焦点 「人道支援」の欺まん ウクライナ戦争参戦を狙う日帝

週刊『前進』04頁(3238号03面04)(2022/04/04)


焦点
 「人道支援」の欺まん
 ウクライナ戦争参戦を狙う日帝


 日本帝国主義は、ウクライナ戦争に介入し、それを日帝自身の中国侵略戦争準備に使いまくろうとしている。3月23日にゼレンスキー大統領に国会でリモート演説させ、「ウクライナを守れ」「ロシアに制裁を」と叫ばせ、日本共産党、立憲民主党を含む与野党の国会議員すべてを戦争翼賛体制に組み敷いた。その後、岸田は主要7カ国(G7)会合に出席し、米欧帝国主義と歩調を合わせてロシアに対するさらなる経済制裁やウクライナへの1億㌦の追加支援(合計2億㌦=約240億円)を約束した。
 もとよりロシア軍の軍事侵攻は許すことはできない。だが、経済制裁の強化やウクライナへの軍事援助で「ロシアをやっつけろ」と戦争をあおることは、戦争をますます激化・泥沼化させ、ウクライナ人民の生命と生活を破壊し、破滅的な世界戦争・核戦争を引き寄せるだけだ。ロシアへの経済制裁は戦争行為そのものである。

防弾チョッキは兵器だ

 日帝は「人道支援」と称して防弾チョッキとヘルメットをウクライナに提供した。防弾チョッキなどは、これまで防衛装備品と位置づけられ、安倍政権が2014年に策定した「防衛装備移転3原則」(武器輸出の解禁)でも、紛争当事国への供与は禁じてきた。それを今回、国会にかけることもなく、いとも短期間でクーデター的に踏み破った。政府は「ウクライナは『紛争国』の定義に当てはまらない」などと苦し紛れの言い訳をしているが、戦争当事国への武器供与そのものだ!
 そもそもこれはウクライナ政府が日本政府に、対戦車砲や地対空ミサイル、弾薬、レーダー、無人機などと一体で提供を求めてきたものである。いまゼレンスキー政権は戒厳令と総動員令を発令し、18〜60歳の男性の出国を禁止している。ロシアとの戦争に動員するためだ。そのために大量の武器、防弾チョッキとヘルメットが必要なのだ。日本政府は積極的にこれに応え、ウクライナ人民を戦場に駆り立てているのである。
 日本政府は1992年のウクライナとの外交関係樹立以来、ロシアや中国に対抗する思惑もあって「西側」諸国で最大規模の3千億円の援助を行ってきた。警察車両1568台を提供した(人民を弾圧するための準軍事的支援だ)。こうした「実績」があったからこそゼレンスキー政権は日本政府に戦争支援を求めてきたのである。

人工衛星画像の提供も

 日帝はさらに、人工衛星の画像情報の提供を策動している。ロシア軍への攻撃に使うためだ。日本の人工衛星が搭載するレーダーは悪天候や夜間でも地表をはっきり映し出す能力を持つという。ウクライナの副首相は「われわれは特に夜間に、ロシア軍を監視することがどうしても必要だ」と語り、衛星情報の提供を求めている。
 さらに岸田はポーランドなど周辺国に「輸送、医療支援」と称して自衛官を派遣することを計画している。これは自衛官ばかりでなく、民間の医師や看護師をも戦争動員することにつながる攻撃だ。
 「人道支援」という言葉に私たちはごまかされてはならない。それは労働者人民を欺き、戦争に引きずり込む口実だ。杉並区議会で洞口朋子区議がただ一人、戦争を翼賛する決議に反対して闘ったように、「戦争絶対反対」を貫いて闘おう。ウクライナ参戦国化を突破口とする日帝の中国侵略戦争を絶対に許すな!
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