杉並区議会闘争の報告 「挙国一致」決議に反対!反戦を貫く 杉並区議会議員 洞口朋子

週刊『前進』04頁(3237号04面01)(2022/03/28)


杉並区議会闘争の報告
 「挙国一致」決議に反対!反戦を貫く
 杉並区議会議員 洞口朋子

(写真 3月23日、国会前)

自国政府の戦争と闘おう

 今回の議会は会期中に始まった戦争に絶対反対を貫く闘いでした。3月3日の本会議で超党派の議員が提出した「ロシア連邦によるウクライナ侵略に対し断固抗議する決議」に一人で反対しました。決議の中身は「国際秩序を乱し、自由と民主主義の根幹を揺るがす暴挙」「日本政府に対して、邦人の確実な保護と、わが国への様々な影響対策について万全を尽くすよう要請する」というものです。
 この決議の本質は米欧日帝国主義の戦争を一切問題にせず、ロシア・プーチンのみを「悪」として「全会一致」を求めるところにあります。こうした議会の「挙国一致」は自然現象で起きているのではなく、日本共産党を筆頭に「左派」たちの超意識的な裏切りと屈服によって可能になっています。かつての戦争で問われたことが、今まさに私たちの目の前で起きていると感じます。戦争が始まった時こそ「反戦」の内容と立場性が鋭く問われます。
 もちろん、ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略と民衆虐殺に一片の正義もありません。しかし、議会の権力を使ってプーチンのみを糾弾すること自体が戦争行為です。
 3月23日のゼレンスキー国会演説も構造は同じで、日本共産党・志位和夫委員長は「日本の国会はロシアによるウクライナ侵略に抗議する決議を採択した。そういう国会として侵略を受けている国の元首のメッセージを受けるのは当然のことだ。最も合理的な方法を各党が協議して決めていくべきだ」と表明しました。
 革命運動に敵対・逃亡した杉並区議会議員のけしば誠一はブログで、「全会一致を目指し、案文を各会派に持ち回り意見を聞きながら作成したため、十分な内容とはいえませんが、時を逸することなく出したことに意義がありました」「(ほらぐち反対意見は)結果的にはロシアのウクライナへの非人道的な侵略戦争の言い訳を支えることになってしまいます」などと語っていますが、決議の本質を覆い隠す許し難い詭弁(きべん)です。
 では、戦争を止める力はどこにあるのでしょうか。私たちがなすべきことは、日本のウクライナ参戦国化と中国侵略戦争を狙う岸田政権と徹底的に闘うことです。そして、自国政府の戦争と闘うロシア民衆を始め世界の反戦闘争と連帯することです。
 日本には、新自由主義と闘う動労千葉を先頭とする労働組合があり、「リベラル大学人」たちのペテンを許さずキャンパスから声をあげる全学連運動があり、国策の農地強奪と闘い軍事空港建設を止めてきた三里塚闘争、辺野古新基地建設を阻む沖縄の不屈の闘い、被爆地ヒロシマ・ナガサキの闘い、原発再稼働と汚染水海洋放出を絶対に許さない福島の怒りがあります。戦争を止める力はここにあります。
 3月11日の予算特別委員会では同日の福島現地闘争と連帯して、復興庁と資源エネルギー庁が子どもたち向けに作成したチラシについて、杉並区と区教育委員会を追及しました。

「汚染水安全」のウソ許さぬ

 チラシは文科省が作成した放射線副読本(昨年10月改訂)に同封して昨年12月に国から各学校に直送され、すでに理科や社会などの授業で使われていましたが、区教委がそれを認識したのは今年3月に入ってから。
 教育委員会を通さずに国が学校に直接チラシを送ったことについて、区教委は「正当なものであると認識している」と答弁しました。さらに、汚染水海洋放出やトリチウムについても区教委は「ほとんどの放射性物質を取り除き、健康や環境への安全を確保するための基準を十分に満たした上で海に放出されている」と、国と同じ見解を繰り返しました。
 私は「福島の若者たちが甲状腺がんを告発して国や東電と闘っている。教育委員会は子どもたちを守るべきじゃないのか?」と弾劾しました。区長と教育長にも見解を問いましたが終始沈黙。矛盾や責任は全部教育労働者に押しつけ、一番放射能の影響を受けやすい子どもたちにウソを教えるなど絶対に許せません。傍聴した区民も「副読本やチラシのことを初めて知った。とんでもない内容だ」と憤っています。
 ウクライナでは原発が狙われ核戦争の危機が迫っています。今こそ日本から世界に向けて「すべての核と原発をなくそう!」と呼びかけましょう。学校や街頭で汚染水海洋放出反対の署名を集め、議会でも引き続き追及していきます!

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