革共同の春季アピール 第3次世界大戦・核戦争の危機を 反帝反スタ世界革命に転化しよう 日米会談・クアッド粉砕5・22大闘争へ
革共同の春季アピール
第3次世界大戦・核戦争の危機を
反帝反スタ世界革命に転化しよう
日米会談・クアッド粉砕5・22大闘争へ
はじめに
ウクライナ戦争は2月24日の開戦から2カ月を経て、完全に新たな段階に突入した。プーチンはキエフ攻略失敗と黒海艦隊旗艦「モスクワ」の撃沈という重大な軍事的敗北を受け、なんとしても「対独戦勝記念日」の5月9日までに東部・南部の「完全制圧」を達成しようとドンバス周辺に兵力を集中し、第2次大戦以来ともいうべき地上戦を準備している。対するアメリカ帝国主義・バイデン政権は、これを「停戦」させるつもりなどまったくなく、続々とウクライナへの追加軍事支援を打ち出しつつ、米帝にとって「最大の敵」である中国との戦争に向けて準備を加速させている。今、われわれの眼前で進行している事態は、新自由主義の大崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊が史上3度目の世界戦争・核戦争へと転化する過程にほかならない。この中で日本帝国主義・岸田政権は、帝国主義としての存亡をかけて改憲と大軍拡、日米安保の大転換、中国侵略戦争への参戦へと凶暴に突進しているのだ。
こうした情勢のただ中で、米大統領バイデンが5月20~24日、韓国と日本を訪問することが発表された。これに伴い東京で開催される日米首脳会談と日米豪印4カ国(クアッド)首脳会合は、昨年の日米会談をも上回る歴史的な帝国主義戦争会議となる。これに対し、労働者階級の怒りの大反戦デモをたたきつけなければならない。
ウクライナで始まった戦争が世界戦争・核戦争へと転化しつつある今、この破局から人類を救い出し、一切の戦争と搾取・抑圧から全人間を解放できるのは、帝国主義とスターリン主義を打倒するプロレタリア世界革命だけである。革共同は、2月に開催した第8回全国大会でこのことを明らかにし、またそれをついに実現すべき時代がきたことを宣言した。全党は8回大会路線で武装し、5月日米会談・クアッド会合を徹底弾劾し粉砕する首都東京での5・22大反戦デモの爆発をかちとるために、ただちに全国の職場・学園・街頭での宣伝・扇動と組織戦に全力で打って出よう。青年労働者・学生を先頭に、渾身(こんしん)の実力決起をもって日本階級闘争の様相を一変させ、世界革命への扉をこじ開けよう!
―Ⅰ―総転向・総翼賛情勢突き破り革命への道を示した8回大会
⑴ロシア革命以来の挑戦にうって出る決意うち固める
われわれは、世界戦争の開始という情勢のただ中で開催した8回大会で何を確認し、全党の決定としたか。その歴史的意義と核心的内容について、次の3点を強調したい。
第一に、戦後世界体制の最後的崩壊がついに世界戦争に転化し始めた決定的瞬間において、これまで「反戦」を唱えていたあらゆる政治党派・潮流が雪崩をうって転向し、自国政府の戦争策動に賛成するという、文字通りの「第2インター崩壊」情勢を突き破って8回大会がかちとられたことの巨大な意義である。
「大会は、世界戦争・核戦争の危機がロシア軍のウクライナ侵攻から現実の戦争となって火を噴く最中において、反帝・反スターリン主義世界革命を実現する党への一大飛躍をかけた大会として、歴史的成功をかちとった」(本紙3235号政治局声明)
われわれはウクライナで始まった戦争を、〈コロナ×大恐慌〉にまで至った新自由主義の大崩壊とそれによって一気に加速した最末期帝国主義の危機の爆発、この30年にわたり崩壊に崩壊を重ねてきた帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の最後的な崩壊、その世界戦争への転化としてとらえた。このようにとらえているのは、反帝・反スターリン主義の党としての革共同だけである。
そしてこの世界戦争を反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命へ転化すること、帝国主義戦争の内乱への転化の方向に向かって闘うこと、これだけが第3次世界大戦の破局から人類を救い出す道であることを宣言し、本年1・1政治局アピール(本紙3225号)ですでに提起していた「反戦闘争を軸とする階級的労働運動路線」の断固たる推進をもってそれを実行することを確認し、党大会の決定としたのである。まさに今、全勢力が戦争翼賛勢力化する中で、「第2インター的転向」を拒否してボリシェビキ以来の挑戦に打って出ることを確認した。この意味で8回大会は、真に歴史的大会としてかちとられたのである。
この8回大会の決断・決定を、日帝国家権力が心底からの恐怖と反革命的憎悪をもって受け止めていることは言うまでもない。このことは、元陸上幕僚長が防衛省・自衛隊幹部らを集めた講演で「扇動による反戦デモ」を有事に準ずる「グレーゾーン事態」の例として挙げ、「反戦気運などを高めて国家崩壊へ向かわせてしまう危険性がある」と、その現実性を真剣かつ深刻に強調していたことからしても明白なのである。
