イタリアで戦時下のゼネスト 「武器を減らせ、賃金を増やせ」
週刊『前進』04頁(3242号04面03)(2022/05/02)
イタリアで戦時下のゼネスト
「武器を減らせ、賃金を増やせ」
(写真 「武器を減らせ、賃金を増やせ」。全国のさまざまな現場から労働者が駆けつけ声を上げた【4月22日 イタリア・ローマ】)
イタリアの労働者が4月22日、ゼネラルストライキとデモに立ち上がった。戦時下のインフレが進む中、賃上げ要求と並ぶ主要なテーマとして軍事予算の増額反対を掲げる闘いだ。
イタリア・ドラギ政権はロシアによるウクライナ侵攻後直ちに、ラトビアとルーマニアに駐留しているイタリア軍の連隊と爆撃機に加え、数千人の部隊と兵器をウクライナへ派遣・供給することを約束した。一方、労働者民衆はインフレと低賃金の直撃を受け生活を破壊されている。こうした中で「生活費高騰と戦争の政府」であるドラギ政権への怒りが爆発したのだ。
4月22日当日は、独立系労組USB(職場労働組合連合)による呼びかけに応えて交通、金属、物流、港湾などの労働者がストに突入。AGCや日本通運など日本企業の組合員も参加した。全国の労働者が首都ローマに結集して行った集会とデモには学生も大挙合流し、5千人の大集会となった。物流などの現場で働くアフリカや中東出身の労働者も多く参加した。
動労千葉と連帯してきたS・I・Cobas(職場委員会連盟)、USBを柱とするイタリアの独立系労組は、体制内的な既成3大労組に対して、名前自身が示すように自らを「職場に基礎をおいた」「戦闘的労働組合」と呼んでいる。この間、新自由主義攻撃に対してストライキなどの実力闘争を展開するとともに、自国政府のウクライナ戦争への加担・参戦国化を許さない闘いの最先頭に立っている。3月には、ガリレオ・ガリレイ空港で労働者がウクライナへの武器・弾薬の輸送を摘発・阻止した(3239号既報)。
5月22日にもゼネストを予定しており、学生運動をはじめ広範な市民運動を含めた反戦闘争の拡大を追求している。
S・I・Cobasは、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2月24日に「帝国主義の戦争に反対、労働者の統一戦線を」と題した声明を発した。そこでは「われわれはイタリア軍の外国からの撤退、軍事予算の削減を要求する」「われわれは北大西洋条約機構(NATO)にもヨーロッパ軍構想にも無条件で反対する。戦争反対のデモに立とう。戦争は、資本家どもが彼ら自身の利益のためにプロレタリアを互いに戦わせ、大砲のえじきにするものだ」と、労働者国際連帯を貫く立場を鮮明にしている。
イタリアの労働者と連帯し、職場から戦争絶対反対の闘いを巻き起こそう。