名乗りを上げようとしている。いま日本の労働者階級に求められているのは、全世界の労働者人民と連帯して、戦争に突き進む自国政府=岸田政権を打倒することだ。6・28新宿反戦デモでその突破口を開こう。
労働者自身の組織と闘争を
参院選を経て7〜8月は戦争と改憲をめぐるさらに激しい攻防となる。とりわけ8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、核戦争の危機がかつてなく高まる中での歴史的決戦だ。
6月17日、福島原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は「国に賠償責任はない」とする極悪の反動判決を言い渡した。同種の集団訴訟は全国で約30件(原告総数1万2千人以上)闘われているが、国の賠償責任を認める判決はすでに地裁・高裁合わせて12件出ており、「東電の報告を唯々諾々と受け入れ、規制当局に期待される役割を果たさなかった」(2020年9月、仙台高裁判決)と国の責任を厳しく非難して一審よりも賠償額を引き上げた例もある。だが今回の最高裁判決はこれらをすべて覆すものだ。
そこに示されているのは、核・原発をあくまで推進し、核武装・核戦争を準備し、そのために福島の怒りと闘いをなにがなんでも圧殺しようとする日帝の国家意思にほかならない。まさに福島圧殺と核戦争への突進は日帝にとって完全に一体の死活的課題なのだ。これに対し、核戦争情勢と対決してかちとられた3・11反原発福島行動22の大成功を引き継ぎ、8・6広島―8・9長崎闘争で怒りの反撃をたたきつけよう。
JRと国土交通省が狙うローカル線の廃線(=「ローカル線大虐殺」)は、戦争のためにすべてをつぎ込み、人々の命や生活が成り立たなくなってもかまわないという、万策尽きて大崩壊する新自由主義の実態を如実に示している。教育や医療の現場でも巨大な矛盾が噴出している。いま必要なのは労働者自身の組織と闘争だ。新自由主義を打倒する階級的労働運動を全国のあらゆる職場によみがえらせよう。それと一体で、労働者階級の革命党の強大な建設をかちとろう。
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岸田のNATO首脳会議出席を許さない!
6・28新宿反戦デモ
6月28日(火)午後6時30分 新宿アルタ前
午後7時 デモ出発
主催 改憲・戦争阻止!大行進東京
国鉄1047名解雇撤回!関西生コン支部弾圧粉砕!
国鉄闘争全国運動7・17全国集会
7月17日(日)午後1時30分
千葉市民会館大ホール(千葉市中央区要町1―1、JR千葉駅東口より徒歩7分)
■関連企画
7・16討論集会 「新自由主義を終わらせる労働運動の再生を」
7月16日(土)午後1時30分
千葉市文化センターセミナー室(千葉市中央区中央2―5―1、千葉中央ツインビル2号館)
呼びかけ 国鉄1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動