大会に至る闘い総括し党の任務を明確化
第二に、8回大会の開催に至るまでの闘いを主体的に総括し、その中からいま党が何をなすべきか、何を自覚し意識して闘うべきかを徹底的にはっきりさせたことである。
「動労千葉が新自由主義の国鉄分割・民営化攻撃を打ち破った地平と不可分一体」(第1報告)で、党の変革と飛躍をかけて打ち出された1991年5月テーゼから30年。われわれは、階級的労働運動路線を今日的に貫くことの困難性から発生した血債主義、7回大会路線、その裏返しの階級的労働運動路線の否定という三つの日和見主義をのりこえ止揚してきた。労働者同志を先頭にあらゆる困難をのりこえて5月テーゼ=階級的労働運動路線を貫いてきたわれわれの闘いは、「いよいよ時代に切り込む力を獲得しようとしている」(同)。この今日の到達地平を断固として確認した。
その上で、われわれは「世界戦争への転化が始まった」という情勢を真剣に見据えるならば、これを世界革命の勝利に転化するためにどうすればいいのか、まずもって自国帝国主義=日帝の打倒に向かって闘いを推し進めるために何が必要なのか、ということを指導部を先頭に必死に考え実践しなければならない。そのために大会は、第1報告で5月テーゼ以来の30年を総括し、第2報告で今の情勢を真正面からとらえ、党がなすべきことをあらためて第3回全国委員会総会(1962年)の原点から、そしてレーニンの実践から徹底的に明確化させたのである。
世界革命めざす党の綱領と路線を再確立
第三に、反帝・反スターリン主義の綱領的路線的立場をいま一度踏み固め、その理論的・実践的内容を飛躍させることを確認したことだ。
新自由主義論について言えば、われわれは新自由主義を単に「命よりカネ」「自己責任」といったレベルで批判したり、「団結」や「共同性」を対置して事足れりとしているわけにはいかない。第2報告で確認されたように、帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義は、〈導入期〉〈展開期〉〈崩壊期〉を経てついに大崩壊というべき局面に入ったのであり、これに対する労働者階級の回答はプロレタリア世界革命しかないことをはっきりさせなければならない。
今日われわれは、1917年ロシア革命をもって始まった帝国主義から社会主義への世界史的過渡期、それを「帝国主義とスターリン主義による分割支配」という形で反動的に固定化し続けてきた戦後世界体制が、新自由主義の大崩壊とともに最後的に崩壊する局面を迎えている。そしてそれが世界戦争を引き起こしつつある今、反帝・反スターリン主義世界革命以外にその矛盾を解決することは絶対にできないのである。8回大会は、この帝国主義戦争の内乱への転化に向かって、反戦闘争を軸に階級的労働運動を発展させるとともに、反戦闘争としての反戦闘争を組織し闘うこと、戦争への階級的批判を貫き祖国防衛・排外主義を粉砕すること、こうした闘いのために必要な組織、非合法党の準備・建設が待ったなしであることを明確にさせた。今、必要なのは、これらをわれわれの日常の闘いの中に絶えず貫いていくことだ。
⑵大会決定を直ちに実践し深化させた3〜4月の闘い
以上のような8回大会の地平をただちに実践し、深化するものとして、全党はウクライナ戦争下の3〜4月の闘いに打って出た。
既成のあらゆる党派・政治潮流が米日帝国主義と口をそろえて「プーチン断罪」「対ロ制裁強化」を連呼する中、われわれはプーチン・ロシア軍の侵略戦争を徹底弾劾しつつ、この戦争を引き起こした最大の張本人であり元凶である米帝をはじめとした帝国主義こそ打倒対象だということを鮮明にさせて闘いぬいた。この中でわれわれは、8回大会路線で全党が再武装し強固に団結することが、戦時下においても階級的原則を貫いて闘うための一切の前提であることをつかんだ。
3月3日の杉並区議会で「ロシア非難決議」にただ一人反対し、「私は、日本の改憲・戦争・核武装に賛成の議員とともに上げる『決議』ではなく、ロシア・ウクライナをはじめ全世界で声を上げる労働者民衆とともに反戦を叫びます。私の立場は、『万国のプロレタリア団結せよ!』です」と断固宣言した洞口朋子区議の決起。東京、大阪をはじめ全国各地で取り組まれた3・8国際婦人デー闘争(戦時下の女性解放闘争)。青年・学生を先頭に闘われた3・21〜22沖縄現地闘争。3・23ゼレンスキー国会演説弾劾国会闘争と3・26ウクライナ反戦緊急行動。新入生の反戦デモへの決起を次々とかちとった全学連の新歓闘争。改憲・戦争阻止!大行進の4・23集会・デモ。----これら一切の闘いが、8回大会の地平を物質化する自国政府・帝国主義打倒の闘いとして、またロシアをはじめ全世界で反戦闘争に立ち上がる労働者階級人民との国際連帯闘争としてかちとられた。
3労組の呼びかけに応え闘いを広げよう
