バイデン訪韓 在韓米軍に核攻撃機 配備 米日韓軍事同盟形成を狙う
週刊『前進』04頁(3244号02面02)(2022/05/16)
バイデン訪韓
在韓米軍に核攻撃機 配備
米日韓軍事同盟形成を狙う
バイデンは来日に先立ってまず韓国を訪れて、5月10日に新政権を正式発足させたばかりのユンソンヨル大統領と首脳会談を行う。この米韓首脳会談は日米首脳会談と並んで、米帝が対中国を軸とする東アジアでの大戦争を構える上で決定的位置をもっている。
4月上旬にユンソンヨルが代表団を米に派遣して行われた米韓政策協議では、米韓同盟の「包括的戦略同盟」への格上げに合意するとともに、米側から重大提案がなされた。北朝鮮が核実験の再開に踏み切れば、米は核兵器を搭載できるB52戦略爆撃機や、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)搭載の原子力潜水艦、空母などを朝鮮半島に配備するというのである。
いまひとつの問題は、米日韓3国軍事同盟の形成だ。米帝が2015年に作成した朝鮮有事の作戦計画「5015」は、日帝の参戦と自衛隊の朝鮮出兵を前提にしている。だが、日本の軍隊を再び朝鮮半島に引き入れることは絶対に認めない、という韓国労働者人民の抵抗が大きな壁になっていた。米帝と日帝は、17年の「ろうそく革命」でパククネとともに打倒された反共保守勢力が再び政権の座についたのを契機に、この壁を一気に突き破ろうとしているのだ。
ユンソンヨル政権はすでに、ムンジェイン政権の対北政策、外交・安保政策からの全面転換を打ち出している。ユンソンヨルは大統領選の過程で、北朝鮮に対して先制攻撃をしかけることも辞さないとの考えを公然と口にしている。バイデンの訪韓は、北朝鮮スターリン主義の体制転覆を狙う作戦計画「5015」を、米日帝による中国侵略戦争という一層巨大な世界戦争計画の一環として再び始動させようとするものだ。しかもそれは、米帝による核戦争計画そのものとしてある。絶対に許してはならない。
韓国の労働者民衆は民主労総を先頭に、この新たな戦争攻撃と真っ向から対決する闘いを開始している。連帯し、ともに闘おう。