動労千葉 CTS本社に抗議行動 賃上げと再雇用求め
動労千葉
CTS本社に抗議行動
賃上げと再雇用求め
動労千葉は4月7日夕、CTS(千葉鉄道サービス)本社前行動に立った。
インフレで生活苦生きられる賃金を
行動の目的は、賃金の引き上げと65歳以上の労働者の再雇用の確保だ。
JR東日本の子会社で車両の検査・修繕業務や清掃業務を請け負うCTSは、この日、春闘の賃金回答を出してきた。正社員はベアゼロで定期昇給のみ、契約・パート社員の賃金引き上げはまったくないという内容だ。CTSの清掃部門の労働者は約7割が契約・パートの非正規職で、平均の手取り額は月15万2千円程度、構内運転部門の正社員でも手取りは19万円ほどだ。そこに昨年来のインフレが襲っている。1割近く価格が上がった食品も少なくない。インフレはウクライナ戦争でさらに加速している。賃金が上がらなければ実質的には大幅な賃下げとなり、生きていくこともままならない。だが、CTSはその現実を無視して、3年連続のベアゼロ回答を強行してきた。
CTSの21年度の決算は4700万円の黒字、前年度と比べ利益は1100万円増えた。JR東日本が支払う業務委託費は1億円以上減ったが、人件費を1億1800万円もカットした結果の減収増益だ。人員はこの1年で30人も減った。
コロナ禍で大幅赤字に陥ったJR東日本は、21年度中にグループ全体で1800億円のコストカットを行うとし、CTSにも「3年で10%のコスト削減」を求めている。
その結果、労働者には手当もなしに消毒作業などが押し付けられ、人員はかえって減らされて、労働は格段にきつくなった。それに加え、賃金は実質的に大幅なマイナスだ。
管理職だけでなく希望者全員を雇え
この我慢のならない仕打ちに対し、動労千葉は怒りをたたきつけた。
さらに、65歳以上の再雇用をめぐっても、重大な事態が発覚した。
CTSは動労千葉の影響力を封じることをも目的に、65歳以上の労働者の再雇用を拒んでいる。にもかかわらずCTSは、JRから天下った管理職を南船橋事業所長としてひそかに再雇用していたのだ。しかも動労千葉との団体交渉では、「21年度以降、管理職も含めて65歳以上の再雇用者は一人もいない」という虚偽の説明を繰り返し、労働委員会に出した書面にも、そのうそを平然と書き連ねている。
高齢者雇用安定法の改定で、70歳までの就労確保の努力義務が21年4月から企業に課された。これを口実にJR東日本は、グループ会社の高齢者への求人情報をエルダー社員(60〜65歳の定年後再雇用社員)にメールで伝える制度を作った。だが実際には求人はほとんどなく、就労場所も東北、新潟、茨城などで千葉から通勤することはおよそできない。だがJRは、求人情報提供制度で「就労確保の努力義務は果たしている」という姿勢だ。
他方でCTSは、「エルダー社員はJRからの出向者だから、その再雇用に責任を負うのはJR」とうそぶき、無責任を決め込んでいる。なのに管理職だけは特別扱いで再雇用しているのだ。
7日のCTS本社前行動は、これへの激しい怒りを突き付けるものになった。
戦時下の会社門前行動を整然と貫徹
関道利委員長は「CTSは黒字決算なのに1円も賃上げをしない。コロナ禍の中で、みんながどんな思いで働いてきたか分かっているのか」とベアゼロ回答を弾劾した。
交渉報告を行った北村武執行委員は、CTSの不誠実な対応に怒りを表し、「組織拡大とストライキを含む闘いの強化で突破するしかない」と強調した。
東京から駆け付けた動労千葉を支援する会の会員は、JRの子会社のJETS(JR東日本運輸サービス)では会社の依頼で高齢者が再雇用され働いていると報告し、「CTSに再雇用できないはずがない」と声を強めた。
CTS各事業所で働くエルダー組合員が決意を表し、「大先輩の首を切り、我々の再雇用を拒否するCTSを許さない」という憤りの声が飛んだ。清掃部門の組合員が「今後も賃金アップを要求して闘う」と決然と述べ、各支部代表が最後まで闘う決意を示した。
会社門前での労働組合の行動は、戦時下で労働者の階級性を守る闘いだ。総翼賛情勢に立ち向かい、動労千葉はこの日の行動を意気高く整然と貫徹した。