8回大会路線の実践・深化としていま一つ決定的なことは、こうした革命的反戦闘争と一体で「反戦闘争を軸とする階級的労働運動路線」を物質化する闘いが力強く前進したことである。とりわけ全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組によって発出された「『11月労働者集会』25年共同アピール」を武器に、全国のあらゆる職場で新たな挑戦が始まったことは画期的である。
そして動労千葉はこの3月、JR東日本の「業務融合化」を含むダイヤ改悪に対し、関道利委員長―渡辺剛史書記長体制のもとで一糸乱れぬ団結力をもって「戦時下のストライキ」を貫徹した。「労働組合の本質的課題として戦争を絶対に阻止しなければならない」として、この時代にこそストライキで闘う労働組合が必要だと訴えた関委員長のスト総決起集会での発言は、青年をはじめ全国の職場で闘う労働者を大いに奮い立たせている。
あらためて確認すべきことは、歴史的大弾圧や「労組なき社会」化の激しい攻撃にもかかわらず、この戦時下において3労組共闘がより強固にうち固められ、全労働者・労働運動全体の未来をかけて共同アピールを発するところまできたことの決定的意義である。この3労組の決起と呼びかけに全力で応え、今日の世界戦争の切迫下での連合崩壊情勢に切り込み、新たな闘いを組織しよう。全党は一丸となり、11月集会の歴史的成功に向けて総決起しよう。
核戦争情勢と対決し3・11福島行動が成功
さらにわれわれは、8回大会決定にもとづき、全党の断固たる決断をもって、3・11反原発福島行動22の大成功を福島現地で不屈に闘う人々とともにかちとった。集会では、核戦争絶対阻止の決意とともに、広島の「黒い雨」訴訟の完全勝利の地平は内部被曝を許さない闘いとして福島の闘いと一体であり、汚染水海洋投棄絶対反対、子ども甲状腺がん裁判にそれが引き継がれていることが確認された。今日の核戦争の切迫下で、反戦反核・反原発の闘いの発展と勝利の道は、核政策を推進する日帝・岸田との全面対決以外にない。このことを絶対にあいまいにせず、8・6広島―8・9長崎闘争をはじめあらゆる闘いに世界戦争・核戦争の世界革命への転化という階級的・原則的立場を貫かなければならない。そして、それこそが最も大衆的な闘い方であることを、われわれは3・11でつかんだのである。
国際連帯闘争のさらなる発展をかちとること、そして入管体制の抑圧下にある在日・滞日外国人労働者と固く団結して資本・国家権力と日常的に闘うことは、戦時下における階級的労働運動の重要な任務である。とりわけ国軍のクーデターから1年を経て今も不屈に闘うミャンマーの民衆、在日ミャンマー人の仲間との連帯と共同闘争をさらに発展させていくことが決定的に重要だ。
こうした3〜4月の闘いの地平をさらにうち固め、この5月、日米会談・クアッド会合粉砕へ全力で闘いを組織し、さらに情勢を塗りかえる怒りの大反戦デモをたたきつけよう。あらためて全党は、季刊「共産主義者」212号の「8回大会報告・決定集」を全力で学習し、武装し、新たな闘いに打って出よう。
―Ⅱ―米日帝の中国侵略戦争阻止へ日本労働者階級の一大決起を
8回大会の二つの報告で確認した通り、新自由主義の大崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊が世界戦争・核戦争という形でその全矛盾を爆発させようとする中で、今や各国の労働者階級人民の生きるための闘いが広がり、反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命への根源的決起が全世界規模で同時に生み出されている。こうした中で、日本階級闘争はまさに「世界戦争か、世界革命か」の人類史の帰趨(きすう)を決する位置にある。帝国主義としての存亡をかけて中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を狙い、その一環としてウクライナ戦争を激化させている米日帝国主義に対し、戦後一貫して戦争反対を貫いてきた日本労働者階級の誇りと未来をかけて、渾身(こんしん)の反戦闘争をたたきつけ、なんとしても世界革命の突破口を開かなくてはならない。
⑴ウクライナ戦争の本質は米帝主導の「米帝の戦争」だ
開戦から2カ月を経たウクライナ戦争は、「プーチンの戦争」でも「ロシア対ウクライナの戦争」でもなく、本質的にも実態的にも「米帝の戦争」であり、北大西洋条約機構(NATO)諸国や日帝も含む帝国主義の延命をかけた旧スターリン主義・ロシアに対する戦争であることが、ますます明らかになっている。しかも米帝はこの戦争を中国侵略戦争に向けた「前哨戦」と位置づけ、その先に世界戦争を構えている。戦後世界の「唯一の基軸国」として君臨し続ける力を失い没落と危機を深める米帝が、その存亡をかけて中国侵略戦争―世界戦争を決断したことが、今われわれの眼前で起きていることの一切を規定しているのだ。
