海自基地に米軍無人機配備計画 中国侵略戦争へ初の「攻撃機」導入狙う

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週刊『前進』04頁(3247号03面03)(2022/06/06)


海自基地に米軍無人機配備計画
 中国侵略戦争へ初の「攻撃機」導入狙う


 防衛省は5月27日、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)に米空軍の無人機MQ9を7月から1年間配備するため、同市役所で計画の説明を行った。
 話自体は今年1月ごろから浮上していたが、住民説明会は6月に行うなど、完全に結論ありきで進められている。米軍・自衛隊側すらまともな体制が整わない性急さで進められており、無人機の操縦・整備などで配置される150〜200人の米兵には、宿舎の用意もないために市内のホテルなどに宿泊することになっているお粗末さである。
 5月に防衛省が鹿屋市側に行った説明の資料では、中国を名指しして、これに対抗する「情報収集能力の強化」が目的だとされ、今年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)を踏まえた措置であることが明記されている。同じく2プラス2を踏まえて「決定」された、馬毛島(鹿児島県西之表市)での米軍空母艦載機訓練場および自衛隊の新基地建設と合わせて重大な事態だ。

イラク・アフガンで人民を大量虐殺

 防衛省は「情報収集」を強調しているが、今回配備される無人機MQ9は「リーパー」(死神)と呼ばれ、イラク・アフガニスタン戦争で多くの人民を虐殺した機体であり、要人暗殺にも使える。これまで米軍が日本に配備してきたRQ4やMQ4のような偵察機とも違う、「攻撃機」に分類される代物だ。MQ9の配備は日本では初となる。
 この計画は南西諸島を戦場とすることを前提とした遠征前進基地作戦(EABO=エアボ)と一体だ。本土への中距離核ミサイル配備とも一体で、沖縄を最前線として日本全体を戦場とする中国侵略戦争への準備こそが、今回の鹿屋航空基地への無人機配備の本質と見るべきだ。

「戦争のあり方」を一変させる新兵器

 現下のウクライナ戦争は「戦争のあり方を変えた」と言われるほど無人機が活用されている。アメリカはフェニックス・ゴーストなど自爆ドローンをウクライナに100機以上送り、軍事ドローンに限らず、市販の小型ドローンもロシア・ウクライナ双方が大量に偵察に使っている。第2次大戦以降、軍事における花形であった航空機は、ウクライナ戦争では存在感を薄めた。差し迫る新たな世界戦争において、無人機は戦局を左右するものになろうとしている。
 ゆえに、無人機、それも攻撃機が、南西諸島と隣接する鹿屋航空基地に新たに配備される意味は大きい。
 だがそれは、新たな矛盾を必ず引き起こす。米帝はイラク・アフガニスタン戦争における米兵の死傷者が広がるなかで、急速に無人機の配備を進めた。しかしその結果として、操縦者が戦場にいないことによる現地事情への無知と「ゲーム感覚」による無責任な攻撃が合わさり、誤爆を急増させてアフガン人民の怒りを一挙に買った。それは現地住民の懐柔などを通じてタリバンを孤立させようとした米軍の「対内乱作戦」(COIN)を破綻させ、ついに昨年、米軍はアフガニスタンからたたき出されるに至ったのだ。
 中国侵略戦争を許さず、戦争絶対反対で闘おう。
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