森川文人弁護士の講演(要旨) 戦争を止める力はどこにあるか 今こそ「革命」を訴えよう

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週刊『前進』04頁(3242号01面02)(2022/05/02)


森川文人弁護士の講演(要旨)
 戦争を止める力はどこにあるか
 今こそ「革命」を訴えよう

(写真 講演する森川さん)


 ロシア軍のウクライナ侵攻に対し、かつて第1次世界大戦を革命によって終わらせたロシアの人々は、再び自国の戦争に反対して立ち上がりました。1カ月前の報道だけでも159都市で1万5千人逮捕とのことです。私たちは、ロシアで立ち上がった人々と同じことができるのか、問われています。
 私たちは自分の立っている所を確認しましょう。日本ではなく、労働者民衆という立ち位置にいることを、です。どこかの国を応援しなければならないなんてことはない。
 米バイデン大統領は「民主主義対専制主義」を強調します。しかし、今までアメリカが行ってきた「民主的な戦争」はどれほど惨(むご)たらしいものか。民主的な原爆投下、民主的な侵略戦争----。日本政府も今、民主的にミャンマーの軍事政権を支援し、虐殺に加担している。資本主義における民主主義というのは、富める者のための民主主義にすぎません。「戦争犯罪」というけれど、そもそも戦争自体が犯罪です。これは戦争をしたい連中の誘導です。
 ウクライナに対しても「兵器の見本市」のようにして、むしろ戦争を継続させたいのでしょう。冷戦終結から約30年、世界の軍事費は40%も増加し続け、今や1兆9810億㌦(217兆円)です。今の世界、つまり資本主義は戦争をやめるつもりはないのです。
 資本主義は「資本の無限の価値増殖運動」の社会であり、各国は市場・資源・勢力圏を争いながら求め続け、必然的に破滅的な戦争に至る----これが資本主義の歴史です。
 誰も止めない以上、戦争は、私たちが止めるしかありません。南西諸島を再び「捨て石」にする前提で中国侵略戦争の準備をしている政府に期待することは、全くできない。
 ウクライナ戦争を世界戦争に発展させてはならない。私たちの日本での反戦闘争は今、決定的に、歴史的に重要です。
 今日、私はあえて皆さんに「革命」を呼びかけたいと思います。暴力と血みどろのイメージに塗り固められてきた革命。そうやって支配層に最も遠ざけられてきた労働者民衆の力の概念、「革命」を取り戻しましょう。戦争だけがリアルで革命がリアルでないはずはない。
 洞口朋子杉並区議会議員は、「私たちが闘うべき相手は自国政府だ」と議会で一人、反戦の意思を表明しました。連帯労組関西生コン支部、港合同、動労千葉は「改憲と戦争を止めることは労働組合の最も重要な任務だ」と、11月集会へ向けて力の結集を呼びかけています。
 皆さん、是非周りの人たちに伝えてください。世界は違ったあり方もできるんだ、そしてそれは自分たちの力次第だ、と!
 笑うやつは笑えばいい。最後に私たちが笑いましょう。

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