経済安保法案が衆院通過戦争へ総動員ねらう悪法 核兵器の秘密開発許すな

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週刊『前進』04頁(3240号02面02)(2022/04/18)


経済安保法案が衆院通過戦争へ総動員ねらう悪法
 核兵器の秘密開発許すな


 ウクライナ戦争を悪用して日帝は日米安保同盟のもとに中国侵略戦争に突き進んでいる。大軍拡の攻撃と一体で、経済安全保障推進法案が4月7日、衆院本会議で可決され参院に送られた。本紙3233号(2月28日付)で暴露した通り、この法案の狙いは中国侵略戦争への国家総動員体制をつくることである。「安全保障」の名のもとに経済・社会を戦争に動員し、労働者人民の生活と権利を破壊し、命までも奪うものである。断じて許せない。
 超反動法案であるにもかかわらず、国会で野党は総屈服した。まともな議論も行われなかった。立憲民主党は「国会でウクライナ以外のことを質問すれば批判される」「安保上の観点から、大筋について反対しがたい」などと言って賛成に回った。
 この法案の主な内容は別表①〜④の通りであるが、そもそも政府がいくらでも法律の適用対象を都合よく拡大できるようにつくられている。たとえば、①で安定供給を図るという「特定重要物資」とは何か、②で国の審査対象となる事業者はどの範囲か、対象となる重要システムは何か、などを政府は一切具体的に明らかにしなかった。すべて「政令」「省令」で定めるとした。そうした項目が実に138カ所にのぼる。これにより、政府が統制・監視・処罰できる対象を独断で、無制限に拡大できるのである。これは戦前、中国侵略戦争―第2次世界大戦に向かって政府が広範な権限を手中にし、労働問題や言論出版まで統制の対象としていった国家総動員法(1938年)の復活そのものである。
 ①と②は、国家が「安全保障」を口実に経済過程、企業経営に介入し統制を強め、「アメとムチ」を使って全産業界、全社会を戦争に動員するものである。
 ③と④も重大だ。政府の有識者会議の委員だった兼原信克(元内閣官房副長官補)は、法案で最も重要なのは③の「官民技術協力だ」と言う(4月6日付朝日新聞)。「敗戦の影響で軍事研究が封じられ、学術界も安全保障に関する最先端の研究に拒否感を抱いてきた」「この法案による官民協議会の立ち上げは一歩前進だ」と。他の会議メンバーは「学者の一本釣りをしたい。大学では安全保障に関する研究(=軍事研究)ができないからだ」とその狙いを語っている。
 戦後の労働者階級の根強い反戦・反核の闘いの継続が、国家の戦争体制の構築を阻み続け、日帝を危機にたたき込んできた。そこで岸田政権はこの法律で国家主導の「官民協議会」を設置し、これによって官・軍・民・学の総力を集めて軍事研究・開発を進めようとしている。戦前、物理学者が原子爆弾の研究・開発などに動員された。この負の歴史を再び繰り返してはならない。今こそ反戦闘争の正念場である。
 帝国主義は大軍拡と戦争をやらなければ生きられなくなっている。それほどの危機だ。こんな帝国主義は絶対に打倒できる。反戦闘争を全国で爆発させ、経済安保法案を粉砕しよう。

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【要項】
■経済安保推進法案の4本柱
①サプライチェーン(供給網)確保
企業に、半導体や医薬品などの特定重要物資に関する供給計画の作成を求める。政府が工場整備や備蓄について財政支援する
②基幹インフラの事前審査
電気、ガス、石油、電気通信、放送、陸海空の輸送など基幹インフラの設備の導入は、政府が事前審査し勧告・命令を行える。計画書不提出、虚偽記載、命令不服従は処罰
③先端技術開発
官民による協議会を設け、AI(人工知能)や量子、バイオなどの先端技術の開発を資金援助する。秘密をもらせば処罰
④特許非公開
対象は核技術や兵器の開発を念頭に置く。政府が必要と判断すれば出願技術を非公開とする。非公開の特許内容をもらせば処罰

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