3・11福島 汚染水放出、核戦争許すな 510人が岸田弾劾デモ
週刊『前進』04頁(3236号01面02)(2022/03/21)
3・11福島
汚染水放出、核戦争許すな
510人が岸田弾劾デモ
(写真 集会後、福島市内中心部を意気高くデモ。沿道から手を振って応援する人も【3月11日】)
3・11反原発福島行動22が3月11日、福島市の信夫山(しのぶやま)公園・野外ステージで開催され、福島県内と全国から510人の労働者・農民・学生・市民が労働組合やNAZENの横断幕、のぼりを掲げ駆けつけた。岸田政権が来春にも放射能汚染水の海洋放出を狙い、ウクライナでの戦争が激化し原発が攻撃され、核戦争の危機が現実化した情勢下での闘いだ。壇上からは、汚染水放出と内部被曝を絶対に許さず、それと一つの闘いとして戦争・核戦争を止めるため闘おうの発言が相ついだ。(発言要旨3面、海外からのメッセージ要旨4面)
福島の闘う仲間たちが壇上に勢ぞろいし、福島からの訴えで集会が始まった。代表して呼びかけ人であり、NAZENふくしま代表の椎名千恵子さんが「新自由主義崩壊の中で動労千葉や沖縄・三里塚・星野闘争とともに闘って来たから10回目の反原発福島行動を福島の地で行う決断ができた」と固い確信を述べ、続けて県主催の祈念式への岸田文雄首相の参加を弾劾し、「11年目の3・11反原発福島行動の成功が全世界と連帯し核戦争を止めることにつながる」と訴えた。
全国農民会議共同代表の鈴木光一郎さんは「11年間で学んだことは挑戦することであり、福島は決して負けない。汚染水の海洋放出を阻止し、原発を最終的になくそう」と訴えた。
続いて、司会を務めるNAZEN事務局次長の織田翔子さんが飯舘村の伊藤延由さん、希望の牧場・福島代表の吉沢正巳さんのメッセージを読み上げ、大きな共感が会場に広がった。
呼びかけ人あいさつを茨城県労組交流センター代表で動労水戸の石井真一さんが行い、「階級的労働運動を復権させることで戦争も原発もなくせる。この福島の地で原発反対、汚染水海洋投棄反対、戦争反対の声を上げよう」と呼びかけた。同じく呼びかけ人で長崎の被爆者の城臺美彌子(じょうだい・みやこ)さんからの、全国の小中高校に送られている復興庁のチラシを強く弾劾するメッセージが紹介された。
連帯発言を三里塚反対同盟の伊藤信晴さん、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、動労千葉の佐藤正和副委員長が行い、佐藤さんは「今日の福島行動と動労千葉ストは一つの闘いだ。戦争と対決して階級的労働運動を甦(よみがえ)らせ、すべての核と戦争をなくそう」と強調した。
広島からのアピールで被爆2世の中島健さんは「3月3日にウクライナ戦争反対の緊急声明を発し、全国ニュースにもなり、多くの方から『良くやった』と激励を受けた。新たな被爆者運動の発展を勝ち取るために闘う」と決意を語った。呼びかけ人であり広島・安芸太田町会議員の大江厚子さんの「『黒い雨』訴訟の完全勝利は汚染水海洋投棄絶対反対の闘い、子ども甲状腺がん裁判に引き継がれている」というメッセージを、NAZENヒロシマの保科衣羽さんが代読した。
地震発生時刻の午後2時46分、福島市の小松勝子さんが呼びかけ、黙とうを行った。海外から多くのメッセージが寄せられていると報告され、ドイツ・ゴアレーベンからのメッセージが読み上げられた。
決意表明を全学連の赤嶺知晃委員長(沖縄大学)、京都府職労舞鶴支部の長岡達也さん、NAZEN東京の飯塚淳さんが行った。赤嶺さんは「沖縄では米軍と自衛隊が中国侵略戦争の訓練を行い、辺野古新基地建設を強行しようとしている。福島と沖縄は『反戦・反核』の一番の決戦場だ」と5・15沖縄闘争に向けて鮮明な決意を表明した。
最後にNAZEN事務局長の織田陽介さんが「ウクライナでの戦争にストライキで闘う」「ふくしま共同診療所を守り『避難・保養・医療』の運動を推し進める」「汚染水放出反対署名の展開」の三つの行動方針を提起し、「団結がんばろう!」を行った。
集会後のデモは会場から500㍍の距離で行われた祈念式に参加の岸田を直撃。県庁前や沿道では福祉労働者などが注目し、高校の校舎から多くの生徒が手を振りデモ隊を応援した。