戦時下で食糧・燃料危機 全世界で人民が怒りの決起
週刊『前進』04頁(3241号02面05)(2022/04/25)
戦時下で食糧・燃料危機
全世界で人民が怒りの決起
(写真 「権力を人民へ」を掲げ大統領退陣を求め、夜間外出禁止令を突破してデモに出る人々【4月4日 スリランカ・コロンボ】)
ウクライナ戦争が激化する中、全世界で労働者民衆の生きるための闘いが爆発している。すでに大恐慌・コロナで世界的インフレが始まっていたところへ対ロシア経済制裁が加わり、食糧・石油・ガス不足が深刻化したためだ。これは「パンをよこせ!」という革命の炎そのものだ。
経済制裁は戦争だ
アメリカ帝国主義は、経済制裁が労働者民衆の命を奪う戦争の一形態であることを十分に理解している。国連世界食糧計画(WFP)は1995年、91年からの経済制裁による食糧や医薬品の不足、上下水道破壊などで、約58万人のイラクの子どもたちが命を落としたと発表した。96年に米オルブライト国連大使は、米テレビ局のインタビューで、米軍が原爆を投下した広島を上回る数の子どもたちが死んだことについて、「(制裁に)それだけの価値はあった」と答えた。闘いが始まったスリランカでもペルーでも、人民はこの発言を知っている。自分たちも米帝の経済制裁=大虐殺のターゲットなのだと。
スリランカのスト
スリランカでは2月7日、18の医療労組の組合員6万5千人が全国無期限ストに突入した。電力、交通などの労働者も加わり、ゼネスト的決起になった。コロナ下での医療危機、低賃金とインフレに対する闘いだ。12日、政府・最高裁は医療、電力部門のストを禁止。違反者には5年の刑と財産没収を科すとした。指導部の中止指令でストはいったんは小規模化した。そこへウクライナ戦争勃発と対ロシア経済制裁によるインフレの加速・物資不足が襲いかかった。外貨準備が底をつき、食糧・燃料が店舗から消えていった。
3月1日、再び医療を始めとする労働者のストが拡大した。数日後、食糧・燃料欠乏、停電などへの怒りが爆発し、巨大なデモが首都コロンボをはじめ全国に拡大。警察の弾圧との闘いは暴動闘争に発展した。
世界の運動を継承
4月9日には大統領府前に徹夜抗議行動のためのテント村が設置され、10日に大規模に拡大していった。国家権力・民間反革命に対する闘いの拠点だ。そこでは食糧配布や医療措置、図書の提供がなされ、各所で自由に討論会や学習会、音楽会が行われている。革命を担う新たな団結、新たな活動家が生み出されている。2011年エジプト革命の時のタハリール広場と同じだ。
スリランカの闘う勢力はプロレタリア世界革命路線・国際主義の闘いの経験を蓄積している。世界の闘いと連帯し、学んでいる。
また、隣国インドでも3月末に5千万人のゼネストが行われた。禁止令を打ち破り、線路占拠などの実力行動でストを貫徹した。
南米ペルーでも弾圧を実力で粉砕し、道路・鉄道を労働者・農民が占拠し、ゼネストが行われている。
国際通貨基金(IMF)は3月15日のレポートで「食料・燃料価格の高騰によって社会不安のリスクが高まりかねない」と革命への恐怖を語っている。
世界戦争か世界革命かの闘いはすでに始まっている。団結して闘おう。