韓米日軍事同盟許すな 首脳会談うけ民主労総が声明
週刊『前進』04頁(3246号02面02)(2022/05/30)
韓米日軍事同盟許すな
首脳会談うけ民主労総が声明
(写真 5月14日、光州で開催された全国労働者大会。不平等打破を掲げ、韓米日体制による戦争を阻止する決意が語られた)
米大統領バイデンは来日に先立つ5月20日から訪韓し、ユンソンニョル大統領との首脳会談を行った。そこでは米が韓国に「核兵器を含む米国のあらゆる能力を用いて拡大抑止を提供する」と確約し、B52戦略爆撃機や原子力潜水艦、空母などの朝鮮半島への展開に関する協議が開始された。さらに、米韓同盟を朝鮮半島域外にも拡大する「包括的戦略同盟」に格上げし、この間縮小されていた米韓合同軍事演習の復活・拡大や、米日韓3国の緊密な軍事協力の推進で合意した。
これに対して民主労総(全国民主労働組合総連盟)は5月23日、「2018年の南北会談と米朝首脳の合意をほごにし、朝鮮半島の戦争リスクを高める合意だ。米中の軍事衝突の危機をも招く危険な合意だ」と弾劾する声明を発表。「特に今回の首脳会談で初めて登場した韓米日3国の軍事協力強化への言及に深刻な懸念を表す」とした。
米帝は東北アジアでの覇権を維持するために米日韓3国軍事同盟の形成と米韓合同演習への日帝・自衛隊の参加を要求し続けてきたが、韓国政府は拒否してきた。それをユンソンニョル政権がついに容認したことを弾劾したのだ。
そして、直後に訪日したバイデンが、アジア・太平洋を戦場にしたかつての侵略戦争を反省するどころか公然と居直っている日本帝国主義に対し、「ロシアと中国を牽制(けんせい)するという名分で自衛隊の拡張を容認し、日本の国連安保理常任理事国進出を支持したのは絶対に容認できず、韓米日軍事協力はありえない」と言い切った。
経済安保協力、インド太平洋経済枠組み(IPEF)への参加についても「中国を排除し、インド太平洋地域で米帝主導の新たな経済秩序を打ち立てるものだ」と断罪した。
民主労総は5月10日のユン新政権発足以前から、その本質は〈親財閥・反労働〉であり、「ろうそく革命」が切り開いた地平の反革命的転覆にあるとし、全面対決を宣言して闘ってきた。5月14日には光州市民が武器をとって軍事独裁政権と戦った1980年光州蜂起の精神継承を掲げて全国労働者大会を光州現地で開き、ヤンギョンス委員長が「民主労総の力で労働者の新時代を開こう! 韓米日体制を構築して戦争と葛藤を扇動する反統一勢力に立ち向かおう」と訴えた。
米韓・日米首脳会談とクアッド首脳会合を受けて、米日帝による中国侵略戦争、東アジアでの新たな戦争・核戦争策動に対する韓国労働者人民の怒りの爆発は不可避である。これと連帯し、日帝・岸田政権打倒へさらに闘おう。