もとより米帝にとって最大の打倒対象は、今や世界第2の大国となった残存スターリン主義国家・中国にほかならない。このことは3月28日に米国防総省がその概要を公表した国家防衛戦略(NDS)で中国を「最重要の戦略的競争相手」と位置づけ、その理由を「中国は国際システム(=米帝基軸の世界体制)とその中でのわれわれの利益に挑戦する軍事・経済・技術的な潜在力をもっている」からだと説明したことからも明らかだ。直後の記者会見でも、ヒックス国防副長官は「ロシアによる悪の行動に立ち向かう時でさえ、国防戦略は中国が最も重要な相手だ」と重ねて強調した。ウクライナ戦争における米帝の狙いは、ロシアを弱体化させ、国際的に孤立させ、中国とロシアの結託を阻止することにある。だからこそバイデンは、ひたすら戦争を長期化させるため、「停戦」や「和平」に向けた動きを露骨に妨害することまで平然とやっているのだ。
この間の動きを見ても、トルコの仲介による5回目の停戦交渉で「一定の進展があった」と報じられた直後の4月1日、バイデンは新たに長距離砲撃可能な戦車のウクライナへの供与を発表。4日にはキエフ近郊のブチャで民間人の遺体が多数見つかったとして、これをなんの調査も証拠もなく数時間以内に「ロシア軍の虐殺」と断定して全世界的なキャンペーンを展開した。米軍が戦争のたびに繰り返してきた民間人の虐殺や残虐兵器の大量使用について、日本を含む「西側メディア」がこれほど即刻かつセンセーショナルに報道したことは一度もない。戦争相手国の「残虐行為」なるものを一方的に誇張し大宣伝して、人民大衆を戦争に賛成させ、動員していく典型的な「戦争プロパガンダ」が繰り広げられているのだ。そしてバイデンは、これまでの米帝のけた違いの戦争犯罪を棚に上げてプーチンを「戦争犯罪者」と断罪し、対ロ制裁の強化を全世界に呼びかけた。当然にもロシアは激しく反発し、停戦交渉は暗礁に乗り上げて再開も見通せない状況に追い込まれた。交渉を仲介したトルコの外相は、「いくつかのNATO加盟国は戦争が長引くことを望んでいる」と述べ、停戦交渉を破壊した米帝への反感をあらわにした。
13日には、バイデンはヘリコプターや装甲車といった大型装備、155㍉榴弾(りゅうだん)砲18門、最新鋭の自爆型無人機「スイッチブレード」300機、携行型対戦車ミサイル「ジャベリン」500基など総額8億㌦(約1030億円)相当の追加軍事支援を発表、そして21日には最新鋭無人機「フェニックスゴースト」120機、155㍉榴弾砲、砲弾14万4千発など総額8億㌦のさらなる追加支援が発表された。これが実施されれば開戦以降の米帝の対ウクライナ軍事支援総額は34億㌦となり、ウクライナの国防予算(42億㌦)の8割超にも達する。この軍事援助の額と供与される兵器の実態、その実戦使用のための訓練まで米軍が念入りに行っている事実は、この戦争がほかでもなく「米帝の戦争」であることを如実に物語っている。
さらに24日のブリンケン国務長官とオースティン国防長官のキエフ訪問は、米帝のさらなる全面的介入・参戦への重大な踏み切りである。オースティンは「ロシアを二度と侵攻できないよう弱体化させる必要がある」と主張し、「ウクライナは適切な装備と支援があれば勝てる」と述べた。これに対し、ロシアのラブロフ外相は「(核戦争の)リスクは非常に大きい」「第3次世界大戦が起きる可能性は十分にあり、過小評価すべきでない」と述べ、米帝を激しく牽制(けんせい)した。また26日にはドイツのラムシュタイン米空軍基地にNATO加盟国と日本、韓国など40カ国以上の代表を集め、米帝の主催でウクライナ軍事支援の国際会議を開催。この場でドイツが「ゲパルト対空戦車(自走式対空砲)」の提供を発表したことは、ドイツ戦後史における重大な転換であり、早くも「NATO対ロシアの戦争」へ転化したことを示している。
対するロシア・プーチンは、多数のロシア兵が死亡し、生活の困窮に伴う人民の不満と怒りが国内で高まりつつあることに追い詰められている。米帝の妨害で停戦交渉すらも不可能となった今、プーチンは国内に「戦勝」を誇示できるような一定の軍事目標を達成するまでは絶対に戦争をやめることができず、戦術核兵器の使用まで示唆しながら絶望的な戦争を続けるほかないのである。
⑵国際反戦闘争と自国政府打倒の闘いで戦争とめよう
以上の通り、ウクライナ戦争はこの4月を転機として、もはや後戻りのできない激化・拡大の過程に突入したのであり、われわれはその世界戦争・核戦争への転化が現実に始まったことを、戦慄(せんりつ)しつつ見据えなければならない。
バイデンがしきりに「民主主義と専制主義の戦い」と繰り返すのも、米帝が世界戦争を本気で構えていることを如実に物語っている。その狙いは、ロシアとともに中国を「専制主義陣営」に分類し、日帝をはじめとした同盟国を「民主主義陣営」と称する対中国戦争同盟として結束させ、総動員することにあるのである。
われわれはすでに本年1・1政治局アピールで、世界戦争・核戦争の現実性について「まさかそんな戦争は起きないだろう」という感覚をもったり、支配階級の理性に期待したりするならば、その瞬間に決定的敗北を喫することになると厳しく確認してきた。そして、米帝をはじめとした帝国主義に世界戦争以外の活路がない以上、事態がこのように進むことは不可避であると指摘し、これに対して反帝・反スターリン主義世界革命の旗を高々と掲げ、労働者階級人民の前にストレートに提起して闘うことが最も大衆的であること、この闘いを貫くことの中にプロレタリア世界革命の現実性があることを、8回大会とそれ以降の実践の中でつかんできた。
ウクライナ戦争を止め、世界戦争・核戦争を阻止するためには、プーチン政権と闘うロシアの労働者階級人民と連帯し、この戦争の真の主導者であり元凶である米欧日の帝国主義の戦争政策に反対してそれぞれの国の労働者階級人民が闘うこと、すなわち国際反戦闘争と自国政府打倒の闘いが求められている。そしてわが党と日本労働者階級に課せられているのは、まずもって米日帝の中国侵略戦争を阻止する革命的反戦闘争に立ち上がること、5・14〜16沖縄闘争と一体で日米会談・クアッド会合を粉砕する5・22大反戦デモの爆発をかちとることである。
南西諸島戦場化する米海兵隊「EABO」
中国侵略戦争はすでに米海兵隊の新たな作戦構想「遠征前方基地作戦(EABO)」として具体的に準備され、日本の自衛隊も一体化した日米共同作戦計画の策定まで進められている。EABOでは、第2次大戦や朝鮮戦争の時のように、海兵隊が海軍艦艇に乗って敵地に接近し上陸作戦を行うのではなく、逆に海軍(空母打撃群)が中国本土に迫るための制海権を確保することが海兵隊の任務となる。そのために少人数の部隊に分かれた海兵隊を、有人島を含む南西諸島の約40の島々に展開し、島から島へ移動しながら対艦ミサイルなどで中国軍を攻撃する。その結果、中国軍からの反撃は、当然にもこれらの島々に集中する。
南西諸島全域を現在のウクライナ以上の戦場にすることが作戦遂行上の前提とされているのだ。先述した米国家防衛戦略の概要では、「多くの領域で増大する中国の脅威に対応し、国土を防衛する」と明記されたが、あくまでも「国土(=米本土)」の防衛であり、米本土以外なら戦場にしてもかまわないということである。それは今ウクライナで起きている事態をみれば明白だ。
加えて重要なことは、このEABOに基づく日米共同作戦計画の目的が、中国軍の「接近阻止/領域拒否(A2/AD)」戦略を粉砕して第1列島線内への空母打撃群の投入と中国本土への攻撃を可能とすることにあるということだ。中国軍の侵攻から台湾や南西諸島を「防衛」することではなく、反対に米軍と自衛隊が中国の中枢部を直接攻撃することが目的なのである。
だが、アフガニスタン・イラクでの大敗北とおびただしい米軍兵士の死傷は、米国内で巨大な怒りと矛盾を蓄積させており、もはや米帝はこれを繰り返すことなどできない。だから中国侵略戦争では、米軍のミサイルや艦艇、爆撃機などを投入しつつも、最前線攻撃部隊あるいは地上戦部隊としては同盟国の軍隊を極力動員しようとしている。日本版海兵隊こと陸上自衛隊水陸機動団の創設と相次ぐ米海兵隊との共同訓練も、南西諸島への自衛隊ミサイル部隊の大量配備も、これまで米軍がやってきた任務をできる限り自衛隊に担わせようとする動きにほかならない。
改憲と大軍拡を狙う岸田に怒りの反撃を
この米帝の戦争計画を日帝自身が担うために、改憲と大軍拡、自衛隊の実戦部隊化=侵略軍隊化を一気に進めようとしている。
自民党安全保障調査会は4月21日の全体会合で政府に対する提言をまとめ、防衛費を今後5年以内に対国内総生産(GDP)比2%まで引き上げることを打ち出した。GDP比2%化=5・5兆円を上積みすれば防衛費は11・5兆円にも達し、米中に次ぐ世界3位の軍事国家となる。また従来の「敵基地攻撃能力」という言葉を「反撃能力」に変更し、攻撃目標を「敵基地」に限定せず相手国の司令部など「指揮統制機能等」も含めるべきとした。「敵国」の首都や軍司令部のある地域に民間人を巻き込む先制攻撃を仕掛けることを公然と要求しているのだ。プーチンを「戦争犯罪者」などと非難しながら、日帝もまた「自衛」を口実にまったく同様の人民虐殺戦争を構想しているのである。27日にこの提言を受け取った岸田は「しっかり受け止め議論を進める」と応じた。
これに先立つ7日には外相の林芳正が、ウクライナ戦争へ前のめりになるNATOの外相会合に日本の閣僚として初めて参加し、「国際秩序が深刻な挑戦を受けている今こそ、欧州とインド太平洋地域の安全保障を切り離すことはできない」と発言した。このことは、ウクライナ戦争が日本の労働者階級にとって、まさに自国政府=日帝の戦争国家化の問題であることを突き出している。
このように岸田政権は、7月参院選に向けて改憲・戦争への策動を強めつつ、「国家安全保障戦略(NSS)」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画(中期防)」の3文書の改訂をもって、憲法9条に象徴される日帝の敗戦帝国主義としての戦後的制約を全面的に撤廃しようと全力で動いているのである。この攻撃に怒りを込めて猛然と反撃しなければならない。階級的労働運動路線の軸に反戦闘争を据え、改憲・戦争阻止闘争の本格的爆発をかちとろう。
⑶中東欧の勢力圏化めぐる争闘戦とNATO東方拡大
われわれは、以上のような米帝主導の中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を阻止するために全力で闘うとともに、この闘いと一体で、今もウクライナを地獄のごとき戦場に追い込んでいる現在の戦争について、旧スターリン主義・プーチン以上にその最大の元凶が米帝をはじめとした帝国主義にあることを徹底的に暴き出さなければならない。かつてレーニンが強調したように、戦争を内乱に転化するためには、「この戦争がどういう階級的性格をおびているか、この戦争はなにが原因でおこったのか、それを遂行しているのはどの階級か、どのような歴史上、経済史上の条件がそれをひきおこしたのか、という根本問題」(「戦争と革命」、レーニン全集第24巻)を繰り返し明らかにしなければならないのである。
そもそも米帝は1991年ソ連崩壊以降もNATOの東方拡大を進め、ロシアへの軍事的重圧を強めつつ、独仏など欧州帝諸国と激しく競いながら中東欧の勢力圏化を進めてきた。「最末期帝国主義の絶望的延命形態」としての新自由主義は、70年代末から80年代にかけての〈導入期〉に続き、89〜91年のソ連・東欧スターリン主義圏の崩壊から全面的な〈展開期〉に入り、この過程で「全世界で民営化・外注化・非正規化が怒濤(どとう)のように広がっていった」(8回大会第2報告)。この際、中東欧諸国には米欧の資本が一挙に流れ込むとともに、ソ連崩壊後の財政危機にあえぐ国々に資金を供与した国際通貨基金(IMF)や世界銀行によって、労働者の大量解雇を伴う国営企業の売却・民営化、市場開放、規制緩和、緊縮財政などが強行され、恐るべき経済崩壊と社会の荒廃がもたらされた。
その結果、中東欧諸国では犯罪組織の台頭や民族紛争が引き起こされる一方、労働者階級人民の闘いも始まっていた。これらを軍事力で制圧するために強行されたのがNATOの東方拡大だった。99年の旧ユーゴスラビア全土への大空爆のような人民虐殺の侵略戦争をも伴いながら、NATO加盟国はソ連崩壊時の16カ国から現在は30カ国にまで拡大、2021年の推計で加盟国軍隊は約332万人、国防費総額は約1兆485億㌦で全世界の国防費の57%を占める巨大軍事同盟となった。
反ロシア軍事国家にウクライナを改造
ロシアののど元に迫るNATOの拡大と一体で、米帝はウクライナの「反ロシア」化工作を進めた。
親ロシア派ヤヌコビッチ政権を転覆した14年2月のクーデターに際しては、米共和党の元大統領候補マケインやヌーランド国務次官補(現・国務副長官)など米政界の有力者が次々と現地に入り、反政権派を全面的にバックアップした。クーデター後の4月には当時副大統領だったバイデンが現地入りして即座にトゥルチノフ暫定政権支持を表明。以後、米帝は7年間で総額25億㌦以上もの軍事援助を供与し、ウクライナを「反ロシア軍事国家」へとつくりかえた(プーチンはこれに対抗し14年3月、クリミア併合を強行)。
クーデター後、労組活動家や社会主義者へのテロ、放火などを繰り返した「右派セクター」、「スボボダ」などの極右ネオナチ集団の幹部が、新政権の副首相や検事総長、国防・治安機関などの要職に登用された。ナチズムと白人至上主義を信奉する武装民兵組織「アゾフ大隊(後に連隊)」は、ロシア系住民やロマ族のキャンプなどを襲撃し、拉致・暴行・略奪・拷問などを繰り返し、労働組合会館に放火して50人以上を殺害(「オデッサの悲劇」と呼ばれる)した。国連機関もその数々の残虐行為を指摘したが、クーデター後は内務省管轄の国家親衛隊に正式に編入された。「ウクライナは、ネオナチが正規軍に組み込まれている唯一の国」(米ネーション誌)などと報じられたように、クーデター後のウクライナが極右ネオナチ勢力の巣窟(そうくつ)と化したことは、国連や「西側メディア」も公然と認めていた。その後は親ロシア武装勢力との内戦が続き、8年間で双方の死者は1万4千人を超えた。
経済面で見ると、2010年にウクライナの輸出・輸入先はそれぞれ25・6%、32・4%をロシアが占めたが、20年には輸出5・5%、輸入8・4%にまで激減し、代わりにEU(欧州連合)との間の輸出入がそれぞれ37・8%、43・4%を占めるまでに急増した。14年のクーデターが、実際のところ米欧帝によるウクライナ市場の強奪だったことがわかる。かつて東西の緩衝地帯とされたウクライナで、米欧帝と旧スターリン主義・ロシアのすさまじい争奪戦・争闘戦が展開されてきたのだ。これ自体が戦後世界体制の最後的崩壊をまざまざと示しており、今回の戦争はその延長で起きた。しかも米帝はその先に「最大の敵」である中国との戦争を見据え、そのためにこの戦争をひたすら激化・長期化させる戦略をとっているのである。
⑷コロナ×大恐慌×戦争が生み出す全世界的革命情勢
戦争の激化はインフレと恐慌の激化をもたらしている。08年リーマン・ショック以降の野放図な恐慌対策と〈コロナ×大恐慌〉下での巨額の財政出動・超金融緩和は、今やすさまじい矛盾を蓄積させ、世界経済にかつてないインフレ圧力を生じさせた。IMFは4月19日、今年の世界の消費者物価(年平均)上昇率が前年比7・4%にも達するとの見通しを示した。昨年10月時点の見通し値の3・8%から大幅な上方修正となった。
何よりもそれは基軸国・米帝を直撃している。今年3月のアメリカの消費者物価指数(CPI)は前年同月比8・5%上昇し、1981年12月以来40年ぶりの高さとなった。すでに6カ月連続でCPI上昇率が前年同月比6%超えを記録している。連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑制のため今後0・25〜0・5%幅で利上げに踏み切る意向を示している。5月からは「量的引き締め(QT)」も開始し、現在約9兆㌦にも膨らんだ保有資産の縮小を開始する。だが、超バブル化した株式市場はいつ、どんなきっかけで大暴落するかわからず、一つさじ加減を誤るだけですべてが崩壊する状況だ。
この全世界的なインフレ圧力のもとで新興国・後進国での物価高騰は特に深刻さを増している。この状況下で米帝バイデンは、対ロ経済制裁を叫び立てているのだ。ロシアとウクライナの2国が世界の穀物輸出量に占める割合は、小麦30%、大麦32%、トウモロコシ18%にも達する。経済制裁は食料・燃料・肥料などの価格をさらに高騰させ、何億という人民を困窮させることになる。IMFは3月の報告書で、特にアジア、アフリカ、中南米で「食料・燃料価格の高騰によって社会不安のリスクが高まりかねない」「物価の上昇は......一部の国において社会的緊張を高めるかもしれない」と、階級闘争の激化=革命への恐怖を吐露している。
日本のマスコミなどは、あたかも中国以外の全世界が「一致団結」して対ロ制裁強化へと足並みをそろえているかのように連日報じているが、実際には国連総会でのロシア非難決議には中国、インド、ベトナムをはじめアジアやアフリカ、南米などの40カ国が棄権または反対しており、これらの国々の総人口は世界人口の半数を超える。経済制裁への参加国は37カ国にとどまり、「親米国家」のはずのサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)なども不参加のため中東の参加国はゼロだ。
とりわけバイデンを激しくいら立たせているのは、クアッドの一角を占めるインドが、経済危機の深刻化を恐れて対ロ経済制裁に加わろうとしないことである。むしろインド・モディ政権はロシア産の石油・ガス輸入の拡大、貿易決済でのルーブルの使用に加え、中国やロシアとともに上海協力機構を推進することも宣言している。「米国は『最も重要な戦略的競争相手』と位置づける中国に対抗するためにもクアッドの関係強化を図りたいところだが、インドの対露政策が阻害要因になりかねない」(4月13日付毎日新聞)。このことは、米帝のクアッド戦略の危機と矛盾を示している。
円安とインフレで日帝は存亡の危機に
こうした中で、世界の主要国の中で最も深刻な危機に陥っているのが日帝である。
FRBやECB(欧州中央銀行)が一斉に利上げと量的引き締めに動く中、日銀だけは異次元緩和をやめられず、逆に金利上昇の抑制に必死になっている。日銀の保有する国債は総額521・1兆円(うち長期国債507・8兆円)に達しており、金利が上がれば国債の市場価格も下落し、日銀資産に巨額の評価損を発生させることになるからだ。それは日銀の債務超過、中央銀行としての信用失墜、円暴落すら引き起こしかねない。このため日銀は2月以降、特定の利回りを指定して国債を無制限に買い入れる公開市場操作「指し値オペ」を連発している。
だが、金利抑制を続ければ世界との金利差から円は下落し、インフレが進む。すでに日米金利差は円安ドル高を一気に進行させ、4月20日の終値は1㌦=129円と約20年ぶりの水準まで円が急落、輸入品の値上がりなど急激な物価上昇が人々の生活を直撃している。日銀は今や自国通貨の安定という中央銀行としての本来の役割も果たせない状態だ。
財務省が20日に発表した21年度貿易統計速報では、貿易収支の赤字が5兆3749億円と、約7年ぶり過去4番目の大きさとなった。月ごとの貿易収支も3月まで8カ月連続で赤字となり、22年1月の経常収支は1兆1964億円の大幅な赤字を記録した。低成長・労働人口減少にあえぐ世界一の借金大国で、目立った成長産業もないにもかかわらず、これまである程度安定して円や日本国債が買われてきたのは「安定した経常黒字国」と見られてきたからだが、もはやその前提が根本から揺らぎ、崩壊しつつあるのだ。
この状況に政府も日銀もまったく打つ手がない。日帝に残された活路は改憲と大軍拡、軍需産業をはじめとする経済の軍事化・戦争化、そして米帝とともに中国侵略戦争に突き進むこと以外にないのである。
―Ⅲ―バイデン来日粉砕・岸田打倒、全国から首都東京に総結集を
3月23日のゼレンスキー国会演説に自民党とともにスタンディングオベーションで応え、「祖国を守りぬく強い決意がひしひしと伝わった」などと右翼も顔負けの口調で戦争を賛美した日本共産党委員長・志位和夫は、4月7日の党本部での会合では「急迫不正の主権侵害が起こった場合には自衛隊を活用する」「憲法9条は無抵抗主義ではなく、個別的自衛権は存在している」と主張した。立憲民主党は「安保政策に反対すれば国民の支持が離れる」として経済安保推進法案に賛成し、「野党共闘」を推進してきた「市民連合」の山口二郎は「今は安保関連法廃止を正面から言うべきではない。日米安保がないと日本の安全は確保できない」と述べ、7月参院選での野党への政策提言から「安保関連法の白紙撤回」を取り除いた。
だが、このような文字通りの「第2インター崩壊」が進行する一方で、圧倒的多数の労働者階級人民は戦争絶対反対で闘うことを望んでいる。米日帝の政府や支配階級と口をそろえて「プーチン弾劾」を叫ぶのではなく、プーチンと同時に米帝やNATO、日帝・岸田を弾劾し打倒するような闘いの方針を求めている。8回大会をかちとったわれわれは、党活動の画然たる飛躍をもってこれに応えなければならない。
「祖国擁護にたいして否定的な態度をとることは、それ自体ですでに、革命的意識にたいしても、またそれを宣言する党の革命的行動能力にたいしても異常に高度な要求を提出する......。いっさいの宣伝、扇動、組織、一言でいえば党活動全体を根本的に変更し、『革新』し......より高度な革命的諸任務に適応させなければならないことをはっきり認識しないなら、この〔祖国擁護を拒否するという〕言明は、空文句になってしまう」(レーニン「戦争の問題にたいする原則的立場」)
日米会談・クアッド会合粉砕の5・22大反戦デモを、階級情勢を一変させる闘いとしてかちとるために、全党は8回大会の地平で固く団結し総決起しよう。党活動のさらなる変革と飛躍をかちとろう。
バイデンと岸田がこの日米会談にかける狙いは、日米安保およびクアッドを対中国戦争同盟として固め、南西諸島―日本列島を戦場化する戦争への突入を確認することにある。そこでの最大の焦点は日帝であり、日帝がここでの合意を「国際公約」としてこれまでの戦後的・憲法9条的制約をかなぐり捨て、一気に改憲と大軍拡へ突き進むことにある。このことを徹底的に訴え、5・22大反戦デモへの大結集をかちとろう。
青年・学生を先頭に沖縄闘争の大高揚を
5・22闘争の巨大な爆発のためにも、青年労働者・学生を先頭に「復帰」50年5・15沖縄闘争の大高揚をかちとらなくてはならない。辺野古工事の強行、自衛隊ミサイル部隊の配備、さらには中国侵略戦争の切迫下の演習激化でますます深刻化する基地被害に対し、住民の怒りは「復帰」後に生まれた40代以下の世代を中心に激しく燃え広がっている。
50年前の日米政府による「ペテン的沖縄返還」に対し、革共同は「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」のスローガンを掲げ、本土―沖縄が一体となった70年安保・沖縄決戦の巨大な爆発を切り開いた。このスローガンは、沖縄こそ日米安保の矛盾と犠牲の集中点であること、そしてこの現実と闘う沖縄人民の本土復帰闘争の中に日米帝国主義との絶対的な非和解性=革命の現実性がはらまれていることをつかみ、沖縄闘争を70年決戦の中心課題に位置づけたものだ。そして沖縄の人々が求めた「基地のない平和な島」も、基地と安保によって成り立つ日米帝国主義を打倒して、労働者階級が真に社会の主人公となっていく中ではじめて実現できることを明確にしたのである。本土における70年闘争の巨大な爆発と一体で、この沖縄奪還論が全軍労(全沖縄軍労働組合)をはじめ闘う労働者・学生を圧倒的に獲得し、71年全島ゼネストへの道が生き生きと自己解放的に切り開かれていった。
そして今まさに、中国侵略戦争の最前線出撃基地とされ、再び戦場にされようとしている沖縄から、青年労働者・学生を先頭に新たな根源的決起が始まっている。71年沖縄ゼネストと連帯して渋谷暴動闘争に決起した星野文昭同志、大坂正明同志らの不屈の魂は闘う青年労働者・学生に引き継がれている。〈米日帝の中国侵略戦争阻止、沖縄米軍基地撤去=安保粉砕・日帝打倒〉のスローガンのもと、世界戦争を絶対に阻止する歴史的決戦の突破口を5・15闘争で切り開こう。
革命に勝利する党の建設をなしとげよう
最後にあらためて、世界戦争・核戦争の危機を反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命へ転化するために、日本階級闘争の様相を一変させる首都東京での5・22大反戦デモに全国から総結集することを強く訴えたい。そしてこの闘いを通じて、プロレタリア独裁の樹立をめざす労働者階級の党、戦争を内乱に転化する革命党の強大な建設を今こそかちとろう。闘う青年労働者・学生は、マルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟中核派に結集し、革共同とともに世界革命の勝利に向かって闘おう!